第六話 -5
「ぐっ……!ううううっ!」
突然、オロチが呻き声をあげながら片膝をついた。
「な、なんじゃ?……もしかして、さっきの言霊がそんなに効いたのか?」
「え……吹き飛ばしただけだよ?あいつ、着地してたし」
警戒する巧達。
オロチのそばに、ハクシラが駆け寄る。
「オロチ様、今日のところは撤退しましょう」
ハクシラが手を差し出すが、オロチはそれをはじいた。
「ククッ……楽しくなってきたところだろうが……」
「これ以上は危険です。力に呑み込まれて――」
「だまれ――っ……ぐっ……ああっ!」
「巧……今なら……」
かなめが巧に大剣を手渡した。
「えっ、僕が!?」
「ボク達じゃ倒せない……でも、巧の言霊なら……」
「………」
「巧……!」
巧は、意を決したように大剣を強く握り、
「僕は……僕は、オロチを倒すっ!!」
地を駆けた。
「させないっ!!」
テマリアが飛び出す。
が、
「でしゃばらないでくれる?」
「っ!!」
それを朱伽が遮った。
「ちっ!」
ナミクーチカも飛び出す。
しかし、六角形の壁が行く手を阻んだ。
「これは……!?」
玄武の盾。陽芽だ。
「ならあたしがっ!」
駆け出したパルティネを止めたのは、静春。
「くっ、どきなさいよ!」
「ダメだ。目を覚ませ、ティネ!」
「まだそんなことを……!」
ハクシラが二本の刀、『機刀一閃』と『機刃紅桜』を抜く。
「おっと姉ちゃん!あんたの相手は俺だ!」
白宗が突進し、斧を薙ぐ。
「ぐっ!!」
ハクシラは二本の刀で受け止めるも、数メートル飛ばされた。
「どんどんいくぜぇ!」
白宗の連撃。ハクシラはすべて防いでいるものの、どんどん後ずさりしていく。
「……これで、邪魔者はいなくなったな」
白宗がつぶやく。
一拍おいて、ハクシラがあることに気付いた。
それは、自分とオロチの距離。いつの間にか、十メートル以上は離れている。
オロチはまだ動けず、大剣を持った巧はすぐ近くまで接近していた。
「くっ、オロチ様っ!!」
巧がオロチに向かって真っ直ぐに走る。
「これで……とどめだあああぁぁぁっ!!」
巧は大剣の切っ先をオロチに向けて構え、
「ぐぅぅっ……くそがっ……!!」
突きを放った。




