第149話:エピローグ(表)
「ん♡ ん♡ ん♡」
朝三暮四。朝の三回をラリルトリオに処理してもらって、そのまま朝食に入る。人公にカホルが俺のモノだと主張したは良かったが、それで首とか括られると困るんだが。とはいえ、死ぬ勇気があるかと言われると、それも首をかしげて。
「アクヤ様。今日はデートしませんか?」
「……私もしたいです」
「あたしも!」
じゃあデートするか。ついでにマキノも呼んで。
「じゃあマキノには私の方から連絡しますね」
「ああ、頼む」
そうしてデートをすることになった。駅まで車で移動して、そのまま電車に乗る。そうして電車を乗り継いで、カホルたちとデートをする。ふと視線を感じたが、そっちを見ると誰もいなかった。不快な視線ではなかったが、なんとなく気になった。でもまぁいいだろ。人公が見つめて来たとかそういうことじゃなければ。
「アクヤ様。今日はどこに行きますか?」
「……私はドーナツが食べたいです」
「あたしもそれに賛成」
「いいね。ドーナツ。あーしも賛成かも」
カホル。コヲリ。ホムラ。マキノ。四人ともドーナツを御所望らしい。
「じゃあそうするか」
有名なドーナツ専門店に向かう。そうして長蛇の列を並んで。だが四人と一緒ならお喋りだけで二時間は潰せる。
「アクヤ様。今度の勉強についてですけど」
「もう高校の範囲はフォローしているんだろ?」
「ですね。でもまだ穴も結構あって」
「じゃあそこを埋める作業をするか。国立首都大学でいいんだよな?」
「ええ、学部はこの際問いません」
「じゃ、そういうわけで」
「……アクヤ様。……私の仕事の件ですけど」
「聞いた。もう納品したって?」
「……えと。……興が乗って」
筆が乗ったわけじゃないらしい。というか既に液タブも使いこなしているその適応力よ。
「仕事に関して言えば大量には来ている。こっちで捌いているから、もうちょっと時間をくれ」
「……担当したラノベの新刊ですけど」
「好調みたいだぞ? 既に重版出来。イラストレーターにも追加で報酬」
「……それは嬉しいですけど」
愛スール先生は、もう立派なイラストレーターだ。俺が介入するまでもないが、えてしてクリエイターはマネジメントでずっこける。だからこれからも愛スール先生……つまりコヲリをマネジメントするのは俺の仕事だ。
「アクヤ様。あたしの配信だけど……」
「それは21プロに任せろよ」
「アクヤ様も見てくれてるよね?」
「無論だ。欠かさずチェックしているぞ」
「嬉しい! アクヤ様大好き!」
ドーナツ屋で夏真っ盛りで並んでいる人の波の中、超一級の美少女四人が俺とイチャイチャしている。そのことに怪訝な目を向ける羊のような列の人間たち。でも自重しない俺たちだった。
「アクヤぁ。あーしの撮影だけど」
「それこそプレプロに頼めよ」
「アクヤがいるかいないかでモチベが全然違うっしょ」
「恋してるもんな」
「えへー。アクヤにだけだからね?」
それはまぁいいとして。そうして五人で列にならんで。ようやくドーナツ屋に入店。好きなドーナツを買って。金を出すのは俺。面倒なので一括で。そうして店を出て。ドーナツを食べながらヒロインたちはニコニコ。
「美味しいなぁ」
「……ですね」
「超美味」
「あ、アクヤ。ドーナツ食べてるあーしを撮って?」
まぁ構いはせんが。人気グラビアアイドルアズキちゃんがアウトスタグラムにドーナツの写真を投稿したら一種のマーケティングになるだろう。ドーナツの店としても有難い話には違いないが。
「じゃあ撮るぞ」
Hカップの爆乳が映えるように、俺は写真を撮る。もちろんマキノのスマホはカメラ機能が極まっている。自撮り写真とかを投稿しているし、ネットは彼女の一挙手一投足に夢中だ。まぁそれは俺もなんですけど。
「アクヤ様ぁ♡」
「……アクヤ様♡」
「アクヤ様♡」
「アクヤ♡」
そうして四人とイチャイチャしながら道すがらを歩く。庵宿区にはトレンドが集まっているから、女の子とデートするとおよそ最適解があって助かっている。
「アクヤ様。私たちと一生一緒にいてくださいね」
「……全部を差し上げます。……ですからどうかご温情を」
「でもそんなことは関係なく。あたしたちはアクヤ様を愛していますけど」
「だねー。アクヤいい男過ぎるっしょ」
あはは。照れるね。
「なのでアクヤ様。腕を組みませんか?」
「……いいですね。……私とも」
「でもアクヤ様の腕は二本しかないよ?」
「そこはあーし優先で」
バチバチと視線をぶつけるヒロインたち。まぁ俺にはどうでもよくはないが、誰と腕を組んでも問題は無いのだが。
「「「「じゃんけん……ッッ!」」」」
そうなるよな。そうして庵宿区を歩いて、適当にショッピング。そうして家に帰ると。
「アクヤ様♡」
「……アクヤ様♡」
「アクヤ様♡」
「アクヤッ♡」
今度は何処で調達してきたのか。エチエチのメイド服を着たカホルたちが俺に奉仕してきた。カホルとマキノは零れそうなオッパイ。コヲリも巨乳で。
「うー……」
一人貧乳に悩んでいるホムラだったが。俺はそのコンプレックスに性癖を刺激される。ギュッとホムラを抱きしめて。そうして首筋を舐める。
「アクヤ様ぁ♡」
いまさら偽乳隊長とか言われても、俺には全く関係がない。
「大好きです。アクヤ様。この世の誰より。何より」
嬉しそうにキスをしてくるホムラに、俺もキスで返す。大好き。その言葉が嘘でないことを俺も知っている。俺だってホムラが好きで。同じくらい、カホルもコヲリもマキノも好きなのだから。
「愛してるぞ」
「アクヤ様。私にも」
「……私も私も」
「あーしだってアクヤ好きだよ?」
不満そうな三人にも同じくキスをする。この四人と、俺は生きていくことを芯に刻む。
「あの。それで。アクヤ様のお世話なんですけど」
「そうだな」
パンッッと俺は一拍した。両手を打ち鳴らし、そこで話題を変える。
「「「「?」」」」
キョトンとする四人。
「様付け禁止!」
俺はそう言う。アクヤ様、と言われることを俺は今ここで禁止した。別に性奴隷じゃなくても、俺たちはしっかり繋がっている。
「もういいだろ。マキノは元から付けていないが、カホルとコヲリとホムラも、性奴隷の立場を利用しないでくれ。それとも真正面から俺を愛するのは躊躇われるか?」
「……でも」
「……アクヤ様の性奴隷じゃないと」
「……あたしたち」
「まぁ都合上な。それは俺も認める。特にカホルは一番ヤバいし」
コヲリとホムラは利子さえ度外視すれば借金を返せる能力を持っている。だがカホルは親の会社の株式を九王グループに押さえられている。増資したのだから当然だ。つまりその気になれば俺の発言次第で花崎家が会社から追われる可能性もある。だがそれを含めても、俺は彼女を対等に置きたかった。
「……うぅ」
「大丈夫だ。お前は俺が一生かけて守る。今はまだ実の無い言葉だがな」
「じゃ、じゃあ……アクヤ……?」
「そうだ。アクヤだ。九王アクヤだ」
思ったよりも嬉しいな。カホルからアクヤって呼び捨てにされるの。
「……私たちも……ですか?」
「もちのろん」
「……アクヤ」
「アクヤだぞ」
それでいい。
「あーしは最初からアクヤだもんね?」
まぁマキノとは奴隷契約結んでないし。
「それでぁ。アクヤぁ♡」
エチエチのメイド服を着たマキノが俺に寄りかかって胸板にツイーッと人差し指で線を引く。
「しよ?」
まぁそうなるよな。
「私とも」
「……アクヤ」
「して欲しいです」
「一人一発な」
かなり最低なことを言っている自覚はある。
「じゃあ最初は誰にする?」
えーと。それは。
「「「「アクヤ♡」」」」
そうしてニッコリ彼女らは笑って。俺の寵愛を欲しがる。
「じゃあまずは――」
そうして俺はヒロインたちとレディファイトとして夜を過ごす。彼女らが俺を求める限り、俺の側も尽きることのない愛を囁く。それが一番求められることだと俺も知っているから。
嬌声が上がる。俺にはそれが彼女らの希望に見えて。別段困ることは無いのだが。俺の朝三暮四もどうにか発散しなければ、また病院行きで。だからカホルたちを抱くというのは一種の自己防衛でもあり。その上で、けれども、畢竟、何一つ偽りなく、俺は花崎カホルと二條コヲリと二條ホムラと小比類巻マキノを愛していた。きっと。これから先も。
――Fin




