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お2人はぽかーーんと固まってしまわれた。ありゃりゃ。ん?先に動ごきだすのは旦那様みたいですわね。
「マドレア。冗談はやめてください」
私は少しムスッとして答えた。
「冗談ではありませんっ。第一よく考えてみてください。王家と公爵家はその由緒正しい血を絶やすことをこの国では恐れています。つまり、この上位2家に該当するマイルズ公爵家も例外ではありませんわね?」
旦那様の顔が明らかに曇った。
ま、そうですわよね。旦那様にとったらそのせいでアリアナ様との結婚が認められませんでしたし。仕方がありません。四大公爵家はどこも先祖を遡ると王家の血が流れていますからね。ですが、続けさせていただきます。
「つまりは、王家含め5家は子孫を残すために、妻を正妻以外にも迎えることができます。私が正妻となります。するとシャルナ様は第二夫人となりますわね?」
「そうね。でもそれだとどこに嫁いでも結局変わらないのでは?」
ふふっ、甘いですわ。私は笑みを絶やさず話し続ける。
「第二夫人、それは第一夫人に比べ別に家に引きこもっていなくて良いのです。それに旦那様はなんと第一騎士団隊長です。家でも剣の稽古もできちゃいます。それに、女性が剣を持つことにも寛容です。…シャルナ様、騎士を辞めなくても良いのです」
ま。私は好きで家に引きこもっているのですけどね。お家大好きっ子ですので。
シャルナ様の美しい赤い瞳から一粒の滴が頬をつたる。
「わ、私っ…騎士を辞めなくてもいいのですかっ?」
旦那様は何も言わずにシャルナ様は見つめる。幼馴染の旦那様であっても、きっとシャルナ様は弱い自分を見せずにこられたのでしょうね。お強い方ですので。騎士をいつかは辞めなくてはならないというどうしようもない運命と1人で戦ってこられたのでしょう。
シャルナ様は公爵家ですので利用されるためにどこかに嫁がなければならないです。
それが分かっていても、剣を諦めきれず騎士であり続けたいともがくあなたはとても素敵ですわ。
その点、マイルズ公爵家との縁談ほど喜ばしい家はないと思いますもの。両家も繋がりできて喜ばしいことでしょう。
シャルナ様は涙を吹き上げてまだ整えきれてない声で小さく私達に尋ねた。
「ですが、この場合私だけが美味しい話になっていますが?」
旦那様は黙っている。…しょうがないですわね。
「いいえ?そんなことありませんわ!ごほんっ。…旦那様はなんでもアリアナ様に貴族としてのマナーを教えてくれる人をお探しと…」
私は旦那様に腕をちょんちょんとして顔を覗き込む。
私引っ越してきた日に旦那様にいろいろ嫌味のつもりて、次から契約ちゃんとしてくださいと言いましたわよね?その私に「ありがとう」と言った旦那様。
後々考えるとこの人なら本気で第二夫人を探しているんじゃないかなって思ったんです。
どうですか?当たってますわよね?
私は意地悪に笑って見せた。
旦那様様は驚いた顔をした後ふっとやられたと顔をして笑った。そして、私の頭をポンポンとなでる。
「…すべてお見通しだったわけですね。でも確かにそうですね、シャルほど条件に当てはまる女性はいません。それに私は女性でありながら昔から剣に情熱を注ぐ君を綺麗だと思っている。そんなシャルに騎士をやめろなんてバカなこと言うわけがない」
私は見てしまった。シャルナ様の頬が少し赤らんだのを。やっぱりこの人は天然の人たらしなのでしょう。幼馴染でさえも一瞬で落としましたわ。…恐ろしいです。
そういう私も先ほど頭を撫でられてたぶん。…きっと少し?頬が赤らんでいるかもしれません、わね。




