魔力欠乏症
ファルミルさんとリアさんが復活したあと、私達は館の中に招かれてリビングのソファーに座っていた。出された紅茶を飲みながらリビングを見渡す。
六十畳の程の広さに檜らしき木の床。真っ白な壁。おしゃれな照明に落ち着いた色合いの調度品の数々。そして、魔法を利用したキッチンや冷蔵庫。どれもが私にとって物珍しいものばかりだった。
魔法技術はかなり発展している見たいだけど、科学技術が大体中世程度。なんか少しアンバランスさが感じられる。この世界はこれが普通らしい。
なんてことを考えていたら、リアさんが小さな女の子を連れてリビングへ入って来て居た。
「いいこにしてた見たいね、リージア」
「はい、リアさん」
あれから一悶着あって、リアさんは私のことをリージアと呼び、私はリーディアさんのことをリアさんと呼ぶようになって居た。
そんなリアさんの服の裾を握り、うしろに隠れている女の子が、私を紅い目で見つめる。
「ほらハティ。会いたかったんでしょ?挨拶挨拶」
そう言ってリアさんに押されて、おそるおそる女の子がソファーに座る私の前に立つ。
か、か、可愛い!手足が短いせいでどうしてもよちよちとした歩き方になるけれど、たまに転びそうになって体制を崩すところがまた可愛い!思わずだきつこうとしてしまい、ソファーから下りたところで、目の前の女の子の異変に気づいた。
白い髪に紅い目。これはまだいい。だけど、この異様なまでに白い肌はなに?異様なまでに白い肌も例えようによっては、雪のように透きとおった、とかなら綺麗だと思うかもしれない。けど、この子の場合の例え方は、『病的なまでに』だ。
「やっぱり気づいたね、リージア」
リアさんの子供に向けるはずのニュアンスを全く含んでいない、私を一歳の女の子だと思っていないかのような物いいに、私は肩を跳ねさせた。
…………やっちゃったZE☆
いや、まだ大丈夫。まだフリージアの中の人は篠原涼子だってバレてない。篠原涼子が演じている女の子がフリージアだってことに、まだ気づいていないはず。これという確信は持てないけど。
でも、これからどういう反応をとろう。一歳の女の子だったら、病的なまでに白い肌をした同年代の女の子を見たらどういう反応をするんだろう。
「これって……」
今更知らぬ存ぜぬは突き通せない。やらかしてしまったものはしょうがない。というより、リアさんの言葉をスルーする方面で話を進めた。
「魔力欠乏症っていう病気よ。生まれた時から私達は生命を維持するために必ず一定以上の魔力を持っているの。その一定を下回っちゃうと、その子の命の危険に関わってしまうほどの、本当に必要最低限の魔力をね。でも、この子の場合は本当に必要最低限の魔力しかないのよ。いえ、本当はもっとあるはずなんだけど、うまく魔素を魔力に変換することが出来なくて、必要最低限の魔力しか体に溜めておくことが出来ないっていうのが現状ね。この魔力欠乏症は、先天性と後天性があるんだけど、それはまた今度。それで、先天性の魔力欠乏症のみ、ある症状が同時に発症することがあるのよ」
「アルビノ、ですか?」




