魔法ランキング戦一日目5
「本当、無茶苦茶」
「それは褒め言葉ね」
ユニが目を覚ました後、私達はフィールドのベンチで休んでいた。ユニに勝ったことにより、今日の私の勝ち点は5。今のところ全戦全勝だ。
「そうだ、はい」
「なに、これ」
「私特製の紅茶」
昼休みの後に作ったグレープフルーツの果汁入りの紅茶をカップに注ぎ、ユニに手渡す。ユニはしばらく訝しげに眺めていたけど、ゆっくりと飲み始めた。
「おいしい」
「そう?よかった」
下半身が不自由だった私にとって、自由に動かせるのは上半身のみ。いつの間にか、上半身だけで出来る紅茶にはまっていた。はじめはただ紅茶を入れるだけだったけれど、だんだんとやって行くうちに、ハーブティーや今みたいにグレープフルーツティーなど作り始めるようになった。まあ、飲ませる相手と言った香織理だけだったけど。そういえば、私がしんでから香織理はどうなったんだろう。悲しんでくれたのかな?それだとちょっと嬉しいけど。
「フリージアさん?どう、したの?」
「ん?なんでもない」
いけない。しっかりしなきゃ。今、私が生きているのはこっちなんだから。
「さ、行きましょ?ハティ達が待ってる」
「わかった」
ユニが紅茶を飲み干したのを確認して、そう声を掛ける。立ち上がったユニからカップを受け取ると、フィールドの外へ歩き出した。
ハティ達と合流したあと、私達は玄関の交流掲示板の前へ立っていた。交流掲示板には院長の話やその日あったことなどが載せられるけど、今日から七日間は魔法ランキング戦の結果が載せられる。丁度私達が玄関へ立った時、先生が交流掲示板に今日の結果を貼り付けたところだった。
結果表には一位から三百位までの生徒の名前が載せられ、生徒一人一人に先生の評価が五段階にわたって書かれる。
「フリージアさん、やっぱり凄いですね」
「いや、Aランクにも関わらず、他のSランクを差し置いて二位に入ったハーティアさんも凄いと思うよ」
リリオンとナナリーが結果表を見て、そう言葉を発する。結果表の一位には私の名前が、二位にはハティの名前かあった。
「「当然」」
人からみればこの結果はすごい事なんだろうけれど、小さい時から努力してきた私とハティにとっては当然の結果。むしろこうじゃなきゃ報われない。
「誇るでもなく、驕るでもないって、二人は何者?」
ハティと手を繋いで寮へ歩いて行く私の耳に、ナナリーの呟きが聞こえた。




