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ガリ勉の俺がエロゲーの竿役に転生したが童貞すぎてラブコメは無理  作者: 揚羽常時


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140/150

第140話:防御は最大の攻撃


「…………」

「…………」

「…………」

「…………」


 最初は応援に必死だったヒロインたちもラブオールが延々と続くうちに異常性に気付いたらしい。今日は夏休みのアルケイデス学園。特に理由があったわけでもないが、学校に登校して、図書室で優雅に過ごそうということにしたのだが。


「ちょうどよかった」


 の言葉の末に、俺はテニスコートに立っていた。


「何故?」


 と聞くと、


「君が必要だ!」


 と元部長の熱いラブコール。で、今はラブオール。延々と続くラリーに、相手選手の疲労が見えていた。既に一時間ほど最初の一投目が続いており、そのまま一時間ラリーをしているわけで。相手の選手も疲労困憊。俺は涼しい顔だが、いい加減テニスも飽きてきた。というのも三年生が引退して、公式試合に出れないらしい。夏にも試合はあるだろうという話だが、そもそもそこまで突き詰めた選手がいないとのこと。で、他校との練習試合でちょっと人手が足りない。気付けば俺はコートに立っていた。そのままテニスをプレイしていたのだが、スマッシュの一つも撃たず。ただ相手のコートにボールを返すだけの俺を応援する声もすでになく。早く終われとだけ視線が語っていた。だったら俺を呼ぶなよって話であって。


「アクヤくーん」

「……アクヤさん」

「アクヤくん」

「アクヤ~」


 既に応援する気概もないのか。スマホを片手に俺のしぶとさにうんざりしているヒロインたちには悪いが、先に言っていただろう。つまらない試合になるぞ、と。そうして乱れた相手選手のボールをコートに返して、点数を稼ぐ。漸く点数が動いた。そのことに歓喜じゃなく安堵が取って代わる当たり、今までの俺のプレイがどれだけ冗長だったか物語る。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 既にボールを追っかける気合もないのか。動くだけで息を切らしている相手選手に、一投目だけで体力を枯渇させてそのまま自分は元気ピンピンにテニスをしている俺は優しい目で見ても鬼畜だったろう。後は積み木作業だった。疲れ果てた相手選手の都合を無視して、ラリーを終わらせる。体力だけはバカみたいにあるので、持久戦になれば勝てる勝負だ。もちろん球技大会でお世話になったテニス部への恩返しもあるのだが。


「セット!」


 そうして試合は終わった。汗はかいたが、別に水分補給も必要とせず。ラケットの握りだけ確認して、俺はコートを出る。


「アクヤくん。長すぎ」


 ジト目でカホルが不平不満。


「だから図書室で優雅に本を読んでろと言っただろ」


「……そういう問題じゃないかも」


「コヲリまで」


「もうちょっとこうカッコいいプレイしない?」


 それはプリンスを愛読してくれ。俺は泥臭い試合しか出来んのだ。


「でも強いんだね。アクヤ♡」


「強いというか、他に勝ち方を知らないだけだ」


 そうしてヒロイン四人とイチャイチャしながらコートを去る。他校の生徒も神美少女の四人については気になっているらしく、その四人が俺を応援しているのをくどい目で見ていたりもして。


「さて、図書室行くぞ」


「待てぃ! 九王くん!」


 見ればお世話になった部長がいた。


「是非ともテニス部に!」


「興味ないっす」


 そもそも球技大会で優勝してるし。今は夏の模試もあるしな。


「そこを何とか!」


「どうにもなりません」


「シューズは私が買うから!」


 だからテニスに消費する浪費がな?


「お願いします!」


 はい。解散。で、図書室。


「よかったの? アクヤ?」


 マキノが聞いてくる。何がだ?


「テニス部の部長。ガチだったよ?」


「別にテニスには興味ないしな」


 スポーツでマウントを取るつもりはない。転生前の九王ならいざ知らず。


「ま、それはわかるんだけど」


 マキノはそう言って、古典的なラノベを読んでいた。温故知新。そういえばコイツ。銀英伝ネタにもついてきたんだよな。俺は普通に毎度の如く科学雑誌を読んでいる。うちの図書室にも置いてあるので助かってる。ついでに勉強も捗るし。課題は終わらせてある。俺としては課題は復習のついで程度だが。


「…………」


 で、同じく模試を控えているカホルがスマホを見て渋面。


「どうかしたか?」


「アルシからデートのお誘いです」


「おおう」


 アイツ。まだカホルに付き纏っているのか。


「断れよ」


「もちろんですよ。私にはアクヤ様がいますし♡」


「いい子いい子」


 隣のカホルの頭を撫でる。


「えへへ」


 それでにこやかになれるんだから大したものだと思う。もうカホルにとって俺は幸せなんだな。


「……アクヤ様」


「アクヤ様」


 二條姉妹が不満そうに俺を見る。


「夜に可愛がってやるから」


 それだけ。朝の処理はしてもらっているし。暮れになれば再装填されるだろう。攻撃は最大の攻撃だ。


「うーん。真空崩壊は起こらないものか」


「危ないこと言わないでくださいよー」


 一人知っているカホルが怯える。とは言っても真空相転移が起こったとして、光の速さで影響が広がっても、宇宙もそれくらいの速度で広がってるんだろ? いたちごっこじゃね? 俺は宇宙物理学には詳しくないが。実際のところどうなんですか。アインシュタインさん。いいよな。アインシュタイン。俺もそんなかっこいい苗字に産まれたかった。九王も結構気に入ってはいるが。


「そもそも勉強するために図書室に来てんだよなー」


「……アクヤ様。……もっと楽しい事しましょう?」


「例えば?」


「……くのいちプレイとかどうです?」


 今時どこのソープでくのいちプレイが出来るんだ?


「そこはまぁあたしとお姉ちゃんとで」


「……幸薄くも大名に捕まったくのいちのプレイを」


 お前らにとって俺ってどういう風に映っているのか。それを聞いてみたくなった。


「とにかく。まずは模試だ」


「そこはあーしが稼いでくるからさぁ」


 甘えるようにマキノが言う。


「お前らは全員俺が養うからいい」


「アクヤ様♡」


「……アクヤ様♡」


「アクヤ様ぁ♡」


 ラリルトリオにとっては福音だろう。俺は別に気にしないが。


「でも借金は卒業前までに返すからね?」


 まぁ今の不動ミヨと愛スール先生なら不可能じゃないってあたりがなんだかな。


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