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勘違いだらけの異世界転生生活 〜スキル【勘違い】だけで何をしろと? 最弱なので助けてください〜  作者: 杜鵑
第4章:神様(クソ爺)にクレームを入れに行ったら、うっかり全神話の創造主(トップ)に祭り上げられた件
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第57話 システム暴走!世界の崩壊が始まる〜俺の「不運」がバグって全次元を飲み込む〜

「……寒い。宇宙空間のすきま風って、こんなに冷たいんだな」


俺はセ〇テープでツギハギだらけになった次元の裂け目を見つめ、ガタガタと震えていた。

ここは神界のキャバクラ……だったはずの、俺の『六畳間』だ。


先ほど俺がちゃぶ台をひっくり返したせいで、窓ガラスの向こうには底なしの銀河が広がっている。

そして俺の『運:マイナス53万』というふざけたステータスが、神界のシステムに致命的なバグを引き起こし始めていた。


ピロッ♪


『警告。管理者の異常な不運エラーにより、次元の崩壊が加速しています』

『残り三分で、この領域(六畳間)は完全にブラックホールに飲み込まれます』


「ふざけんなポンコツシステム! 俺の不運のせいにするな!」


システム音声の無慈悲な宣告と共に、割れた窓から凄まじい『宇宙の暴風』が吹き込んできた。

カビ臭い畳がメシャメシャと剥がれ、宇宙の彼方へと吸い込まれていく。


「うわぁぁぁっ!? 寒いし痛いし、もう嫌だ!」


俺のHPは相変わらず『1』だ。

宇宙のチリが顔に当たっただけでも、致命傷になりかねない。


俺は一目散に部屋の中央にある『木目調のコタツ』へとダイブした。


「俺はもう寝る! 現実逃避して、お母さんが起こしに来てくれるまでここから一歩も出ないからな!」


俺は頭からスッポリとユ〇クロで買った安物のコタツ布団を被り、赤外線ヒーターの赤い光の前で丸くなった。

ただの『引きこもり宣言』である。


だが、宇宙の暴風が吹き荒れる中、コタツに引きこもる俺の姿を見たメリルが、またしても聖剣を震わせた。


「(……ッ! マスターがあえて次元の『特異点コタツ』に潜り込み、御自らの神気で崩壊を抑え込もうとしておられる!)」


メリルは暴風に銀髪をなびかせながら、感動のあまりボロボロと涙を流した。


「(自らの身を盾にして、我々をブラックホールの脅威から守る……! これぞ、絶対神の自己犠牲!)」


「違う! ただ寒くて現実逃避してるだけだよ! お前も早くコタツに入れ!」


俺の悲痛なツッコミは、またしても宇宙の暴風にかき消された。


「ひ、ひぃぃぃ! ワシのブリーフが宇宙に吸い込まれるぅぅ!」


元・神様(クソ爺)が、畳のヘリにしがみつきながら情けない悲鳴を上げている。

そんな彼の前に、ルナが強風に煽られながらも電卓を弾いて立ちはだかった。


「……ジンが作った『絶対安全圏コタツ』への避難チケット、一枚一億円。……神様は足元見て三億円」


「お前は世界が滅びる瞬間までボッタクリ営業すんな! 誰でもタダで入れるから!」


俺がコタツの中から叫んだ、その時だった。

頭上から、ズズズ……という不気味な咀嚼音が聞こえてきた。


「……お兄さん、この四角いフカフカ(コタツ布団)、美味しい。……ホットケーキの味がする」


「アリス! お前は俺の唯一の防具(布団)を食うなァァァッ!!」


大魔導士のブラックホール胃袋によって、俺の防御壁は猛スピードで削られていくのだった。



「頼むから俺のコタツ布団を食うな! 俺は業者が来て、このバグったW〇-Fiルーターを直してくれるまで絶対に出ないからな!」


宇宙の暴風が吹き荒れる六畳間。

俺はユ〇クロのコタツに引きこもり、アリスが齧りかけの布団を必死に引っ張り返していた。


「……ジン、ケチ。……このお布団、チーズみたいに伸びるのに」


「お前の唾液で溶けてるだけだろ! もういいから、誰か早くサポセン(サポートセンター)に電話してくれよ!」


俺の小市民的すぎる、ただのゲーマーのクレーム。

だが、その悲痛な叫びは、畳にしがみつくブリーフ一丁の神(クソ爺)には『次元を超えた恐ろしい要求』に聞こえていた。


「(……ルーター!? サポセンじゃと!?)」


クソ爺は顔面を蒼白にし、次元の裂け目からの引力に耐えながらガクガクと震え上がった。


「(まさか、全次元の因果律を繋ぐ『根源的接続器ルーター』の異常を指摘しておるのか!? ワシですら触れたことのない、上位存在サポセンを呼び出せと言うのかァァ!)」


「そもそもプロバイダの契約どうなってんだよ! いきなり宇宙に放り出されるとか、完全な契約違反だろ! 今すぐクーリングオフさせろ!」


俺はコタツの中で土下座の姿勢になり、必死に平和な日常への回帰を訴えた。

どんなに理不尽な世界でも、お客様の権利クーリングオフくらい主張させてほしい。


しかし、俺の平謝りにも似た低姿勢のクレームは、メリルの狂信フィルターを通ると最悪の神託に化ける。


「(……ッ! 『契約違反』と断じ、自らの手でこの次元をクーリングオフ(完全初期化)するおつもりか!)」


メリルは暴風の中で聖剣を地に突き立て、感涙にむせび泣いた。


「(なんと慈悲深い……! 不良品バグとなったこの宇宙に見切りをつけ、業者の如き手際で新たなる光脈(W〇-Fi)を敷き直してくださるのですね!)」


「違う! 俺はただY〇uTubeを高画質で見たいだけなの! あとお前、畳に剣を刺すな! 下の階から苦情が来るだろ!」


俺のツッコミは、ブラックホール並みの引力に呑まれて虚しく消える。

さらに、強風に煽られながらもルナが恐ろしいビジネスを立ち上げた。


「……ジン。宇宙のクーリングオフ代行、手数料三割で引き受ける。……担保として、あの旧・神のブリーフを差し押さえる」


「いらねえよ! 誰が爺さんの使用済みパンツなんか担保にするんだよ!」


「ひぃぃぃぃッ! パンツだけは! ワシの最後の尊厳ブリーフだけはお助けをォォォ!」


神様が涙と鼻水で顔をグシャグシャにしながら、俺のコタツの脚にしがみついて命乞いを始めた。

なんで俺が、宇宙空間でパンツ一丁の爺さんに泣きつかれなきゃいけないんだ。


「あのさぁ! こっちはただ平和にネットサーフィンしたいだけなんだよ!」


俺はコタツの中から顔を出し、両手を合わせて必死に懇願した。


「だからお願い! 誰かモデムの電源引っこ抜いて、十秒待ってから入れ直してェェェ!」


ただの『通信機器の再起動の手順』である。

だが、それを聞いたクソ爺の目は、限界まで見開かれた。


「(モ、モデムの電源を引っこ抜く……!? それすなわち、この宇宙の時間を強制停止させる大魔法『時空停止タイム・アウト』!!)」


勝手にビビり散らす神様をよそに、俺の六畳間はますます次元の崩壊(物理)へと突き進んでいくのだった。



「アリス! コタツ布団を食うな! 俺の絶対安全圏がどんどん薄くなってく!」


俺はヨダレまみれの大魔導士から布団を死守しようと、コタツの中で必死に抵抗していた。

だが、暴風が吹き荒れる中、ルナがクーリングオフ代行の担保として、クソ爺のブリーフを無理やり脱がそうとしているのが見えた。


「やめろルナ! 神様を全裸にするな! 俺の部屋(六畳間)が完全な放送事故になるだろ!」


俺は事態を収拾するため、たまらずコタツから飛び出そうと立ち上がった。

その瞬間。俺の足が、コタツの『赤い電源コード』に見事なまでに絡まった。


ズルゥゥゥッ!


「ああっ!?」


俺の体は、コントのお手本のような綺麗なフォームで前のめりに倒れ込んだ。

その拍子に、俺の足に引っ掛かったコタツの電源コードが、ピンッと限界まで張り詰める。


バチンッ!


だが、そのコードが繋がっていたのは、ただの六畳間のコンセントではなかった。

ここは元・神界のVIPルーム。

コードの先は、壁に埋め込まれていた『神界・主電源クリスタル(という名の巨大コンセント)』に直結していたのだ。


俺の体重(スライム以下)がコードを引っ張った結果、巨大なプラグが「スポーンッ!」という間抜けな音を立てて引き抜かれた。


「……あっ」


プツン。


その瞬間、六畳間の裸電球が消え、神界の全システムが完全停止した。

そして――次元の裂け目から吹き荒れていた『宇宙の暴風』と、星々を飲み込む『ブラックホールの引力』までもが、ピタリと静まり返ったのだ。


「(……え? なんか、コンセント抜いたら宇宙の崩壊も止まったんだけど)」


静寂に包まれた暗闇の中、俺は畳の上でカエルみたいに潰れたまま、ポカーンと瞬きをした。

どうやら、神界のシステムそのものが『強制シャットダウン』され、物理的なエラー(次元崩壊)も一緒に電源が落ちたらしい。


すると、暗闇の中から、メリルの震える声が響き渡った。


「お、お見事ですマスター……! まさかご自身の足で『因果の律動コード』を直接引きちぎるとは……!」


「違う! ただコタツの線に足引っ掛けただけだよ! 実家でよくやるやつ!」


「ええ、分かります! 自ら転倒する遠心力を利用し、全次元の魔力供給を強制遮断する究極魔法『神域の電源切断コンセント・キル』!!」


「どんな必殺技だよ! 名前が生活感に溢れすぎだろ!」


メリルの狂信翻訳は、暗闇の中でも絶好調に冴え渡っていた。

さらに、裸で畳に転がっていた元・神様が、暗闇の中でガチガチと歯を鳴らした。


「(ひ、ひぃぃぃ! 本当に『時空停止タイム・アウト』の大魔法を発動させよった……!)」


クソ爺は、俺が宣言通りにモデム(宇宙)の電源を引っこ抜いたと信じ込んでいる。


「(たった一本の赤いコードを足で引っ掛けただけで、神界の主電源を落とすとは……! この男の行動には、一ミリの無駄もないんじゃ!)」


「ただのどんくさいミスだよ! お前もいい加減、学習してくれ!」


俺の悲痛なツッコミが響く中、暗闇に乗じてルナが恐ろしい行動に出た。


「……ジン。システムが落ちた。防犯カメラも切れてる。……今なら、神界の宝物庫、略奪し放題」


「やめろォォォッ! 停電に乗じて火事場泥棒しようとすんな! 俺たちは勇者パーティだぞ!」


「……お兄さん、暗くて見えない。……この丸いお餅、食べていい?」


「アリス! それはお餅じゃなくて、神様のツルツルの頭頂部だ! 齧るな!」


宇宙の崩壊は止まったが、俺の六畳間は完全に無法地帯と化していた。



「いてて……アリス、お前お爺ちゃんの頭を齧るな! ルナ、金庫のダイヤル回す音聞こえてるぞ!」


暗闇の六畳間(元・VIPルーム)は、完全にカオスと化していた。

俺は畳を這いつくばりながら、手探りで先ほど抜けた『コタツのコード(神界の主電源)』を探す。


「くそっ、コンセントどこだ……お、あったあった」


俺は壁の穴(巨大クリスタル)に、赤いプラグを適当に押し込んだ。


カチッ。


その瞬間、空間全体に『ジャーン♪』という、古いW〇ndowsパソコンを立ち上げた時のような起動音が鳴り響いた。

チカチカと明かりが点滅し、神界のシステムが強制的な再起動リブートを始める。


「ひ、ひぃぃぃ! 本当に宇宙を再起動させよった! ワシの権限が完全に上書きされていくぅぅ!」


ブリーフ一丁の神(クソ爺)が、再起動の光を浴びながら絶望の声を上げた。

だが、明るくなった部屋を見渡した俺は、思わず目を疑った。


「……は? なんだこれ。ポリゴン荒すぎないか?」


再起動した六畳間は、なぜか『初代プレ〇ステーション』のような、カクカクのローポリゴン世界になっていた。

クソ爺の白ヒゲも、アリスの顔も、すべてがドット絵のように粗い。


どうやら、俺が無理やり電源を引っこ抜いたせいで、神界のシステムが『セーフモード』で立ち上がってしまったらしい。


「(……嘘だろ。俺、本当に宇宙のシステムぶっ壊しちゃったのか!?)」


俺が自分のしでかした事の重大さに青ざめていると、メリルがカクカクのポリゴンのまま、聖剣を掲げて震え出した。


「お、おお……! 古き悪しき次元を一度無に還し、より洗練された『簡素なローポリ』として再構築されるとは……!」


「違う! ただの処理落ちだよ! 宇宙のグラフィックボードが死んでるだけ!」


「ええ、分かります! 我々の目に余計な情報ノイズが入らぬよう、あえて世界の解像度を下げるマスターの慈悲! まさに新世界の創造主!」


「だからグラボが焼け焦げただけだってば! 俺のせいじゃない……とは言い切れないけど!」


メリルの狂信翻訳は、低解像度の世界でも全くブレなかった。

さらに、ポリゴン化したルナが電卓を叩きながら、俺に恐ろしい請求書を突きつけてくる。


「……ジン。解像度が下がったせいで、金塊がただの黄色いブロックになった。……損害賠償、請求する」


「知るか! お前が勝手に泥棒しようとしたからバチが当たったんだろ!」


「……お兄さん、この四角いリンゴ、美味しい。……マイ〇クラフトの味がする」


「アリス! お前はポリゴンのフルーツを食うな! 胃袋までバグるぞ!」


カクカクの世界で暴れ回る腹ペコと守銭奴。

そして、低解像度のブリーフ姿で土下座を続ける元・神様。


「(もう嫌だ……。早く普通の画質(日常)に帰してくれ……!)」


俺が胃を押さえてポリゴンの畳に突っ伏した、その瞬間だった。

脳内に、いつも通りふざけきった無機質なシステム音声が鳴り響いた。


『ピロン♪』

『条件を満たしました。称号【次元を畳む者(物理)】が【全次元のIT土方(無給)】に進化しました』

『追加スキル:【強制セーフモード】を獲得しました』


「どんな最悪な進化だよ! なんで俺がタダ働きで宇宙のシステム復旧させなきゃいけないんだよォォォッ!!」


俺の悲痛な叫びは、またしても誰の耳にも届くことなく、ポリゴンだらけの六畳間に空しく響き渡るのだった。

いつもお読みいただきありがとうございます!

ネット回線のクレーム(ただの愚痴)から始まり、コタツのコードで宇宙の主電源を引っこ抜くという、前代未聞のピタゴラスイッチが炸裂しました!

さらに再起動したら世界がローポリゴン(セーフモード)になってしまうという、バグだらけのオチです(笑)

「神域の電源切断コンセント・キル強すぎw」「IT土方不憫すぎるw」と笑っていただけましたら、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、ジンの胃痛が少しだけ和らぎます!

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