第2章7話
本作はカクヨムと同時掲載となっております。
また、本作は現在制作途中の作品となっております。
そのため、今後の展開に応じてストーリーや設定、名称などに調整や変更が入る可能性があります。
できる限り違和感のない形で更新していく予定ですが、あらかじめご了承いただけますと幸いです。
翌日。
「昨日はホントに地獄だったぜ...」
二日酔いから回復し、正常な顔色を取り戻したリュカが言う。
「これに懲りたら今後酒は飲みすぎないようにするこった」
「...お前、人の事言えないだろ...」
そんな他愛のないやり取りをしながら、二人で教室へ向かった。
教室に入ると、すぐにざわつきが耳に入る。
視線の先。
また、例のあの連中だった。
そして――その中心にいるのは、銀髪の少女シエル。
(懲りない奴らだな……)
思わず眉をひそめる。
だが、いつもとは少し違う雰囲気だった。
「いい加減にしてください、迷惑です」
シエルが、はっきりと声を上げる。
覚悟を決め、自信に満ちている。
男が一瞬だけ顔を歪めた。
「昨日の野郎に影響されたか?勘違いしてんじゃ……」
手を上げようとする。
――その時。
「.....やめなよ、いつまで幼稚なことしてんの」
割って入ったのは、一人の少女だった。
落ち着いた声。
だが、はっきりとした意志を感じる。
さらに周囲の視線も今までと違う。
「昨日、あんな無様な姿晒したのによくあんなことできるよな...」
誰かが呟く。
「あんなのが仙師になったら仙師全体の品が下がるわね.....」
非難の声が上がり出す。
男は舌打ちし、周囲を睨みつける。
「チッ……覚えてろよ」
吐き捨てるように言い、去っていった。
静寂が戻る。
止めに入った少女は、そのままシエルの隣に腰を下ろした。
少しのやり取りの後、二人は笑顔で談笑し始める。
それだけで、二人の距離が少し縮まったのが分かった。
(……あいつ、変わったな)
そう思いながら、俺は席に着いた。
新鮮だがどうしても眠気を誘う授業が終わる。
教室の空気が一気に緩む。
「この後どっか行くか?」
リュカは腕を組み、少し考えたあと首を振った。
「いや、俺もそろそろ本気で準備しねぇとな」
「試験のことか?」
「ああそうだ。落ちる訳には行かねぇからな」
いつもの軽い調子ではない。
少しだけ真剣な顔だった。
「なら、いい場所があるぞ」
自然と口に出ていた。
学院の外れ。
自然に囲まれた、特訓に向いた場所。
「おお、いいじゃんかここ」
リュカが周囲を見回しながら言う。
「人も少ねぇし、集中できそうだな」
その時、ザッザッと草を踏む足音。
振り向くと、そこにはシエルがいた。
少しだけ驚いたような顔をしている。
そしてこちらに気づき、目を細めた。
「……貴方もですか」
肩をすくめる。
「まあいいじゃねぇか、気に入ったんだよここ。それにお前も師匠がいた方が特訓に身が入るだろ?」
「確かに昨日のことは感謝してますが、師匠とまでは思ってません!」
リュカが笑いながら間に入る。
「なんだよ?俺が知らない間に随分と親睦を深めたみたいだなおふたりさん」
シエルは一瞬顔を赤らめ、やがて小さくため息をついた。
「…..別にそんなんじゃっ.....てゆうかあなたは誰ですか.....まあ、もう好きにすればいいです」
不貞腐れたようにそう言って、少し距離を取る。
「まあまあ、後で2人にイイもん教えてやるよ」
「お!流石師匠!」
その日から。
殆ど毎日のように三人での特訓が始まった。
火球や仙纏等の基礎の反復。
そして各々、自分に適した仙術を開発する。
三人での特訓の成果は凄まじく、俺たちは等しく成長していった。
「シエル、ちょっと仙素の流れが雑だぞ」
「...あっ」
一瞬、悔しそうな顔をするが、すぐ気を取り直す。
リュカも横で笑いながら言う。
「大人しそうに見えてすげぇ負けず嫌いだよなぁオメェさん」
「うるさいです!」
そんな日々が続く。
確実に積み重なっていく、技術、そして信頼。
そして気づけば――
あっという間に、仙師試験の日がすぐそこに迫っていた。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
本作はカクヨムと同時掲載となっております。
また、本作は制作途中のため、今後の展開や構成の都合により、ストーリーや設定、名称などに調整・変更が入る場合があります。
より良い作品になるよう試行錯誤しながら執筆しておりますので、温かく見守っていただけると嬉しいです。




