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第三章 鼓動
数日後。
仕事を終えた湊は、帰り道でスマートフォンを取り出した。
通知が一件。
今日、行く?
璃子からだった。
湊は画面をしばらく眺めてから、
行く。
とだけ返した。
スマートフォンをポケットへしまう。
いつもの帰り道だった。
同じ交差点。
同じ店の灯り。
同じ人の流れ。
それでも、バーへ向かう足取りは少しだけ軽かった。
角を曲がる。
見慣れた看板が見えてくる。
扉の前まで来て、湊は一度立ち止まった。
少し前まで、ただ気が向いた日に立ち寄るだけの店だった。
今夜は、そこに璃子が来る。
自分でも不思議になって、ふと笑う。
「今日は何を話そうか。」
そう心の中で呟いて、
湊は扉を開けた。




