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異世界転生譚  作者: 柊 紗那
魔法ランキング戦!
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魔法ランキング戦一日目2

爆炎を多量の水が消火する。中から現れたのは、少し消耗しブリジット達だった。


「よくもやってくれたな!この僕にたてつくということはどういうことか、思い知らせてやる」


血走った目をハティへ向け、ブリジットは魔力を高めたハティへ走り出す。狙い通りね。


「お前の相手はこの僕だ」


「あら、いたの単細胞」


嘲笑うかのように見下しながら男の子を煽る。想像通り、男の子は額に青筋を浮かべて詠唱した。


「激流よ流れし押しつぶせ。我に仇なす敵を砕かん!〈アルク・フロー〉!」


水系統第十一階級魔法 〈アルク・フロー〉ね。なかなかやるじゃない。でも、


「まだまだね」


殴り込みに行く前に作った防御系統魔法陣を起動させる。私の全方位に青色の魔法陣が現れ、激流を防ぐ。


「まさか!?防御系統魔法なんて存在するはずがない!そんなもの、古代の産物だ!」


「確かに、攻撃魔法がどんどんと強力になって防御魔法は消滅した。でも、このくらいなら過去の文献を見れば簡単に作れるわよ」


防御系統魔法陣を起動させながら、もう一つの魔法陣を起動させる。魔法陣並列起動。難しいといわれている技術だ。


「これを食らって耐えられるかしら?〈氷炎地獄(インフェルノ)〉」


私の足元に蒼色の魔法陣と紅色の魔法陣が現れ、一つに重なる。そして、フィールド全てを覆い尽くした。


「ハティの邪魔はしないわ。あくまでも標的は貴方だけ。さよなら」


天から極寒の猛吹雪が地面を叩きつけるかのように吹き荒れ、地面から獄炎が天まで噴き出す。あっという間に男の子を呑み込み、猛吹雪と獄炎が渦巻いて行く。


「さあ、ハティはどうなったかしら?」


踵を返し、ハティの方へ視線を向ける。その後方で、空に舞い上がっていた男の子が地面に落ちた。




「炎よ巡りて形どれ。右手に剣、左手に盾。その身を持って我が敵から我が身を守らん〈炎尖兵(フレイムアドバンスパーティ)〉」


踵を返しハティヘ視線を向けた所、ハティが炎系統第六階級魔法 〈炎尖兵〉を発動させたところだった。

ハティから生み出された炎が兵士を形どっていく。やがて十五体の炎の尖兵が生み出された。


ハティの得意とするのは、炎尖兵を駒と見たて、将棋のように駒を詰める戦い方だ。


私が将棋を作ってハティに見せたところ、見事にハティの経験値として吸収され、理想の戦い方として採用された。


そして、まだこれだけじゃない。


「炎よ巡りて形どれ。強靭なるその足で我が敵を屠らん。〈炎馬(フレイムホース)〉」


総魔力量SSランクを持つハティからは魔法が無数のように生み出され、ブリジットを追い詰めて行く。


「溶炎よ巡りて形どれ。その身に宿り士は灼熱の炎。溶かし焦がし燃やし尽くし、我に仇なす敵を葬らん。〈溶岩巨人(ラーヴァゴーレム)〉。これで王手(チェック)!」


これぞとばかりに炎系統第八階級魔法巨大な溶岩巨人(ラーヴァゴーレム)をハティは生み出し、手を振り上げる。


「くっ。まだ終わりじゃない!風精よ集いて巻き上がれ。回り巡りて切り裂き刻め!我が敵を討ち滅ぼさん!〈ウィンドハリケーン〉」


この場を打開しようとブリジットは風系統第六階級魔法を発動させるが、十五体の炎尖兵(フレイムアドバンスパーティ)の盾によって防がれる。


「くそっ、くそ!くそぉ!Aランクのくせに!」


プライドもなにもかなぐり捨て、ブリジットはハティヘ走り出す。

そんなブリジットをハティは蔑むような目で見つめ、手を振り下ろした。それと同時に溶岩巨人が巨大な腕でブリジットを薙ぎ飛ばす。ブリジットは魔術障壁に激突し、気を失った。
















ちらっとフリージアの方をみると、丁度戦い始めたところだった。ブリジットの〈風斬刃〉を〈バーン・アウト〉で相殺しながら機会を伺う。


フリージアは、『多分まともに戦ったら勝てない。だから、総魔力量にものを言わせた戦い方で相手に優位を譲らないで。まずはブリジットが疲弊するまで放たれた魔法を〈バーン・アウト〉で相殺しながら機会を伺って』

と助言してくれた。だから、負けられない。


「炎よ巡りて形どれ。右手に剣、左手に盾。その身を持って我が敵から我が身を守らん〈炎尖兵(フレイムアドバンスパーティ)〉」


『いい?ハティ。総魔力量にものを言わせた戦い方もいいけど、戦いは数。機会が訪れたら、ハティの得意な〈炎尖兵(フレイムアドバンスパーティ)〉でこの盤上を支配して。いくらSクラスとは言え、ハティの〈炎尖兵(フレイムアドバンスパーティ)〉そうそう破れないから』


フリージアの言ったとおり、ブリジットはこちらの魔法で増えた炎の尖兵に戸惑ってる。本当に、フリージアは凄い。


「炎よ巡りて形どれ。強靭なるその足で我が敵を屠らん。〈炎馬(フレイムホース)〉」


『支配出来たら次は素早い馬でブリジットの退路を封じて。馬だってぶつかったら結構なダメージを与えられるはずよ』


炎馬をブリジットにぶつけたり、ブリジットを囲んだりしてその場にくくりつける。

そして、あと一手!


「溶炎よ巡りて形どれ。その身に宿り士は灼熱の炎。溶かし焦がし燃やし尽くし、我に仇なす敵を葬らん。〈溶岩巨人(ラーヴァゴーレム)〉。これで王手(チェック)!」


『ここまで来たらあと一手。炎馬と炎の尖兵によって動けないブリジットを仕留めるために、溶岩巨人(ラーヴァゴーレム)を発動させて。強力な魔法の代わりに、行動と移動速度が遅い溶岩巨人だけど、素早い炎馬で囲まれて動けないブリジットなら、まず逃げられる可能性はない。溶岩巨人を発動させたら、ハティの勝ちよ』


炎馬に囲まれて動けないブリジットの前方に広がる十五体の盾を構えた炎の尖兵。そしてその後ろに一体の巨大な溶岩巨人。

それを見てブリジットは無駄な足掻きとばかりに魔法を放つけど、炎の尖兵によって防がれた。


「くそっ!くそ!くそぉ!Aランクのくせに!」


ブリジットはそう言って走ってくる。

自分以外の人間を貴方は見下すけど、じゃあAランクだからって見下して負けた貴方はなに?滑稽じゃない。


「終わり」


合図を送って溶岩巨人を動かす。溶岩巨人は腕でブリジットを薙ぎ払った。


































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