13 : Day -21 : Yotsuya
「まあ、きれいなおべべね」
皮肉っぽい物言いのチューヤに、リョージは磊落に笑って、
「せっかくだからもらっといた。いやー動きやすいし、防御力もありそう」
それは鎖帷子を模した鎧のような「道着」だった。
ある種のケブラー繊維のようだが、最強の炭素系線維カルビンを使用しており、羽毛よりも軽く、ダイヤの3倍硬い、という。
さらにいくつかのスキルも追加されており、レベルアップもしたらしい。
「さすがカンタの息子……」
菊ゐ──小室家が東郷家に目をつけたのは正しい、と思った。
「それよりチューヤは、なにもらったの?」
「赤線の入場券だよ」
喜んでいいのかどうか、手首につけた木製タグを示す。
これがあれば「おとなの世界」にはいれるのだ、という。
「そうか、そうだったな。真夜中の虹を探すイベントだった」
「とりあえず俺は、丹下さんが日本の恥をさらしてないかが心配だよ」
そんなことを話しながら、麹町の地下に広がる歓楽街を俯瞰する道を下りつつ、あらためて広壮なる全体の規模に瞠目した。
リョージすら、その欲望の奥行きに若干呑まれている。
食事、宴会、風呂、興行……。
菊ゐは、もはやただの料亭ではない。
東西南北に四神を配し、江戸の各地から境界の客を集める、そこは巨大な「街」といってよかった。
中枢にそびえるバベルの塔が、菊ゐだ。
あくまでもバビロンという街を構成する一部。
事実、四方に伸びるトンネルは地下街につながっていて、赤ちょうちんの明かりが遠くまで伸びている。
ここは境界における、とある有力な歓楽街のひとつ、といっていいようだった。
「……くそ、あのお腐れ野郎さまめ」
傷だらけの顔面を撫でながら、オキクムシたちが通り過ぎる。
「この格式ある店に、あんな腐れが、よくもまあ堂々と」
苦虫をかみつぶした表情もあれば、飄々と北叟笑む顔もある。
「しかし金払いはいいみたいじゃないか。太鼓持ちどもがおだてあげて、ありがね全部搾り取るつもりみたいだよ」
「ハクコさまがあんな目に遭ったというのに。女将は甘すぎる」
「大女将に訴えてみたんじゃないのかい?」
「店の差配は女将と番頭の仕事だよって、温泉に引きこもっちまったよ」
チューヤたちは、西門をまわりこんで北へむかう道すがら、そんな会話を耳にした。
たしかに見まわせば、なにかヤバそうな祟り神でもやってきたかのごとき、嵐の過ぎ去った痕跡が各所にある。
壊れた看板、地面を汚す血と油、ぶちまけられた食べ物や、引き裂かれた着物、などなど。
「殺し屋かな?」
首をかしげるリョージに、
「まさか、あの子がこんな派手なことはしないと思うけど」
情報精査の必要を感じるチューヤ。
ともかく菊ゐには今夜、いろいろなイベントが凝縮され、詰め込まれている。
そのひとつの駒として、自分たちがすべきことをやらねばならぬ──。
「ここにバカなカエルが来ませんでしたか?」
そうピンクのカエルは言った。
あんたが来たよ、と返したいところだが、もちろん初対面の女子にそんなことは言えない。
「番台の法被を着たカエルなら、さっき会ったけど」
リョージが言った。
菊ゐの本館で、ゲコゲコ鳴きながら北のほうへ跳んでいった、という。
「法被ならほとんどのカエルが着ています。わたしが知りたいのは変態のカエルです」
思い当たるところがあったのは、チューヤ。
イモリの写真をペロペロ舐めるようなタイプの変態なら、知っている。
「イモリの……」
「ああ、そいつです!」
間髪いれずメスガエルは叫んだ。
最初からカエルカエルと呼んではいたが、オスメスの区別はこのさい重要だ。
ドワーフにはオスしかいないとか、エルフにはメスしかいないとかいう誤解が、ファンタジー業界にははびこっている。もちろん、そんなわけはない。
種として維持される、すなわち繁殖するためには、オスとメスが必要なのだ。
「旦那さん?」
「ええ、その予定ですが、いざとなると臆病なダメガエルで……」
どうやら結婚を前提にお付き合いしているカエルの痴話げんかに、巻き込まれようとしているらしいと察した。
無駄な時間を過ごしている時間はない……と考えはじめたチューヤだったが、このカエルたちは重要だという謎の直感を信じた。
──会ったことがある、はずなのだ。
心のどこかに引っかかっているものを、そろそろ取り除いておきたかった。
「この境界ではカエルだけど、現世では……ちゃんとした人間だよね?」
境界化した世界で、人間たちがそのガーディアンである悪魔の姿を借りて徘徊しているケースは、最近とみに増えている。
現世と境界で主客が入れ替わる、という表現が近いかもしれない。
人間や悪魔自身、そのほうが楽だし、効率的でもある。
当初は「悪魔に乗っ取られる」と忌避していた人々も、徐々に自分の本質と守護者との関係を理解し、認識を更新しつつある。
現世にもどれば人間として、彼らはまっとうな社会生活を送っているのだろう。
ピンクのカエルはすなおにうなずいて、言った。
「あのひとの本業は、政治家の私設秘書なのです。そしてわたしは、銀行で受付をしています。日本を代表する東京プライベートバンクです」
どこかで聞いたことのある会社だな、と思いながら、
「……はあ。ご夫婦ともに昼間の仕事があって、夜はこの料亭でバイトをしている、というわけですかな」
「このところ、あっちもこっちも手が足りないようで、もうカエルの手も借りたいと」
「まあ、そうですね。集団行方不明の事案も、けっこう増えてきましたからね。ものの情報筋によると、人口の1%程度の人間が無作為に消えているらしいですよ。そしてその倍以上が、社会参加に対して後ろ向きになりつつある……」
おかげで海外では、まともに社会がまわらないといった事態も頻見される。
一方、日本は、好況な時代の失業率なみに低い離脱率によって、鉄道はきっちりと定時運行、まっとうな社会生活が送られている。
それを支えているのは、このカエルのようなダブルヘッダーのおかげも大きいのだろう、と理解を新たにした。
「週末だけ手伝うという話で、わたしも同意はしていたんです。わたしたちが出会った、恩義のある割烹・菊ゐですから」
「カエルの恩返しですな」
「年末で政治家さんもいそがしいらしく、新宿会議の資料づくりがどうこうと、このところ夫婦の営みもありません。国政の情報を都政に反映しなければならないなど、自分ばかりがいそがしいかのような物言いが腹立たしく、しょせん都議会議員ではないかと言ってしまったところ、ダイコク先生に対して無礼だぞと大喧嘩……」
よよよ、と大きな眼球に涙を浮かべるピンクのカエル。
どこかで聞いたことのある政治家だな、と思ったつぎの瞬間、チューヤは跳びあがった。
「えええ! ダイコク先生!? カエル……タニグク……スクナヒコ、あああ、やっぱり見たことあった! スクナヒコさんの後ろにいたんだ、あいつ……いや、旦那さん、そうですか、ダイコク先生の秘書さんのひとりでしたか!」
スクナヒコは、神話の時代からつづくオオクニヌシの切っても切れぬパートナーである。あらゆる仕事において「先生」を支えるべく、24時間365日稼働の公設秘書だ。
一方、タニグクは情報収集などを担当している私設秘書のひとりで、たまに重要な情報をあげて政策判断に資する程度の役に立てばいい、ということのようだった。
じっさい菊ゐは、都政どころか国政にとっても重要な「情報の宝庫」だ。考えるまでもなく、タニグクは本来の仕事の一環として、ここでバイトをしているにちがいない。
「もちろんわたしも、ダイコク先生がごりっぱなかたであることは重々、認めております。いずれ都政どころか国政に打って出てもおかしくはない逸材だと、その点、疑いのないところだとは思いますが」
「さようでござる。ダイコク先生は、ほんとうにりっぱなかたでござるぞ」
「落ち着け、チューヤ」
どうどう、と興奮するチューヤをなだめるリョージ。
カエルはちらりとリョージを一瞥してから、チューヤに視線をもどし、それから再びリョージを見つめた。
──こいつ俺を天秤にかけやがった、そして妥当な結論にいたりやがった、とチューヤは内心忸怩たるものをおぼえつつ察した。
カエルがリョージに乗り換えるのは勝手だが、話だけは進めておきたい。
「ともかくカエルをお探しなら、北のほうへ行ったらいいんじゃないかな!」
「……いえ、そのまえに銀行のほうの業務を済ませたいと思います。イソラさんから伝言です。海を怒らせるな。まだ彼女には勝てない、と」
顔を見合わせるチューヤとリョージ。
軽く首をかしげるリョージに、イソラさんについて手短に説明するチューヤ。それを黙って聞いていたカエルは、しかたなさそうにチューヤに視線をもどす。
どうやらリョージを頼りたいのだが、この場合は自分を頼るしかないとあきらめたようだな、と察したチューヤは内心舌打ちした。
「それにしても説明が少ないな、イソラさん。……言ってたのそれだけ?」
「だが海も銀行も、一枚岩ではない、とも。……もちろんイソラさんに手を貸しますよね?」
脳裏によぎる、サンショウウオのような顔をした銀行員。
彼には一応の恩義がある、といっていいのか……しばし考え込んだ。
すくなくとも海の魔王ダゴンを倒すのに一役買ってはくれたが、それをもってイソラを味方と断じるのは早計だ。
忖度するまでもなく、彼にも相応の事情があるように思われる。
ここでイソラの味方になっていいのか、どうか……。
十秒ほど考えてから、チューヤは言った。
「わかった、手を貸す。なにをすればいい?」
「いい判断です。……いまこの料亭には、重要人物が参集しています」
カエルの視線に合わせて、原色の明かりに彩られた菊ゐ本館を眺め上げる。
「みたいだね。そのうちひとりでも、会えるだけで大騒ぎなレベルの大物ばかり」
「一階の奥に、財務方の利益代表として、元財務官寮の大牟田という男がいます。東京プライベート銀行理事で、LUXグループのファンドマネージャーもやっています。世界を苦しませる金融の魔王です。やつを殺してください」
チューヤは、ぽかーんと口を開けた。
──こいつらに現世の常識など通用しないのか。おまえらそれでも人間か。いつから悪魔に魂を売った。いや、そもそも悪魔だったっけな!
内心でいろいろと突っ込みつつ、
「……いや俺、殺し屋じゃないんで」
「そうですか。では彼のカウンターパートであるアメリカの利益代表、ベヒーモスを倒してください。さしあたり、それで我慢するそうです」
「カエルさんや、カエルさんや、どうかヒトの話を聞いておくれ。いいかい、俺は殺し屋じゃないんだよ」
「そうですか。では大牟田──ルキフグスと友だちになってください。そして、こちらの言うことを聞いてもらえるようにしてください、できるものならね」
カエルの表情は淡々として、ほとんど変わらなかった。
そもそも両生類に表情などというものを期待するほうがまちがいなのかもしれない。
どうやら彼女は、これ以上の譲歩をするつもりはないようだった。
チューヤとしても「殺してくれ」のダブルパンチを退けている以上、それでは友だちになってくれという平和的な要求を断るのは、誠実さに欠けるといわざるをえない。
望んで困難な道のりを選んだ、という形になるのだろうか。
のちに顧みたとき、すくなくとも強さ的には、大牟田を殺してしまったほうがいちばん手っ取り早かった、と気づくことになる可能性を考慮したとしても、レベルの低い相手を殺して問題が解決するようなら、そもそも世界観が成り立たないような気もする。
「大魔王ルキフグスと、友だち……。なったとして、言うこと聞かせるって、なにをさせればいいんだ?」
するとカエルは、はじめてすこしおどろいたような表情をした、ような気がした。
こいつ、そんなことができるつもりなのか、と。
「海の理屈と、陸の理屈は、つねに対立します。われわれ水の眷属は本来、海の理屈に立ちますが、あの邪龍の言われるがまま、決められた階級に随順しなければならない状況を、まるで永劫のごとく押しつけられるのは不本意だ、と。……陸はつねに海から搾取するが、その方法が穏当であるかぎり、われわれはあえて逆らわぬ道を選ぶこともできる」
「あのさ、まわりくどい言い方やめてもらっていいかな。要点だけ頼む。お互い時間ないんでしょ?」
「ルキフグスはおそらく、ベヒーモスのもつ〝第六台場の権利〟を欲しているのだと思います。なにやら、あやしげな『取引』の現場にもなっているらしい、台場の沖に浮かぶ島です」
脳内に展開する東京地図──第六台場。
国の指定史跡であり、立ち入り禁止の島だ。
台場公園やレインボーブリッジから眺めることができ、豊かな密林を形成している。
どうやら境界では、ベヒーモスがその「権利」を有しているらしい。
「ええと……友だちになるや否や、おまえの家と土地よこせって要求する感じかな? なんか無理ゲーっぽい感じしかしないんだけど」
「だから殺して奪えと言いました。ルキフグスが消えれば、日本の金融はさしあたり安定します。
ベヒーモスはアメリカ勢です。話し合いで譲ってもらえるなら、それでもかまいません。できるものなら。日本が日本の土地である米軍基地を返してくれと言って、返ってきたことはあまりないようですが。
いずれにしろ手に入れたら、イソラさんのところにもっていってください。新たな道が開けるでしょう」
カエルはそれだけ言うと、ゲコッ、と鳴いて去って行った。
どうやら旦那になる予定の恋人を探しに行ったらしい。
「で、大牟田ってひとを殺すのか?」
顔を見合わせ、まず発されたチューヤの問いに、リョージは軽く肩をすくめた。
「いや、そのひとの仲間? 知らんけど、ベヒーモスってのと友だちになって、権利を譲ってもらえばいいんじゃないかな」
「カウンターパートは仲間じゃないだろ。交渉相手のベヒーモスが手ごわいから、だれかにやらせようって魂胆だと思うが。そんなやつ、ぶっ殺してもよさそうな気もする」
「らしくないこと言うなよ、チューヤ。そういや後藤田さんが言ってたな。政治家ってのは議論も大事だけど、自分にとっては資金面でものすごく世話になってるひととの話し合いのほうが大事だって。菊ゐのどっかの部屋にいると思うから、あいさつしたいけど……」
リョージの「大物つながり」は、そうして広がっていくのだろうと察した。
そのときチューヤのふところで、ピロピロと鳴り響く新幹線の到着音。
苦笑するリョージに、チューヤは軽く手刀を立て通話を開いた瞬間、かなりのボリュームで声が漏れてくる。
「もしもしチューヤか」
「もしもしチューヤだ。さてはケートだな」
リョージにも聞こえるように言った。
「茶番につきあっている時間はない。そこにgotoはいるか?」
「ここにはいないが、リョージならいるぞ。スピーカーにするか?」
「……ふん、なるほど。そうしてくれ」
会話にリョージが混ざる。
「よう、ケート。いろいろ世話になったみたいだな」
お嬢が、とつづけようとしたが、かぶせるようにケートは言った。
「時候の挨拶をしている暇はない、こちとらクソいそがしいんだ。──悪魔召喚プログラムは、もともとBASICで書かれていた。BASICの特徴として、goto文の濫用が挙げられる。他者に解読困難なコードの羅列で、バグが発生してもなかなか見つけ出せない」
「ええと……?」
「スパゲッティプログラムな、と突っ込めよ」
どうやらボケていたらしい。
チューヤは軽く皮肉をきかせてやるつもりで、
「時間がないという割には、よけいなこと言う感じが、らしくていいね」
「やかましい。キミらとプシ子のせいで、こちとらやること溜まりすぎてんだ」
「おつかれさまです。てか今夜くらい、親子水入らずですごせばいいのに」
「そんな時間があるか。天才には天才にしかできない仕事があるのだ」
複雑にソースが絡み合ったスパゲッティ・ナポリタンを見ながら、プログラマの涙が奏でるデスマーチを踏み越えて、一歩さきへ。
それが理系の魂。
「…………」
チューヤとリョージは、ストレスフルなケートの言葉を、しばらく義務的に聞いた。
時間がないという割には、無駄に自分たちを煙に巻こうとしているのではないかと衷心から疑ったが、彼としては平たく言っているつもりらしい。
「goto文が採用されている時点で、古いプログラムだってのはわかる。まあオブジェクト指向でも、多重継承の機能追加に濫用すると、クラス間の関係が複雑になりすぎたりはするが。これはオブジェクト・コンポジションを利用すれば……」
「あのう、技術的な話は、ええと……」
ケートは一瞬、口を閉ざし、会話の向きを修正した。
「ゴトウダって政治家がいるだろ、公安の」
「ああ、それは政治家じゃなくて財界人だ。警察庁とか公安とのつながりが強いのは事実だけどな」
ちょうど絡みかけていたスパゲッティ。
リョージの答えに、強い口調をかぶせるケート。
「gotoだ! 追え!」
──いま、やらなければならないことは、シナリオに優先順位をつけること。
しばし、何事かを話し合う男子3名。
まだ結論が出ないうちに、いつもどおり超人的ないそがしさに追い立てられて、ケートが通話を切った。
取り残されたように顔を見合わせる、チューヤたち。
「くわしい話はきょうの鍋で、か」
「なんかすげーね、俺たち。このご時世に、呑気に鍋の計画とかさ」
「ははは、オレららしくていいじゃん。……で、どうする?」
見つめ合う男子2名。
ケートはケートの道を行くが、チューヤとリョージもここで自分たちの行く先を決めなければならない。
「待って、考えるから。……よし、決めた。リョージは後藤田さんのほう、頼む。イソラさんにも絡んでるから、ほんとは俺も行きたいけど、いまは時間がない。手分けしよう」
選ぶしかないのだ。人生は、つねに。
右の道へ進むと決めたなら、左の道で起こることに責任は持てない。
ただ、左の道へ進んでくれる友人がいれば、ふたりで手分けするという対処法はある。
頼れる友人代表、リョージはうなずいた。
「そうだな。イソラさんってのはいまいちわからんが、その大牟田さんってひと絡みだとしたら、オレも無関係じゃない。後藤田さんに確認してみるよ」
「頼む。……しかし、ぶっこんできたな。1個のクエスト解決しているうちに、5個くらい新たなクエスト追加されてる感じだよ」
解決したのはブブ子に届ける角くらいで……いや、ケートのママ案件は片づいたのか、リョージの戦いも一戦終わっただけとも言えるし、ヒナノの祖母についてはまだ大物が残っている、マフユの世界にいたっては手ごたえすらあまりない。
かてて加えて、つぎつぎ投げ込まれてくる「関係ないクエスト」も、どうせ各ルートに絡んでくるフラグ案件に決まっている……。
「風呂敷を広げすぎると起こりがちだよな。まあ回収しようという努力があるぶん、エタるよりマシじゃね?」
「リョージがそういうこと言わないで。……じゃ、頼む」
「おう、チューヤも」
軽く手を合わせて、北と東へわかれる。
どうやらまたひとつ、新たなシナリオ分岐を越えた。




