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第363話 桁外れな捕獲対象

第363話 桁外れな捕獲対象


 翌日の訓練では以前と変わらぬ様子でキャシーは集中していた。

 精神的に立ち直ったかどうかは分からないが、キャシーは吹っ切れたように明るい。

 タイソン師匠にいなされながら、もう一丁と向かって行く。

 この分ならバトル中に注意力散漫になることはないだろう。


 前回から二週間後に予定する、捕獲依頼対象が秘密基地でクモミンから発表された。

 それを聞いた時、驚きの余り数秒間思考停止に陥った。

 沙織もしのぶも同じような状態だ。

 キャシーだけがふうんと感想を漏らした。

 それは単に恐竜に詳しくないというそれだけの理由だろう。


 捕獲対象は二種類共同じ湖近辺で活動中で、どちらか、あるいは両方を2頭ずつ捕獲してくれという。

 その捕獲対象はブラキオサウルスモドキとスピノサウルスモドキだ! 

 俺でも知っている。

 最大級の草食恐竜の代表がブラキオで、最大級の肉食恐竜の代表、ティラノサウルスと渡り合える力を持つと言われるのがスピノだ。

 これは俺たち四人では無理芸だろ。


「そんなに驚くほどの相手なのきゃ」

 すっかり元気を取り戻した感じのキャシーが俺に訊いた。


「まあ、俺もデータを持ってる訳じゃないから、クモミンに映像とデータを教えてもらおうじゃないか。その上で断ろうと思う」


 いつもなら沙織が、何よ始めからそんなんでどうするの、とか言いそうなものだが、しのぶと二人で小声で言い合ってる。

 あんなに大きい奴、ライトソードでも斬れないと思うとか、最大級のライトニングでも無理そうですねとか聞こえてくる。


「断る予定なのきゃ」


「まあそれは後だ。

 クモミン、捕獲対象の映像とデータを頼む」


 すると目の前に200インチの大きな空中ディスプレイが浮かび、ブラキオの全体像が映し出された。

 でけえな。実物大じゃないけど。


『ブラキオサウルスモドキは、基本的には草食の大人しい恐竜だけど、敵に対してあの長い尾を振り回して当ててくる。

 まともに食らえば大型肉食恐竜でも吹っ飛んで気絶するだろう。

 全長は25M、体重は60トンだ』


「60トンと言われてもピンと来ないわね」


「アフリカゾウの十倍の重さだな」


「とんでもない大きさですね」


「ドラゴンくらいの大きさかにゃ」


 俺はドラゴンというワードに反応した。この前確かシンからレッサードラゴンという言葉を聞いた記憶があるが。


「ドラゴンを見たことがあるのか、キャシー」


「ある訳ないにゃ。想像だにゃ」


 そうだろうな。見た時は死んでるかも知れないし。


 大きさ関連でしのぶが懐かしい名前を出す。

「確か、タヌルさんが15Mで100トン位だったと記憶してますが」


「ああ、俺がザクッと計算した奴だな。

 あの赤い輝石があれば最盛期の30Mまで戻せるとか、シンが言ってたよな」


「ということは、今のタヌルは30Mで200トンくらいあるってことね。

 あの時、最悪タヌルとの対戦も考えていたのよね、私たち。かなり無謀だったわね」


 ここでクモミンからアナウンスが。

『はいはい。ちょっと良いかな。

 次は、スピノサウルスモドキのデータだ』


 ディスプレイの映像はスピノに変わった。

 口がワニの様に長く、背中には大きな背鰭がある。見た目からやばそうな奴だ。


『スピノサウルスモドキは大型肉食恐竜だ。全長18M、体重9トン。主に水棲だが陸上でも活動できる。

 大きな口と大きな歯を持ち、水中では主に推進力に使っている尾鰭は振り回して攻撃にも使う。

 攻撃力は肉食恐竜の中でもトップクラスだが、水から離れると攻撃力は一段落ちる』


 今回は湖の側なんだから、攻撃力は落ちないということだな。


「これはさすがに俺たち四人では無理だろ。

 タイソンが付いていても難しそうに思えるけど」


『コウタくんならそう言うと思ったよ。

 でも今回は強い助っ人がいるよん』


 相変わらず可愛らしい女児声だけど、特にこういう時には頼りになる。


「助っ人って誰よ、クモミン」

 沙織は期待感たっぷりにそう訊いた。


『現場にはフェンリルのシン様とナミ様が手伝いに来てくれることで話がついてるよん』


「あの二人が来てくれるなら何とかなるかもにゃあ」


「そうですね。確かフェンリルに進化したことで、様々な大魔法が使えるようになったとこの前聞きました」


「レッサードラゴン程度なら楽勝って言ってたわね」


「レッサードラゴンの大きさも強さも分からないけど、シンとナミなら今回の対象にも簡単に勝てそうな気がするな」


『ついでだから、フェンリルの大きさだけど、体高3M、長さ6M、体重は2トンだよ。

 残念ながら攻撃力のデータはまだ取れてない』


 シンとナミの助力があるならと、俺たちはこの捕獲依頼を受けることにした。



 転送中・・・・・


 そこは湖の畔。

 目の前に広がるのは対岸までおよそ1キロほどの円に近い楕円形をした湖だ。

 水深は深い所で10Mを超え、周辺部は5Mほどだと言う。

 二時の方向の対岸に首の長い生き物が見える。アップして見ると、あれがブラキオサウルスモドキらしい。

 10頭以上の集団だ。頭部が盛り上がった小さな頭を前に伸ばして木に生い茂る葉を食べている。

 針葉樹ぽいがあんな葉っぱをよく食えるな。

 真横を向いてないので比率から計算できないが、背中までの高さは5Mか6Mほどか。首を上げなくてもキリンより高いとは。


 樹木の葉っぱを少し離れた所から食べている感じだ。他の恐竜と違って後ろ足より前足が少し長いな。

 どうも映画で見たように頭は高く上げてないなぁ。

 頭から尾の先まで25Mもあるとかスケールがでけえな。


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