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異世界転生譚  作者: 柊 紗那
家族って温かい
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告白

リアさんの家から帰宅した母様、父様、フェルミルさん、そして私は夕飯を食べるために食卓についていた。普段なら温和な雰囲気が流れているはずなのだが、今日は違った。どこかまとわりつくような、重苦しい雰囲気が漂っていた。


理由は、私が「大事な話があります」と言ったからだ。舌ったらずの口調で話していた時とは違った、しっかりとした口調で話した私に、母様達は驚いて目を見開いていた。子供のはずなのに、子供っぽくない言動。そして、今回でのリアさんの家の中で見せた異質な素質。流石にここまでやっておいて、今更隠し通そう、なんてことは厳しい。母様達を騙しているという心理的圧迫に耐えかね、このまま騙し続けているよりも早く話して楽になってしまおう、という気持ちもあった。


非難されて忌子扱いされることを怖く思わなかったのは、幼い頃から親に見限られていた反動なのだろう。少し本音をいうと、私は親がいてもいなくてもどちらでもいい。なぜならずっと一人で生きてきたらから。そして、それと同時に本来あるべき『家族』というものにも憧れを抱いている。『家族』の温かさに。


私はそれを手にしているといっても過言ではない。が、私は今わざわざ温かさを手放すような真似をしようとしている。それは自覚しているし、どういうことかも理解している。だけれど、私は覚悟した。『家族』に話すことを。


「先にお詫び申し上げます。これから話すことは、正直荒唐無稽過ぎてとても信じられるものではありません。信じるか信じないかは、リリムさん達の自由です。といいことだけを、覚えておいてください。それでは、お話します」


私は自分のことを客観的に話し始めた。そうでもしないと私がどうにかなってしまいそうだったからだ。

リリムさん、といった時に、母様達が息を飲んだのがわかった。だけれど、やめるわけにはいかない。


「はっきり申し上げますと、私には前世の記憶があります。しかも、こことはまったく違う世界で過ごした記憶が。前世では、『篠原涼子』という名前でした。過ごしたと言っても天寿を全うしたわけではなく、16歳で死にましたが。私が『篠原涼子』だった時は両足を動かすことができなかったため、かなり不自由な生活をしていました。親はそんな私を早くに見限り、近くの施設に預けたまま、見舞いにすら来ませんでした。我ながら酷い親だとは思います。親が物心つく前の私と別れる時に言ったことは今でも忘れません。『お前がいなくなってせいせいするよ』という言葉だけは」


「「「ッ!?」」」


話を言ったん区切り、ぎりっと歯をかみしめた私に、母様達は瞠目した。フェルミルさんに至っては既に涙を流している始末だ。別れ際に親から言われた言葉を聞いた瞬間、私は心臓を鷲掴みにされたような感覚に陥った。『家族』だと思っていた存在から裏切られた悲しみと絶望。これからの不安感。親への怒りと憎しみ。様々な感情に押しつぶされていた。だけと、


「施設での生活もそんなに悪いものではありませんでした。同じような障害を抱えている人達が集まっているせいかいじめなどは全くなく、すぐに友達も出来、大人達も皆優しかったので」


そう、皆親身になってくれた。心を閉ざしていた私に。


「その施設で16まで過ごしました。暇潰しに散歩していた私は、トラック、鉄の塊に引かれて死にました。そして、気が付いたらここにいました」


一通り話し終わった私は目を瞑りホッと息を付く。そして、母様達を見つめる。


「リリムさん達が接して来たフリージアは、偽物だった、ということになってしまいます。

今まで騙していて、黙っていてすみませんでした」


そう言って、深く、深く頭を下げた。





















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