初ダンジョン!死んで覚える攻略法
ダンジョン『迷い子の洞窟』入口
ノアール:「いい、カイト。ここはFランク向けの初心者ダンジョンよ。ターゲットは『ツノウサギ』の角を3本。……お願いだから、入り口の段差で死なないでね」
カイト:「任せろって。ほら、今日は特製の『転倒防止シューズ(紐をガチガチに結んだ)』を履いてきたんだ」
カイトが自信満々に一歩踏み出した瞬間。
結びすぎた紐が左右で絡まり、カイトは一ミリも動けずに前方へ倒れ込んだ。
ノアール:「……は?」
カイト:「(顔面から着地)……あ、鼻の骨が脳に……」
三途の川(本日1回目)
カロン:「あ、カイト様。……死因、『靴紐を自力で絡ませて転倒』。……これ、ギャグ漫画の1コマ目ですよ?」
カイト:「気合を入れすぎた結果がこれだよ……。スタンプお願いします」
カロン:「(無言でドン!)はい、5個目。……ノアール様、入り口で立ち尽くして震えてますよ。早く戻ってあげてください
蘇生後、なんとか洞窟の中腹まで進んだ二人。
ノアール:「はぁ……はぁ……。もうMPより精神力が削れるわ。あ、見てカイト。あそこにツノウサギがいるわ!」
目の前には、鋭い角を持つウサギ。しかし、その手前には明らかな「床のスイッチ」が。
ノアール:「待って! あれは矢が飛んでくるトラップよ。私が解除するまで動かな……」
カイト:「(うっかりクシャミをして前進)……ハクションッ!」
カチッ。
シュバババババッ!!
壁から無数の矢が放たれる。しかし、カイトはクシャミの反動で大きくのけぞり、全ての矢が髪の毛の数ミリ上を通過。
カイト:「ふぅ、危なかった……」
ノアール:「(驚愕)……避けた!? あのドジが、超絶技巧のバックステップで矢を……!」
しかし、回避した先にあったのは「落とし穴」だった。
カイト:「あ」
ノアール:「あ」
ドスッ。(底にあった槍に串刺し)
再び三途の川から帰還したカイト(スタンプ6個目)。
なぜかカイトが死ぬたびに、カロンから「お土産」として「死出の旅路の重石」という謎のアイテムを渡されていた。
ノアール:「もういいわ、私が魔法で一気に仕留める!……って、MPがもう空っぽ!? 蘇生させすぎたせいだわ……!」
絶体絶命のピンチ。巨大なボスウサギが突進してくる。
カイト:「これを使えってことか……! 食らえ、三途の川の重石!」
カイトが重石を投げようとした瞬間、またしても足が滑る。
重石はあらぬ方向へ飛び、天井の巨大な鍾乳石を直撃。
メキメキメキッ……ドゴォォォォン!!
崩落した巨大な岩が、突進してきたボスウサギを完璧にプレス。
砂煙が舞い、ボスの断末魔すら聞こえないほどの圧勝(?)だった。
カイト:「ふぅ……。見たかノアール、俺の計算通りの『落石トラップ』だぜ!」
カイトがドヤ顔で親指を立てた、その瞬間。
プレスされた岩の破片が、凄まじい速度で跳ね返ってきた。
シュンッ!――ポカッ。
カイト:「……あ」
ノアール:「…………え?」
カイトの額のど真ん中に、ゴルフボール大の小石がクリーンヒット。
そのまま、カイトの身体がスローモーションで後ろに倒れ込む。
カイト:(白目。額から魂が抜けかけている)
ノアール:「ボス倒した後に、自分の投げた石の跳ね返りで死ぬ奴があるかぁぁぁ!!」
カロン:「あ、カイト様。死因……『自業自得の跳ね返り弾』。……これ、三途の川の歴史でもかなり間抜けな部類に入りますよ?」
カイト:「……次はヘルメット被ってから石を投げるよ」
カロン:「(ため息をつきながらスタンプを捺す)……はい、7個目。あと3回死んだらプリンですよ。……頑張ってください、とは言いにくいですけど」




