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死にかけて異世界に飛ばされたのにチート貰ってないのですが~アブソリュートスレイヤー~  作者: もさん


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2章1話

本作はカクヨムと同時掲載となっております。

また、本作は現在制作途中の作品となっております。

そのため、今後の展開に応じてストーリーや設定、名称などに調整や変更が入る可能性があります。

できる限り違和感のない形で更新していく予定ですが、あらかじめご了承いただけますと幸いです。

 森を抜けて、3日ほど歩いた頃だった。

遠くの地平線に、壁が見えてきた。


最初は、大きな山かと思った。

だが――違う。


目を凝らすほどに、その輪郭がはっきりしてくる。

あれは……恐らく、城壁だ。


それも、俺が地球で見てきた観光用の城なんて可愛いものじゃない。

人が、人の力だけで、ここまで積み上げたのか。


その事実だけで、思わず息を呑むほどの巨大さだった。


「……でっっけぇ……」


思わず、感嘆が漏れる。


城壁に沿って視線を上げながら歩いていくと、やがて正門が見えてきた。

左右にそびえる塔。

その中央に構える、圧倒的な存在感の門。


門前には、すでに人の流れができていた。


馬車、商人、旅人。

そして、武装した厳つい連中。


人間だけじゃない。


ふわふわとした耳と尻尾を持つ種族――獣人、って奴だろうか。


今までも“異世界感”は十分味わってきたつもりだった。

だが、ここは桁が違う。


圧倒的な、ファンタジー。


そして何より――


こいつらは全員生きている。

作り物でも、ゲームでもない、現実だ。


この世界に来て半年。

慣れたつもりでいた。


けど、森に籠もりきりだった俺にとって、

この光景はむしろ“非現実”にすら感じられた。


門をくぐった瞬間、音が爆発する。


怒号、笑い声、馬の嘶き。

金属同士がぶつかる、甲高い音。

客引きの張り上げる声。


「……これが王都か」


イレーネに聞いていた通りの場所だ。


人間が住む街の中で、最も大きく――

そして恐らく、危険も多く孕んでいるであろう場所。


無数の思惑が渦巻く、中心。


門番であろう衛兵の厳しい視線をくぐり抜け、門を抜けた先にある街の地図を軽く眺め、歩き出す。

しばらくすると、ひときわ目立つ建物が目に入った。


巨大な紋章。

交差する刃と、円環。


――仙師ギルド。


中に入った瞬間、空気がわずかに張り詰めた気がした。


ここにいるのは、命を賭けて戦っているような連中だろう。


受付にいた男に、イレーネから旅立つ前に渡された紹介状を差し出す。


「ほう……あの魔女が推薦状を書くとは.....最低限の実力は保証されている、と見ていいか……」


イレーネは中々評判が良いらしい。


男は紙に目を落としたまま言う。


「だがな。今の王国じゃ、仙師の推薦状だけじゃ仙師にはなれん」


少しバツが悪そうに、続けた。


「どういう事だ?そんな話聞いてないが……」


「歪人共が近頃活発でな。それに加えて、魔物まで力を付けてきている。勇敢だけが取り柄の男共が死ぬのはもう散々だ」


男は顔を上げ、俺を見る。


「仙師は今や、国が管理する資格だ。勝手に名乗るのは許されない」


「……フリーの冒険者ってわけにはいかないか」


「いないこともないがな。大抵は化け物みたいな連中だ。国と喧嘩上等の多馬鹿野郎さ.....」


男は掲示板に視線をやる。

そこには“WANTED”と書かれた賞金首の張り紙が並んでいた。


「そんで?仙師になるにはどうすりゃいい?」


「学院に行け。お前は運がいいな、ちょうど今日が今期の仙師候補生募集の最終日だ。そこで学んで、試験を受けろ。あの魔女の紹介なら……まあ落ちはしないだろう」


男は地図の一角を指差す。


「王都北部。ここだ。でかい建物があるだろ?――それが仙師学院だ。まあ、見りゃ分かる」


ギルドを出ると、王都の風がやけに生暖かかった。


(学んで試験……大学みてぇだな)


イレーネは、王都に行けとしか言わなかった。

まああの歳だ。あいつがいた頃とは、色々変わったんだろう。


「さてはて……」


俺は、人の波の中へ足を踏み出す。


「ま、とりあえず飯でも食うか!」


遂に興奮を抑えきれなくなった俺は、街へ駆け出した。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

本作はカクヨムと同時掲載となっております。

また、本作は制作途中のため、今後の展開や構成の都合により、ストーリーや設定、名称などに調整・変更が入る場合があります。

より良い作品になるよう試行錯誤しながら執筆しておりますので、温かく見守っていただけると嬉しいです。

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