表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
121/171

なずな -5

月日が過ぎーー


オグナはアマテラス、ツクヨミとの修行で五行を修得しつつあり、クシナダは大和での生活に馴染んできていた。


「ところでスサノオよ」


修行後、ツクヨミがオグナに話しかけた。


「そういえばおぬし、神器はどうした?」


「あ?」


「こういうやつじゃ」


ツクヨミが勾玉を取り出し、アマテラスは鏡をオグナに見せた。


「お主は剣を持っているはずなんじゃが」


「あー……」


オグナは少し考え、


「どこだっけな」


「馬鹿者ーーっ!!」


ツクヨミの怒声が響いた。


「オロチを倒すために必要なものじゃぞ!?なくしたとは何事じゃ!!」


「落ち着け。どこかにあるって。ほれ、さっさと帰って飯にしようぜ」


オグナがツクヨミの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。


「子供扱いするなぁーー!!」


そう言いながらもオグナの手を払いのけないツクヨミの顔は、少し笑っているように見えた。




夜。


「んん……」


ツクヨミが目を覚ました。


「…………」


寝返りをうち、目を閉じる。


「…………(かわや)……」


が、尿意に負け、起き上がった。



部屋に戻る際、ふと空を見上げた。


「ほう、きれいな満月じゃな」


オグナを叩き起こして教えてやるか。


ふとそんなことを思いつき、顔がにやける。


オグナの部屋に近付くにつれ、何か声が聞こえてきた。


「あやつ、起きとるのか?」


さらに近付くと、もっとはっきり聞こえるようになってきた。


「この声は……」


嬌声。


ツクヨミの顔が一瞬で真っ赤に染まる。

が、


「こ、これは……覗きではないのじゃ……そう、監視じゃ!ツクヨミとして、スサノオが道を誤らぬようにな!ほら!クシナダとかいう新入りの幼い子に手を出してたらまずいじゃろ!決して好奇心ではないのじゃ!」


小声でぶつぶつ何かを言いながら、そのままオグナの部屋へと向かう。


ちなみに、クシナダは童顔で幼く見られがちだが、ツクヨミより年上である。服装のせいで気付かないが、胸もクシナダの方が大きい。


そ~っと(ふすま)をちょっとだけ開け、中を覗く。

そこにいたのは、


「……っ!?……アマ……テラス…………」


よく見知った顔だった。



「……先程、ツクヨミが来ましたね」


「おまえも気付いてたのか」


「ええ。……あの子に悪いことをしました……」


「あ?」


「あの子、あなたに好意をもっているみたいですから」


「そうか……なら明日はツクヨミを呼んでいててててっ!無言でつねるなっ!」




「はぁ……」


「どうしたんですかアシナさん?ため息なんて」


芋を洗いながらクシナダが聞いた。


「あのあとオグナ様が呼んでくれなくてさぁ」


「あー、そういう話ですか……」


「ねぇ、初めてだったからよくわかんなかったんだけど、あたし何かマズッたかなぁ?」


「知りませんよっ!」


「あ、そうか。見てたわけじゃないしね。あのね、最初オグナ様がーー」


「説明し始めないでくださいっ!」


アシナが口をとがらせ、不満げに話をやめる。


「あ、でもさぁ、最近誰も呼ばれてないらしいよ」


「……そんなときもありますよ」


クシナダはこういう類いの話が苦手らしい。先程から顔が赤いままだ。


「いやいや、どうやらアマテラスさんが毎日のようにオグナ様のとこに行ってるらしいんだよね。噂だけど」


「そうなんですか」


それ以上返す言葉を、クシナダは知らない。


「何かくやしくない?あたし達のオグナ様がとられたみたいでさぁ」


「私にそんな感情はないですよ」


「まぁまぁ、そのうちわかるって」


にやにやしながら自分の仕事に戻るアシナ。


いつか私も呼ばれるのかな……


そんなことを考え、真っ赤になるクシナダであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ