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第二章
店を出ると、空は少しだけ暗くなっていた。
腕時計を見る。
思っていたより長くいたらしい。
手に持った本を紙袋へしまい、湊は歩き出した。
帰り道は、いつも同じだった。
角を曲がり、小さな横断歩道を渡る。
信号が赤なら待ち、
青になれば渡る。
特別なことは何もない。
ふと、紙袋の中へ視線を落とす。
さっき棚へ戻されていた本だった。
内容が気になったわけではない。
手に取った時、
その本だけが少し印象に残っていた。
家へ着き、
鍵を開ける。
靴を脱ぎ、
買ってきた本を机へ置く。
コーヒーを淹れ、
椅子へ座る。
窓の外では、
今日という一日が静かに終わろうとしていた。
湊は本を開く。
最初の一ページを読んだところで、
小さく息を吐く。
悪くない。
そう思ってページをめくった。




