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エボルヴインパクト 非対称型PvPvEの悪魔的暗殺術  作者: すばる
2章

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10/20

2-0 大型イベント“Day 1 Catastrophe”準備

「ほうほう」

 運営からのお知らせとして派手にポップアップされたメールを読んだ私は、ニマニマと表情を緩めている(気分)でひとり触腕をくねらせた。

 大型イベント“Day 1 Catastrophe”開催のお知らせ。エボルヴインパクトもリリースから1ヶ月。プレイヤーたちもシステムに慣れたこのタイミングで、どうやら大きく動き出したらしい。

 趣旨としては、名前の通り惑星の文明が滅茶苦茶になったXデーをイベント化したもののようだ。対人ゲームでよくあるみたいに、設定として存在するだけで深い意味はない世界観だと思ってたんだけど、ガッツリと描くみたい。時間加速システムを利用して、5時間ぶっ続けの長丁場。ゲーム内では1時間で1日が経過する設定で、5日にわたるサバイバルとなる。

 プレイヤーはキャラ自体はそのまま使えるけど、装備の持ち込みは制限されるようだ。具体的にはハンドガンと弾50発のみ。そりゃそこそこ平穏だったところに突然災害が発生するわけだから、ガチガチに装備固めてたらおかしいからね。それ以上は探索で集めてねって感じ。一応デスすると進行時間に合わせて調整された装備でリスポーンできる救済措置があるけど、普通に考えて死なないのが一番だからね。

 ミュータントもスキルのトークンが最初はゼロでスタートになる。トークンの依存度が高いプレイヤーはきつそう。

 舞台となるのはアグヌ地区。サバイバーたちはこのエリアに住む一般人として任意の場所に籠城しつつ、生き残るための物資をかき集めることになるようだ。

「こりゃ普段より複雑そうだ」

 説明を読んだ私は触腕をくねらせながらぼやいた。

 普通のプレイでは1パーティー4人で動いてそれ以外は全員敵なわけだけど、今回は他のパーティーとも会話が可能で、うまく連携することが認められている。ただ同時に、闇雲に人数を増やせばミュータントを引き寄せる上に物資不足も深刻化する、と。助け合うか奪い合うか、なんて文言が出てたけど、両方で上手いこと立ち回らないといけない感じかな。

 まあミュータントからしたら助け合いとかないんだけど、いつもより大人数を相手にする必要があるってのは重要。場合によっては他のミュータントとの連携もありうるな。

 そしてランキングに関わるスコアの計算方法なんだけど、どうにもサバイバーとミュータントでかなり変わるみたい。サバイバーは生き残りがまず最優先で、上位入りを目指すなら1デスが致命的だ。ペナルティがあるわけじゃないけど、連続で生き残るほどポイントが貰えるので最上位は5時間ノーデス分のポイントを得るのが前提になるはずだ。

 逆にミュータントはデスによる影響はほとんどなく、とにかくサバイバーをたくさんキルすることが大切。むしろポイントの獲得手段はそれだけだ。ゲームが進むほど1キルで貰えるポイントに倍率がかかる仕様になっているのは、後半ほどサバイバーの装備が整って倒すのが難しくなるから、だろうか。なので前半でリードしていても後から逆転される可能性は充分にある。

「まあ私はランキングとかそんなに気にしないけど……」

 報酬で貰えるのは汎用のアイテムや記念品だけなので、今後のゲームプレイで有利になったりするわけじゃないし、真面目に取り組めば取れないってことにはならないはずだ。ただそうは言いつつも、やるからには勝ちに行きたいのが心情というものだ。

「しばらくアグヌ地区に籠るか」

 イベントまでは2週間。“血液”を集めてスキルを育てるのも大事だけど、舞台となるアグヌ地区の地理を叩き込むのはきっともっと重要だ。私が一番詳しいのはアグヌ地区だけど、実際に向かう場所はまあだいたい決まっていて、そうでない場所の細かな地形は結構あやふやだったりする。それらを完璧に頭に入れ、自分の家の庭先くらい隅々まで把握することが、勝利に繋がるはず。


次回投稿予定は明日12時です。

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