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旦那様は、紅茶を一口だけ飲むとシャルナ様に微笑む。
「さ、お茶をしたことですしおかえり願います」
一口ね。今たったの一口飲んだことをお茶したなんて言わないでください旦那様。
「アランは…ずるいわ。自分は好きなことばっかりやってるじゃない。結局アリアナ様?とも交際したまま天使のようなお嫁さんまで迎えるなんてっ」
ぶぼっ。え?天使…私がですかっ⁉︎
あ、ありがとうございます〜。照れちゃいます。
ポンッ。
サラが私の肩に手を置き、小さくフルフル首を振る。「マドレア様のことではないです」とでもいいたそうね。くっ。今の流れはぜーーったい私だと思いますぅぅ。
「まぁね、私は自分はとてもついてると思います。最初は興味がなかったマドレアも、会ってみて…たくさん会話するうちにどんどん惹かれていってるしね」
旦那様は私の腰に腕を回し引き寄せながらウインクをする。
きゅん。
…。今の私の”きゅん”じゃないですよ。絶対違います。そそそそ、それに?私と旦那様そんなにたくさん会話してませんし、意外と制服きた仕事モードの旦那様がかっこよく見えているわけではありませんからねっ。
ん?待ってください。
「あの…。シャルナ様少しよろしいですか?つまりはシャルナ様は旦那様のようになりたいと言うことですの?」
「そ、そうとも言えるわね?」
シャルナ様はぎこちない返事を返してくれ、旦那様含めお2人はすごいはてな顔を私に向ける。
でもね、私ひらめいちゃったんです。ふふっ、ここにいる3人みんなが幸せになれる解決策をっ!
「シャルナ様。私いいこと思いついちゃいました。ここにいる方全てが幸せになれる方法を」
シャルナ様の顔つきが変わり、旦那様は未だはてな顔。
「ごくんっ。マドレア様、ぜひそのお話しを聞かせていただいても?」
シャルナ様の赤い目にさらに熱が帯キラキラ輝いている。やっぱり、とても綺麗ね。
さ、そろそろ勿体つけずに話しちゃいましょう。
「ふふっ、シャルナ様も旦那様と結婚すればいいんですよ」
…。
シャルナ様と旦那様はぴったり間の長さを揃えた後同時に反応する。
「「…へ?」」