第144話:息抜きにレディファイト一発
「…………」
「…………」
俺は自室で勉強に励んでいた。今日のノルマはまだ達成していない。自分で採点して満足のいく点数を出していないのだ。もっと行けるはず。まだ上を目指せるはず。
「アクヤ様。こっちの関数ですけど……」
「ああ、そこはAとBの数値を……」
で、何故かカホルも俺と隣り合って勉強していた。元々偏差値六十はあって、進学校じゃないアルケイデス学園では期待の生徒だったが、今の成績はさらに伸びている。何せこの前の模試はカホルが学内二位だったしな。ワンツーを俺とカホルでとっていた。まぁエロゲー世界だし。進学希望もそんなに多い学校でもないんだが。
国語。英語。数学。物理。社会。まんべんなく隙間埋めていく。この感覚が俺は嫌いじゃなかった。知り得ないことを知って、知識として修めていく。その結果で偏差値八十を得たのだ。そうして二時間ほど集中していると。
「アクヤ様。お茶でも淹れませんか?」
カホルから休憩の申し出。
「そうだな。一服するか。コーヒーで頼む」
「承りました」
そうしてキッチンに消えて行って。コーヒーメーカーで淹れてくれる。
「…………」
一回ペンを離すと、たしかに思考に鈍さが感じられた。あのまま勉強をしていてもパフォーマンスを維持できなかっただろう。その意味ではカホルのコーヒーはベストだ。
「うーん。美味い」
「まぁエンチェグストですけどね」
知ってるが。便利な時代になったものよ。
「カホルも結構成績あがったよな。志望校は変えるのか?」
「そうですね。出来れば学部は違ってもアクヤ様と同じところに行きたいです」
まぁ不可能ではないだろうけど。今のところ順調だし。
「あの。大学が一緒になったら……一緒に住みませんか?」
「お前。俺の性欲を知っていながらそれ言ってんのか?」
「わかってますよ。アクヤ様の童貞を誰が奪ったと思ってるんですか」
「その節はお世話になりました」
まさか女とやれないだけで自律神経失調症になるとは俺も思わなかった。さすが竿役。性欲に関してだけは人並み以上なんだよなー。
「そのー。それでー。アクヤ様ぁー」
「なんだ?」
「気分転換にしませんか?」
「…………」
何と答えたものか。そこから悩んだ。出来るか出来ないかなら出来るんだが。朝の三回は終わっているが。昼を過ぎて充填も済んでいる。出来ないわけじゃない。
「したいのか?」
「とっても」
レディファイトをか? でも勉強があるしなー。
「一回だけしませんか? その後は勉強に集中と言うことで」
「コヲリたちには言うなよ?」
「多分バレると思いますけど」
違いない。そうして俺はカホルの唇を奪った。既に四人とも何回もしている。作法については承知していた。
「アクヤ様ぁ♡ ん……ちゅ……♡」
カホルの身体は熟れすぎている。男を誘うという意味では最上級だろう。彼女が勉強を苦手としているならマキノと一緒にグラドルをさせてもよかったくらいだ。一応カホルには勉強というアドバンテージがあるので、その道に誘わなかっただけで。
「アクヤ様って女の子の扱いに慣れてますよね」
「誰のせいだと思ってる……」
「いえ、そっちの話じゃなくて。コヲリとかホムラとか。マキノもですけど。プロデュース力が異常だなと」
「過去に帝王学を習っていてな」
それを転生した俺が存分に扱っている。
「私だけ何もできません」
「だからってお前の価値が下がるわけじゃないだろ?」
「アクヤ様はそう思ってくれますか?」
「好きだぞ。カホル」
「アクヤ様……♡」
そうしてキスをする。衣擦れの音がして、ハラリと服が落ちる。それは俺も同じだが。っていうかもう勉強の息抜きとかそういうレベルを超えてるだろ。
「大好きです。アクヤ様。お慕い申し上げております」
「それは痛いほど知ってるよ」
そうしてシルエットが重なる。レディとレディファイト。一発やってスッキリして。それから自己嫌悪に襲われる俺だった。
「あー」
「もうアクヤ様無しじゃ生きていけません」
「不慮の不幸があったらどうするんだ?」
「一緒に不幸になってあげますよ」
そこはせめて別の幸せを見つけてほしいんだが。
「アクヤ様が私の全てですから」
「もうちょっと視野が広くならないか?」
「その視野を狭くしている人に言われたくないんですけど」
だよなぁ。
「さて、人公に何と言ったものか」
「アルシがどうかしたんですか?」
まぁ既に前提が崩壊して、人公アルシにヒロインを任せる気にはならんのだが。コヲリたちも俺にベタ惚れだし。特にホムラは人公に一生靡かないだろう。
「俺がカホルを幸せにするって事でいいか?」
「ええ。正妻じゃなくて構いませんので」
四人のうち誰と結婚するかだよな。重婚は認められていないし。まぁ愛人でも立場は変わらないんだけど。
「シャワー浴びませんか?」
「そうだな。汗を流すか」
「もちろん盛ったらしていいですからね」
「風呂場でか?」
「アクヤ様となら大歓迎です♡」
あーはいはい。
「本気ですよ?」
そう言って二人でシャワーを浴びる。したかって? 聞くな。とりあえずセクロスの痕跡を残すわけにもいかず。勉強も大事だが、人間としての営みも大事ということで。シャワーを浴びて、身体を洗って。それからまたカホルの淹れたコーヒーを飲んで。
「よし。勉強だ」
「よろしくお願いいたしますね。アクヤ様」
「まずは偏差値七十を目指そうな」
「はい。お力添えをお願いします」
カホルなら不可能じゃないだろうし。俺も教えることで復習にもなるしな。
「筋トレはしないんですか?」
「それは夕食後」
「今日はコヲリが鉄火丼と言っていましたが」
「楽しみだよなー」
ラリルトリオの飯は美味い。それだけは確実。なので俺としては食事事情に関してはラリルトリオを性奴隷にしてよかったと思っている。親父とは意見が相違するだろうが。ま、そんなこと言いながらレディファイトしてるんだから結局九王アクヤなんだよなー。




