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第364話 ブラキオ対スピノ シンの助っ人

 愈々大型恐竜ハントが始まります。

第364話 ブラキオ対スピノ シンの助っ人


 あ、群れの一頭が丁度真横を向いた。

 ちょっと見では、二箇所の橋脚を中心に左右に長く伸びる橋みたいだ。

 群れの中に小さいのが二頭混じっている。

 大人の腹の下に収まる位の大きさの幼体だ。

 その内の一頭が水を飲みに水辺に近づく。

 湖の端で長い首を水面に伸ばし水を飲み始めた。

 その向こう隣に大きいのが、頭を並べて水を飲み始める。

 巨体故に足の位置は幼体に比べてだいぶ後方にある。


 幼体の手前側の水面がバシャっと弾け、水中から飛び出した長い頭が、幼体ブラキオの小さな頭の後ろ辺りに噛み付いた。

 でかい背鰭が見えた。

 スピノサウルスモドキらしい。

 スピノの後ろから見てるからちょっと様子が分かりづらいが、ガッチリと首に噛み付いたようだ。

 スピノが大きな体を捻ると、小さいブラキオの首は一回転した。次いで体全体も半回転してひっくり返る。

 こうなると全く抵抗しようもない。

 大きなブラキオが前進して首を伸ばし割って入ろうとするが、幼体はそのまま水の中に引き摺り込まれてしまった。

 大きなブラキオはさらに前進するが、もう首は届かず水の中に数Mほど入って行く。

 そこで突然深みにハマったらしく立ち止まった。どうやら諦めてしまったらしい。


「クワァーーン」

「クワァーーーーン」


 他の大きな奴らが皆集まって来たが、深い水が前進を阻んでいる。群れは湖に向かって悲しそうに吠えるだけだった。


「待たせたか、コウタ、沙織、しのぶ、キャシーよ」

 俺たちの横上から大きな頭が現れた。フェンリルのシンだ。


「アタシも来たわ」

 シンの向こう側に並んだのは、相方のナミだった。


「いや、俺たちも今来たばかりだ。

 たった今、あの方向の岸辺にいた幼体のブラキオが、水中から来たスピノに噛まれて引きずり込まれた所だ」


「ふむ。それは確か両方とも今回の捕獲対象だな。

 幼体と言うからには、今向こうに見えている奴らよりはかなり小さいと言うことか」


「そうよ。大きい奴の腹の下に収まる位の大きさね」

「とても小さいです」

「それくらいにゃ」


「なるほど。たった今ということはまだ生きてる可能性があるな」


 そう言うや、シンは空中に魔法陣の飛石を幾つも並べ、低空飛行で飛ぶように走り湖を直線で横切って行く。

 ナミはそれを微笑しながら眺めている。

 あっという間に向こう岸近くまでシンは進み、水面の1Mほど上で止まり水の下を観察している。


 急に空中に現れた大きな狼を見つけて、数倍でかいブラキオの群れがやや後退している。

 シンが前脚を小さな円を描くように振る。

 突如空中に竜巻が湧き、湖の水を巻き上げ始める。その中にスピノと幼体のブラキオが見えた。

 スピノとブラキオごと巻き上げられた水の塊が湖畔に投げ出された。


 後退していたブラキオの群れは、一頭だけを残して湖を取り巻く林の奥へと退却を始めた。

 あれで精一杯なんだろうか。巨体故に走っているようには見えないが、800M近く離れているのに地響きが伝わって来るほどには全力疾走しているらしい。


『あれでも時速30キロは出ているね』

 クモミンの分析。そしてフェンリルの力に対する感想。

『さすがシン様。水中のスピノを吸い上げて岸辺に放り出すとはね。

 アタシたちも向こう側へ行って観戦しよう』


 いつもより大きい転移のドアが開くと、ナミが先頭で通って行く。

 俺たちが着いた先は、さっきまでブラキオの群れが居た所だ。

 そして俺たちの後ろに一頭だけ残っていたブラキオが、俺たちの突然の登場にびっくりして一歩後ずさったが、他の群れのように逃げるつもりはないらしい。


 50M先で、シンが自分より数倍大きなスピノと対峙している。

 その横には溺れて気絶している幼体のブラキオが横たわっている。


「コウタたちよ、来たか。

 こいつはワレに対して戦意喪失している。

 こんなのを相手にしてもつまらん。お前たちでやれ」


 え、ゆっくり観戦に来たつもりなんですけど、俺たちがやるのかよ。


「やるわよ、コウタ」

「どうにかなるにゃ」


 俺たち三人はスピノの前に出る。



“”””””””” 視点チェンジ


 何故かナミさんが私を引き止めた。

「しのぶよ。後ろにいるブラキオだったか、あれはあの幼体の母親らしい。

 場合によっては背後から乱入されかねん。

 あれを先に倒しておけ」


 スピノに対しては姉さんたち三人で立ち向かうようだけど、私一人で最大級の恐竜を倒せなんて、ナミさんは私を過大評価してるのでしょうか。


「あの大きいのを、私一人でですか」


「図体は確かに大きいが、頭は小さいし頭蓋骨も頑丈とは言えぬ。

 あの頭にお主の電撃を当てればおそらく気絶するだろう。

 ストーンバレットでも高速で当てれば倒せる筈じゃ。

 急所直撃なら死ぬじゃろうから急所を少し外すがよかろう」


「頭蓋骨が弱いとか分かるんですか」


「フェンリルになってからはの。相手の骨の構造、心臓や肝臓の位置、魔石の位置などが透けて見えるようになったのだ」


「すごいですね」


「あたしの見る所、気を付けるのは踏み潰しと、尾振り攻撃だけだの。

 頭突き攻撃もありうるが、俊敏さに欠けているから楽に避けられようぞ」


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 フェンリルのシン達も大型恐竜ハントに参加しました。大型恐竜の他にも近い内にもっと強力な魔物も登場します。

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