表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女ノアールの受難 〜私のMPはゴミクズ勇者のためにあるのではない〜  作者: 水上 空


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/26

至高のプリンと、最悪の来客


ギルドの天井修理費を払い終え、一行はようやく宿屋のテーブルを囲んでいた。

中央には、三途の川の特産品——神々しい輝きを放つ『極楽浄土のプレミアム・カスタードプリン』が鎮座している。


カイト:「ついに……。10回死んで、ようやく手に入れた俺の命の輝き(プリン)……!」


ノアール:「(こめかみをピクつかせながら)……あんたの命、プリン1個分なのね。さあ、さっさと食べて。見てるだけでMPが減りそうだわ」


アイリス:「おお、これが伝説の……。スプーンを持つ手が震えるな。……あ、手が滑ってスプーンが天井に刺さった」


ルナ:「……カイト様、おめでとうございます。私、緊張して指から火花が出そうです……」

カイトが震える手でスプーンをプリンに差し込もうとした、その瞬間。

宿屋の壁がドォォォォン!!と粉砕された。


出現したのは、甘い匂いに誘われて街に侵入したランクDモンスター『シュガー・スネーク』。


バジリスク:「(そのプリン……よこせぇぇ!!)」


カイト:「あああっ!? 俺のプリンに蛇のヨダレがーーー!!」


ノアール:「(ブチ切れ)ちょっと!! 宿屋の修理代を払った直後に壁を壊すんじゃないわよ!! アイリス、止めて! ルナ、焼いて!!」

アイリス:「任せろ! 騎士の意地を見せて……わわっ!? 床のワックスが利きすぎている!」


アイリス、突進するバジリスクを華麗にスルーし、そのまま厨房の鍋の中にダイブ。


ルナ:「カイト様、危ない! ……【フレア・バースト】!!」


ルナの放った火炎弾。しかし、当然のようにシュガースネークの横をすり抜け、直角に曲がってカイトの持つ「スプーン」に直撃。


カイト:「(アチィィィ!!)」


熱されたスプーンがカイトの手を焼き、驚いたカイトがのけぞる。その拍子に、テーブルの脚が折れ、宙に舞うプレミアムプリン。


カイト:「プリンーーーっ!!」


カイトは空中でプリンをキャッチしようとダイブ。しかし、その口の中に飛び込んできたのはプリンではなく、シュガースネークが威嚇で吐き出した「猛毒の石化ブレス」だった。


カイト:「(ガチガチガチ……)」


プリンを抱えたまま、カイトは完璧な「プリンを死守する石像」と化し、その重みで床を突き破って階下へ。


ノアール:「カイトーーー!! 石像になっても死ぬんかーーーい!!」


三途の川


カロン:「……おかえりなさい、カイト様。死因、『石化による窒息、及び落下死』。……プリン、まだ持ってるんですか?」


カイト:「(石像のまま、執念でプリンを離さない)……カロンさん……一口、一口だけでいいから食べさせて……」


カロン:(呆れ果ててスタンプを捺す)

「はい、12個目。……あ、現世でノアール様が『石像をハンマーで叩き壊して中身を引きずり出す』って言いながら呪文の準備してますよ。粉々になる前に戻ったほうがいいです」

ノアール:(瓦礫と化した宿屋で、ハンマーを肩に担ぎながら)

『――甘い匂いに釣られたトカゲと、食べ物に執着して石になった愚か者に等しく裁きを。プリンごと粉砕される前に、分子レベルで再構成されなさい。……【いい加減にしろよこの食い意地バカイトォォォ・リ・コンストラクション(再構築)】!!!』


バキバキバキィィィン!!(石像が爆発してカイトが飛び出す)


カイト:「(着地と同時にプリンを一口飲み込む)……あ、甘ぁぁぁい!!」


ルナ:「……よかった。カイト様、幸せそうです……(背後で黒焦げになったシュガースネークを見ながら)」


ノアール:「(白目)……次は、プリンじゃなくて『毒消し草』にするわよ……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ