闘いは1つの芸術
審判「あと、10分で試合が始まります!
選手と観客の皆様はお席にお戻り下さい!」
審判がそう言うと観客達は一斉に席に着き始める
―セシルの待機場―
セシル「神器の準備と魔力は…よし。
……あー、詠唱最後まで
考えれなかったけど
やるっきゃないよねー。」
ふとセシルはシルビアの言葉に引っかかる
セシル「精神に異常が見えたら慰めろ…
どう言う事なんだ?
いや、俺は俺のなりたい物になる為に
レイに勝たなきゃいけない。」
そう呟くとセシルは刀身のみの神器を大鎌へと変形
させた
セシル「擬似神器とでも言うか。
この設定考えた俺いけてるわー」
そう言い試合開始の合図を待つ
―レイの待機場―
レイ「仮面用意しなきゃ。
えっと、この仮面とこれと…これ
5個までだからこれで終わりかな?」
5個の仮面を出した後
レイは考える
レイ「貸し出しには対面が必要。
開始しないとセシルの仮面
取り出せないんだ…
待たないとだよね。」
そう不安気に呟くとレイの脳内に謎の声が
響き渡る
??「逃げてても何も変わらんし。
何より…楽しい方がよくない?
楽しいとさ。気持ち楽になるっしょ?
だから、楽しみたいなら
逃げずに何か行動しろって事だよ。」
その声が響いた時
レイは頭を抱えて苦しそうにする
レイ「はぁ…はぁ…何?これ?だれなの?」
―会場―
審判「それでは間も無く試合が始まります!
選手の方達準備はよろしいですか?」
その言葉を聞くとセシルは興奮し
レイは決意を固めた
審判「それでは、試合開始!!!」
それと共に待機場の大きな扉が開き
観客達が2人の入場を叫びながら祝福していた
観客A「がんばれー!」
と言う声や
観客B「すげー!!」
との声が会場まで響いてくる
一方セシルとレイは
セシル「会話は必要かい?
別にいいなら…やる?」
そう聞くとレイは
レイ「少し話そうよ。
すぐにやったらつまらないでしょ?」
そう答えた
その答えにセシルは
セシル「そうだね。
それは俺もつまらないと思う。
じゃあ…何話す?」
そう言うとレイが話を切り出す
レイ「じゃあこの世界に来た時の感想にしよ?」
そう言うとセシルは快く了承する
セシル「いいね!じゃあ俺から。
来た時は嬉しくて嬉しくて
今にも飛びそうになってたよ。
1回死んだけどね。
そう言うレイはどうなの?」
そう聞くとレイは
レイ「私は…怖かったかな。
新しい環境って慣れないからね。
でもセシルに会えて良かったよ。
楽しい生活になりそう。」
言い終わると2人は顔を見合わせる
セシル「終わる?」
そう言うとレイは答える
レイ「うん。これ以上はつまらないし。」
そう言うとセシルは魔力を使い宙へ飛ぶ
それは高く討議場と同じくらいまで飛んでいた
セシル「神器…解放!」
そう言うとゲートからはさっきまで大鎌だった武器
が刀身だけの武器へと変化した
セシル「砕けろ。」
その言葉で刀身だけの武器は5等分に砕け
セシルの周りを浮かんでいた
レイ「凄いね。これ、耐えなきゃだよね。
なら、私も神器解放!」
レイは仮面を4つ自身の周りに浮かせ
セシルの攻撃を待っていた
セシル(結界が持たないかな?
なら、魔力で強化しとこ。)
詠唱の前に結界の強度を更に強固にし
セシルの神器に耐えられるようにした
セシル「自分も相手も何もかもを破壊しよう
その剣は次元を引き裂き
我々の起源へと至る」
詠唱を始めると近くで浮かんでいた神器は
セシルから3mほど離れ
砕けた刀身事で回転を始める
セシル「その起源は遥か遠き過去と未来を紡ぐ
糧へとなり
俺たらしめる物に完成させる」
詠唱が進むごとに神器は紅く染まり
周りの次元を引き裂きながら廻っている
勿論セシルをも引き裂きながら
セシル「今、この瞬間俺は今も過去も未来を知り
理も恥も全て元の根源へと還そう!
ルミナス・クレイド!
(無に帰す無名の流星)」
名を呼ばれた瞬間
紅く染まった刃はレイに目掛けて飛んで行った
それをレイは
レイ「来たね。ゲート解放!
エンチャント武器!
ロスト・アビリティ!」
その名前を持つ武器をセシルの刃の数と同じ5本を
セシルの刃に向けて発射する
がエンチャント武器は次元を切り裂く武器により
粉々に破壊されレイに向かっていく
レイ「凄いね。セシル。」
そう呟いた後にレイの半径3mを
紅い光で覆い尽くす
その光景は美しく
それと共に恐ろしい物だった
セシル(降りないきゃね。)
そう考えたセシルは魔力の浮遊をやめ
レイがいた場所まで降りていった
セシル「レイは大丈夫かな?」
と呟くと突然セシルの身体が全て消え失せた
それと同時にレイが現れる
レイ「…固有能力。
ロード・グレイス…
(苦難を与える軌跡)
発動」
息切れしていたレイを横目に
全身の骨や筋肉がすぐさま回復するセシル
セシル「俺の神器あそこまで威力高いとはね。
……うぐ!?なんだ!?」
セシルには突然イジメられていた記憶が
流れ込んでゆく
セシル(どう言う事だ!?
俺はイジメなんて起きた事ねぇぞ!?)
考えていてもわからなかったセシルはレイに
質問をする
セシル「あの記憶…何?」
そう言うと渋々レイは答える
レイ「あれは私の昔の記憶。
私、転生者じゃないから。」
言い終わるとセシルは神器をまた大鎌へ変化させて
臨戦体制になる
セシル「そっか…行くよ?レイ。」
大鎌には次元切断のエンチャントを組み込み
大鎌で切った場所は次元が開くようになっている
セシル(一応つけておこう。役に立つかもだし。)
そしてセシルは先手を掛けるが
レイは瞬時にゲートを何千も開き
セシル目掛けて一斉掃射する
レイ「これで…終わって!」
だがセシルはこれで諦める事もなく
攻撃は少しあたりつつ大鎌のエンチャントを駆使
しつつ武器を破壊していく
セシル「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。
擦り傷で済んだぜ?」
そう言うと逆にレイがセシルへと接近する
そのレイの片手には1つの仮面が握られていた
レイ「弱体化…してもらうね!」
あと少しで仮面をつける事ができそうだったが
セシル発案の置き次元切断で
レイの仮面を持っていた左腕を切り落とした
レイ「あ…うぐ!?…アァァァァァァァ!!!
痛い痛い痛い痛い!!」
苦痛の叫びに観客も引いていた
セシルはというと
セシル「先手はとらせてもらっ…ぐぅ!またか!」
先程のロード・グレイスにより
セシルも左腕が切り落とされるが
瞬時に左腕は癒える
セシル(なんだ?あの瘴気みたいなオーラ?)
レイの左腕はセシルと同じ速さで回復しているが
明らかにその腕からは
ドス黒いオーラが纏わりついていた
レイ「痛い…嫌だ。死にたくない。」
レイは荒い呼吸で呟き続ける
そして回復しても尚痛みは続いていた
セシル「…嫌な予感がする!」
その予感と共にレイが一言
言葉を発する
レイ「第二固有能力発動
カースレイン
(隠された本性)」
その言葉に共鳴する様に
レイの周りから無数の鎖が出現し
世界が少しずつ綻んでいく事をセシルは勘づく
セシル(なんだ?あの鎖?
…いや、それより世界が壊れてる?)
魔力はいつも以上に張り詰めていた
そして鎖はセシルの方へと飛んでいく
セシル(あ…やば。)
そう思うと1人の魔剣士が現れる
テニー「余所見禁物だぜ?セシル?」
目の前には鎖を食い止めるテニーがいた
それを見たセシルは
セシル「テニー!すまん!」
謝罪の言葉を口にするとテニーは
テニー「謝罪の言葉よりレイを戻さないとだろ?」
そう言いセシルのやるべき事を示していた
そう言われるとハッとしたかの様に
レイの元へテニーに何も言わずに走っていく
テニー「よし。
みんな!セシルをサポートするぞ!」
その言葉にデヴィ以外は大声を出し
次々と会場へと飛び込んでいた
デヴィ「あいつら余計な事を。
クソが!祝福の息吹発動!」
祝福の息吹をデヴィが使った後生徒達は
レイト「身体が軽く」
と驚く者と
ネリス「これで闘える!」
と奮闘する者と
テニー「デヴィ先生!」
と気付いている者がいた
そうして各自セシルに近づく鎖を食い止めていた
セシル「これだと移動が遅い!だったら!
テレポート発動!」
テレポートを発動するとセシルは瞬間移動した
がセシルの内臓のみが転送されていた
ただしセシルの超再生と不死のおかげで復活する
セシル(まってろ!レイ!)
そう思いながらレイの近くに行く度に
鎖の攻撃は激しくなり
生徒の体力の消耗も激しくなっていた
セシル(すまん。レイ)
ようやくレイの近くまで来たセシルは
優しく、だが強くレイを抱きしめた
レイの身体には温もりが伝わり
レイの意識もハッキリしていく
レイ「あ…れ?私…アァァァァァァァァァ!!」
意識を取り戻してもまた苦しみ出すレイに
生徒が集まりデヴィは合流していた
デヴィ「呪いだな。
これは俺が解呪する。
お前らは寮に帰れ。いいな?」
デヴィの少し低めの声に怖気ついた生徒達は
寮へと帰っていったが
セシルとテニーは残っていた
テニー「俺らは残ります。」
そう言うとテニーに賛同する様にセシルも
セシル「俺が発端なんです。
いる義務があります。」
そうやって残ろうとする2人にデヴィは
デヴィ「そこにいたら巻き込まれる。
一旦保健室に連れてってからだが
巻き込まれたらレイが可哀想だろう?
帰れお前らも。」
デヴィのその言葉に不満は持ちつつも
帰る事にした2人
セシル(残るって言い続けた方が良かったな。
逃げただけじゃん俺。クズすぎんだろ。)
そう思っているとシルビアが話しかけてくる
シルビア(そうですね。
ですが、貴方は貴方を貫いてみせた。
それは素晴らしいと思いますよ。
私の忠告を無視した事は
よくありませんが。
ですが、今回の戦闘は
どうでしたか?)
今回の事を聞かれたセシルは正直に答える
セシル「正直楽しかった。
また、やりたいと思ってしまってるよ。
でもシルビアの言う通り
俺は俺を貫いた。そこが一番だね。」
そう言うとシルビアは
シルビア「なら、良かったですね。」
といつもの様に気怠そうに答えてくれた
セシル「おやすみ。シルビア。」
そう言ってみるとシルビアは答える
シルビア「はい。私は業務に戻りますね。
おやすみなさい。」




