激闘
「うおっ!?速っ!」
強化魔法を身に纏ったフリージアは一瞬にしてミオンロートの懐へ入り込む。そしてそのまま拳を繰り出した。幼いながらも強化魔法によって強化されたその拳はオーガと大差ない膂力を誇り、ミオンロートへ牙を向く。ミオンロートは一瞬にして懐へ潜り込まれた驚きに取られながらも身を守る魔術障壁を展開させ、拳を防ごうとする。
ーーーーフリージアが拳を繰り出すのとミオンロートが魔術障壁を展開させるのはほぼ同時。
次の瞬間破砕音が校庭に響き渡った。
生徒達が目にしたのは、拳を突き出したままのフリージアと、フリージアに吹き飛ばされたミオンロートだった。
吹き飛ばされたミオンロートは空中で体制を立て直すと、地面を削りながら着地する。
「いや、今のは危なかった。強化魔法を咄嗟に発動させていなければ死んでたね」
ミオンロートの額に浮かぶ冷や汗をみればフリージアをおちょくる言葉でないことは火を見るよりも明らかだ。
「業火よ渦巻き槍となり、貫き穿ち穴を開け、我に仇なす敵を塵と化さん。〈イグニス・ハート〉」
「水禍よ渦巻き槍となり、貫き穿ち穴を開け、我に仇なす敵を無へと帰さん〈ラフリーフ・ハート〉」
フリージアはそんなミオンロートを気にもせず、炎系統第十二階級魔法〈イグニス・ハート〉を放ち、ミオンロートも慌てて水系統第十二階級魔法〈ラフリーフ・ハート〉を放つ。炎の槍と水の槍がぶつかり合い、相殺し合う。水が炎を消化し、炎が水を蒸発させる。あたりは一瞬にして水蒸気に覆われた。
「天より降りし幾筋の、雷鳴轟き降り注げ。
我に仇なす敵を塵と化さん。〈鳴神〉」
フリージアは水蒸気の中で雷系統第十二階級魔法〈鳴神〉を放つ。空から閃光が迸り、光の筋が校庭へ落ちた。




