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ガリ勉の俺がエロゲーの竿役に転生したが童貞すぎてラブコメは無理  作者: 揚羽常時


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第141話:コヲリとホムラとアクヤとで


「じゃ、行ってきまーす」


 夏休みもそこそこで。今日はコヲリとホムラとデートをすることにした。二人とも仕事があって忙しそうだが、息抜きも必要だろうということで、ご主人様権限で予定を開けてもらっていた。愛スール先生は21プロのハロウィン衣装のデザインがあるし、不動ミヨも企画を煮詰める会議はあるのだが、学生なんで遊びに時間を割くのも大事だろうということで。俺も模試の勉強はあったが、根を詰めすぎていると二條姉妹に心配されて、じゃあ息抜きするかって話で二人とデートの約束を取り付けた。


「えへへぇ。アクヤ様」


「……アクヤ様。どこに行きますか?」


「そうだなー。オニメイトとかどうだ?」


 イラストレーターにもVキューバーにも肥やしになる場所だろう。


「……いいですね。……私は賛成です」


「あたしも大丈夫。ほら週刊少年跳躍の名作の新刊とか出てるんじゃない?」


 それは買わなければ。


「……私は同人誌を見ていたいです」


「BL?」


「……まぁ……興味がないと言えば詐称になりますけど。……引きます?」


「いや、別に? 興味はないが否定するカロリーが無い」


「アクヤ様はコミックとかラノベとか買うの?」


「だな。ちょっと個人的に応援している作者の新刊を買いたい」


「……何というタイトルですか?」


 ほにゃらら、と語る。


「……あまり聞きませんね」


「まぁ市場的にマイナーだからな。打ち切りにならないように売り上げに貢献したい」


「……その気持ちはよくわかります」


 コヲリもマイナー作品に日の目を見てほしい気持ちはわかるらしい。


「あたしは何買おうかな?」


「アニソンのカタログとかどうだ?」


「あー、いいかもですね。ネットで購入は出来るけど、そういうのもありかな?」


 すでに綾女さんと並ぶ21プロの歌姫だ。エモグロビン過剰。最近はプロレス超人マンガのテーマ曲とか歌っていたりする。で、おっさん連中が大歓喜。まぁ何と言うべきか。


「……こんなに色んな種類のコミックやラノベがあるって言うのが不思議ですね」


 クリエイターの業は深い。


「コヲリの担当したラノベは続刊出るんだろ?」


「……二巻の依頼は来ていますけど。……もちろんアクヤ様は承知でしょう」


 まぁな。で、応援の意味を込めてマイナーラノベを購入して、購入特典を手に入れる。


「んーふふふ」


 今は三巻目が出ているが、ネットでは話題になっていない。是非とも続きを出してほしいが出版社にも都合があるだろう。そこに口を出すわけにはいかないが、好きな作品は最後まで書ききって欲しいファン心理。


「じゃ。お茶にするか」


「アクヤ様。あたしが奢るよ」


「お、いいのか?」


「この前の配信で稼いだからね! 全部アクヤ様のおかげ!」


「お前の実力だ」


「それでも不動ミヨはアクヤ様がいないと存在していない。でしょ?」


「そっちの功績は愛スール先生に感謝しろ」


「……でも私に液タブを買ってくださったのもアクヤ様です」


「別に金持ちの道楽だ」


「……それでも」


「それでも」


 アクヤ様がいたから、今の私たちがある。らしい。だから然程大仰なことはしとらんのだが。


「ま、感謝したいなら幾らでもしてくれ」


 で、スタッブでコーヒー注文して。カフェイン摂取。うーん。コーヒーの香りがかぐわしい。


「この後どうする? 俺はお前らに付き合うぞ」


「……エナドリを箱で買いたいです」


 それはネットで注文しろ。あとエナドリで徹夜はやめてくれ。せっかくのコヲリの卵肌の将来が心配だ。


「じゃあアクヤ様。ケーキでも食べませんか?」


「お、いいな」


 それは健全な提案。俺としても肯定できる。


「じゃあ行くか」


 スマホで人気のケーキ屋さんを検索。テラス席ありきの店を検索して、そこに向かう。もちろんタクシーでな。


「ケーキ♪ ケーキ♪」


 ホムラはニコニコだ。とても嬉しいらしい。まぁ甘味は女子の好物だしな。


「……アクヤ様も結構甘味好きですよね?」


「まぁ子供舌だし」


「……いえ、……食事の嗜好はおばあちゃんですよね?」


 煮物とか炊き込みご飯が好きだしな。


「ま、俺の信条として、嫌いなものがあるってのは単純に損をしているというものがあってな」


「……まぁ真理ですね」


 コヲリも同意してくれるらしい。


「じゃあザッハトルテ」


「……私はミルクレープを」


「あたしはショートケーキと抹茶ケーキ」


 ついでに全員紅茶セットで。うーん。優雅な休日だ。そもそも夏休みなので休日なのは当たり前だが。


「ん。美味い」


「さすが評価が星三後半」


「……美味しいですね」


 そうしてやいのやいのとケーキを貪り食う。ついでに濃い目に淹れてくれた紅茶で口の中をさっぱりさせる。そうしてまたケーキを食べると最初の一口目と同じ新鮮さで味わえるというわけだ。このシステムを考えたイギリス紳士は天才かもしれない。


「さて、じゃあどうする。このまま帰るか?」


「……えーと。……ちょっと大きめの本屋に行ってもいいですか?」


「構わんが。コミックはもうオニメイトで買ったろ」


「……ちょっと時代考証の資料が欲しくて。……さすがにオニメイトにはそういうのは」


 たしかにな。


「もうコヲリも一端のプロだな」


「……仕事に妥協したくないんです。……請け負うからには最高の仕事をしたいだけで」


 それをプロって言うんじゃないか?


「お姉ちゃん。不動ミヨのハロウィン衣装。お願いね?」


「……ええ、……任せてください」


 姉妹揃ってすでに高収入の仕事をしている。マジで卒業までに借金返せるのでは? その後は高収入で優雅な暮らしをしてもらって構わんが。


「……アクヤ様に貢ぎますよ」


「あたしもあたしも」


「いいよ。金なら親父がいっぱい稼ぐし」


「……マネジメント料金が発生しますし」


「実はあたしたちをプロデュースしているアクヤ様って一銭も稼いでいないんだよね」


 金持ちの道楽だしな。


「……なので。……恩返しをさせてください」


 さほど恩義を感じるほどのモノか? コヲリにしろホムラにしろマキノにしろ。


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