20 人皇宮
翌朝、大倭帝国の首都の一角にある人皇宮――
朝の光は、まだ宮殿の高い屋根の向こうから斜めに差し込んでいた。
人皇宮は、皇身位者の一人である人皇が執務と生活を営む宮殿である。人皇は民政を所轄する皇身位者であり、地方から届く上申、役所からの奏請、民の暮らしに関わる制度の裁可まで、その仕事は多岐にわたる。
そのため宮殿の回廊には、朝早くから官人や舎人、使者の姿が絶えなかった。
深紫、深緑、深緋、浅緋――それぞれの位階に応じた朝服が、白い石畳の上を行き交う。
もっとも、その整然とした光景の中に、どう見ても場違いな一角があった。
朱雀の紅蓮鷹女は人皇宮の回廊の一部を改装して自分の絵描き部屋にしていた。
もともとは庭園へ続く長い回廊だった場所である。屋根の下には風よけの簾が下げられ、柱と柱の間には大きな画布が何枚も立て掛けられていた。足元には墨、顔料、筆、砥石、木桶、布切れが無造作に並べられ、壁際には描きかけの絵が並んでいる。
庭園の池には、朝日を受けた蓮の葉が揺れていた。遠くでは水鳥が鳴き、植え込みの奥では小さな獣が葉を踏む音がする。
人形になって絵を描いているが、画材の中には朱雀の形の時に自ら採取した自分の血液を使った色材もある。
朱雀の血を混ぜた色材は、普通の朱色とは違った。
赤いはずなのに、見る角度によっては金色に近く見える。陽の光を受ければ火の粉のように細かく輝き、陰に入れば深い紅へ沈む。不思議な色だった。
鷹女は長い筆を持ち、画布の上を迷いなく走らせていた。
描かれているのは、雲を裂いて飛ぶ巨大な朱雀だった。翼から散る火の粉が朝焼けへ溶け込み、その下には、まだ名も知らぬ山々と河が広がっている。
回廊は往来する人も多く、始めてみる人はギョッとするが、朱雀特有の美意識としてなんとなく納得しツッコまないようにしているようだ。
人皇宮に勤める者たちは、最初のうちはあの回廊を通るたびに視線を逸らしていた。
しかし、朱雀にとって血は単なる穢れではなく、生きた炎の名残でもあるらしい、と誰かが説明してからは、そういうものだと受け入れる者が増えた。
もっとも、受け入れたからといって、近づきたいと思う者が増えたわけではない。
鷹女は上機嫌で絵を描いていく。人間の画家ならば個室ではなく回廊をアトリエにするのは避けるだろうが、個室を嫌うのは朱雀の性かそれとも鷹女の趣味か。
鷹女自身は、閉ざされた部屋に一人でいると羽が鈍る、と言っていた。
朱雀は空を飛ぶ生き物である。風の流れ、人の気配、遠くの声、庭の匂い。そうしたものに囲まれていなければ、良い絵が描けないのだという。
それが本当なのか、単に鷹女が騒がしい場所を好むだけなのか、人皇宮の者たちは誰も確認したことがない。
この世界の回廊は宮殿から伸びているのだが、敷地の塀も全て回廊となっている。元の世界では歩廊とも言われたものである。
人皇宮の外周を囲む回廊は、単なる通路ではない。
雨の日でも役人や使者が濡れずに行き来でき、警備の者はそのまま塀の上を巡回できる。柱の間からは庭園も外の道も見渡せるため、宮殿の防備としても役立っていた。
鷹女のアトリエは比較的正門の近くにあった。そのため絵を描いている姿が客人に見られることもあるのだが、それで気が散ることはないらしい。
むしろ鷹女は、正門から入ってくる者の服装や歩き方、顔つきを眺めるのを楽しんでいた。
役人は急いでいる者ほど歩幅が狭くなる。地方の使者は都の石畳に慣れていない。大商人は表情を取り繕っても、護衛の視線だけは忙しない。
絵を描きながら人を観察することは、鷹女にとって退屈しのぎでもあった。
そのような中、正門の門番をしている舎人の森田春吉が走ってやって来た。
森田はまだ若い舎人だった。普段は礼儀正しく、声も必要以上に大きくしない男である。
その森田が、朝服の裾を乱し、息を切らせながら回廊を走ってくる。
「鷹女様、申し訳ございません!妃殿下が通せとまた騒いでおります!」
「またぁ?」
鷹女は呆れたような声を出した。
持っていた筆先が、画布の端で止まる。
朱雀の翼の先に描かれるはずだった火の粉が一つ、少しだけ歪んだ。
この世界では法皇の妻は皇后だが、妾として妃、夫人、嬪、女御、更衣がいる。
妃は親王しかなれない地位であり、具体的には法皇の異母妹がつく。そのため正妻では無いとはいえ、その地位は高い。
なお、朱雀は一夫一婦制の生物であり一度つがいになると離れることはないため、一夫一妻多妾制と言って「妾は妻と違うから浮気にならない」という仙人や人間の風習は理解しがたいものがある。
鷹女にとっては、法皇が皇后以外にも何人もの伴侶を持つことも、それぞれに位階があり、しかも親王でなければ妃になれないという制度も、どうにも腑に落ちないものだった。
つがいとは、共に飛び、共に巣を守り、どちらかが死ぬまで離れないものだ。
朱雀の感覚からすれば、そこに妾だの夫人だのという段階が入り込む余地はない。
「またあの女の相手をしないといけないわけね。」
鷹女は筆を洗い桶へ放り込むと、白い衣の袖を適当に払った。
もちろん、払った程度で落ちる色材ではない。
赤、青、金、黒。衣のあちこちには、朝から描いていた絵の色がそのまま残っている。
「申し訳ございません!とは言え、それでも人皇陛下の妹君ですから。」
「わかったわ。門番には私から話しておく。あなたは務めに戻りなさい。」
「ありがとうございます!失礼します。」
森田は深く頭を下げ、ほっとしたように踵を返した。
今の法皇の妃である沙耶親王は法皇の異母妹であると同時に人皇の同母妹でもある。
兄妹の仲の良さ、いや、沙耶による一方的な懐き具合は宮中関係者で知らないものはいない。
人皇は沙耶を露骨に嫌っているわけではない。
むしろ、同母妹として大切に思っているのだろう。ただし、人皇は民政を担う皇身位者である。朝から晩まで政務に追われる身であり、妹の気分次第の訪問に毎回付き合えるほど暇ではない。
そのため、人皇宮の門番たちはいつも困る。
人皇に会いたいと言う妹を止めれば不敬になりかねず、だからといって通せば通したで、人皇の政務を妨げたとして叱られる。
その板挟みを少しでも減らすため、鷹女は人皇宮の出入りを管理する役目も担っていた。
「あんな女が崇められているのを見ると、仙人の世界って変よね。」
鷹女は自分の衣を見下ろした。
人間や仙人の宮廷では、家柄、血統、位階、儀礼が重要らしい。
だが朱雀にとって、強さと誠実さと、空を飛ぶ時に翼を並べられるかどうかの方が、よほど重要だった。
背中から聞こえた不穏な言葉に舎人の森田がギョッとした顔になるが、すぐに表情を立て直して正門まで連れていく。
正門の前には、すでに小さな騒ぎができていた。
門の内側には槍を持つ舎人が二人立ち、門の外には沙耶と、その付き人たちがいる。朝の人通りは多くないはずなのに、周囲の者たちは遠巻きに様子を窺っていた。
「だからお兄様に会いたいと言っているの!私を誰だと思っているのよ!」
沙耶が門番をしているもう一人の舎人に詰め寄っている。
薄桃色の礼服は豪奢で、裾には細かな金糸の刺繍が施されている。髪には真珠と翡翠の飾りがいくつも差され、歩くたびにかすかな音を立てていた。
その姿だけ見れば、華やかで気品のある親王に見える。
しかし、今は頬を膨らませ、門番へ指を突きつけているので、少なくとも気品はどこかへ飛んでいた。
沙耶の斜め後ろには初老の深緋の朝服を来た男が苦笑しながら立っている。
彼が沙耶の家令、六条隆秀だった。
隆秀は沙耶が幼い頃から仕えてきたらしく、主君のこうした振る舞いにも慣れている。止めるべき時には止めるが、今は口を挟めば余計にこじれると判断しているようだった。
「あら、沙耶様。人皇陛下にお目見えするには事前の許可がいること、ご存知なくて?」
鷹女が沙耶に声をかける。
鷹女は両手を衣の袖へ入れ、門の陰からゆっくり姿を見せた。
白い衣に飛び散った色材が、朝日を受けて妙に鮮やかに見える。赤い筋は血のようにも見え、金の粉は炎の名残のようにも見えた。
「またあんたね!いつもいつもお兄様と私が会うのを邪魔してばかり!」
「規則の話をしているわけですわ?」
鷹女は眉一つ動かさない。
ただし、その口調には明らかに面倒だという気配が混じっていた。
「その格好の女に規則とか言われたくない!」
それは一理ある。
ついさきほどまで絵を描いていた鷹女は、白い衣に色材がつきまくった恰好をしている。
なお、この世界では白衣は喪服と同じ色である。もちろん鷹女は喪服を来ているわけではないが。
正門に立つ舎人たちは、誰もその話題へ触れないよう、視線をわずかに逸らした。
「それでご用件はちゃんとあるの?」
鷹女はスルーした。
沙耶は一瞬だけ言葉に詰まった。
「お兄様に会いたいの!」
「それでは要件とは言えません。」
鷹女は即答した。
沙耶の後ろにいた女房の一人が小さく息を呑む。妃に対して、ここまで正面から言い返す者は宮中でも多くない。
しかし鷹女は朱雀であり、人皇に直接聖別を授けた側近でもある。少なくとも、人皇宮の門前で彼女へ命令できる者はほとんどいなかった。
すると傍に控えていた初老の男――沙耶の家令の六条隆秀が助け舟を出した。
「実は沙耶様は彩比売様を猶子にするご意向でございましてな。」
隆秀は柔らかな声で言った。
主君の言葉をそのまま通せば、単なる兄への面会要求になってしまう。そのため、彼はあらかじめ用意していた本題を示したのである。
猶子とは正式な養子縁組ではないが我が子のように扱うということである。宮中では後ろ盾になるというニュアンスがある。
「あら?皇后陛下の御娘様が妃の猶子になる必要が?」
嫌味ではなく純粋な疑問を鷹女は口にする。
妾制度すら理解できない朱雀にとって、なんで正妻の娘がわざわざ妾を後ろ盾にしないといけないのか、全く意味不明だからだ。
「皇后は臣民の血筋、対して私は皇族じゃない!それに人皇であるお兄様の妹よ!」
沙耶は胸を張って言った。
その口調には、自分こそが皇太子の支えになるべきだという確信があった。
「それって皇后陛下への不敬罪にならないの?」
素で鷹女が言う。
「あんたこそ私への不敬罪よ!」
「律には妃への不敬罪の規定って、ありましたっけ?」
「うるさい!」
「大声を出しても、許可は下りませんわよ?」
「私は妃よ!」
「だから何?」
「だから、お兄様にはいつでも会えるの!」
二人の応酬を見て六条が口を出す。
「まぁまぁ、鷹女様、取り敢えずこのご用件は重大な案件故、どうか人皇陛下にお目見えの許可を。」
六条は深く頭を下げた。
鷹女は六条の顔を見た。
彼は決して沙耶の言い分すべてに賛成しているわけではないだろう。しかし、家令として主君を支えなければならない立場なのだ。
その苦労は、鷹女にも少しだけ分かる。
主君と見なした相手を支えることと、その相手の我がままへ無条件に従うことは、似ているようで違う。
鷹女は一呼吸してから言った。
「中に入ることは認めるけど、会えるかどうかは人皇陛下次第よ?」
「お兄様が私と会うことを拒絶するはずがないわ!」
沙耶は勝ち誇ったように言った。
鷹女は返事をしなかった。
そのまま踵を返し、早足で人皇の執務室へ向かう。
回廊を進む間、足元の石畳には木漏れ日が揺れていた。庭園の向こうでは、朝の露をまとった草花が風に揺れ、遠くから官人たちの声が聞こえる。
鷹女は途中で一度だけ、自分の衣を見下ろした。
色材だらけだった。
さすがにこのまま執務室へ入るのはどうかとも思ったが、着替えに戻れば沙耶がさらに騒ぐだろう。
鷹女は諦めた。
取り敢えず鷹女は人皇にことの次第を報告した。
「通せ。」
人皇は短く言った後、続けた。
人皇の執務室は広かった。
壁際には木簡と巻物を収めた棚が並び、中央の机には地方から届いた報告書が積み上がっている。窓の外には人皇宮の庭園が広がり、池の水面には朝の光が反射していた。
人皇は深紫の朝服をまとい、机の前に座っていた。
まだ若いと言われる年齢ではあったが、目元には連日の政務による疲れが見える。それでも背筋は伸び、書簡を持つ指先に迷いはなかった。
「ところで鷹女殿、朱雀と言うのは服装をそこまで気にしないものなのか?」
鷹女から聖別を受けてその奇行に慣れていたつもりの人皇も、絵の具だらけの服装のまま報告を受けるのは初めてだったらしい。
人皇は一度、鷹女の袖に飛び散った赤い色材を見た。
それが朱雀の血を使った絵の具であることは知っている。知っているからこそ、表情を変えないよう努力しているようにも見えた。
「着替えの暇のない剣幕でしたので。」
「ああ、なるほど・・・。妹が迷惑をかけた。」
人皇は苦笑する。
その苦笑には、兄としての諦めと、皇身位者としての疲労が半分ずつ混じっていた。
「ところで鷹女、魔王側に新しい動きがあることは知っているか?」
「は?新しい動き?」
鷹女の表情が変わった。
さきほどまでの沙耶への苛立ちは、一瞬で消えた。
「どうも総漢国の辺りを瘴気で狙うのではないか、という予測があってな。こちらは事前に尚英に警戒するように書簡を送ったのだが、返事がない。総漢国というとお前の故郷だったな。」
人皇は机の端に置かれた書簡を軽く叩いた。
封はすでに切られている。総漢国へ送ったものの控えらしい。
瘴気とは、魔王側が用いることのある、土地や生き物の霊力を乱す有害な気である。人間や仙人だけでなく、獣や植物にも影響を与える。広がれば疫病、凶作、異常な魔獣の発生など、様々な災厄を招くとされていた。
「まぁ、朱雀には特定の場所が故郷と言う概念はあまりありませんけど、妹は今でも総漢国に住んでいますね。」
鷹女は少しだけ視線を落とした。
朱雀は空を飛ぶ。
山を越え、河を越え、時には帝国の境さえ越えて生きる。人間や仙人のように、生まれた土地だけを故郷と呼ぶ感覚は薄い。
それでも、妹の鳩女が総漢国の山や町で暮らしていることは知っていた。
「うむ。ま、一応情報だけは与えておこうと思ってな。」
「恐れ入ります。」
鷹女は深く頭を下げた。
人皇はそれ以上、瘴気の話を続けなかった。
まだ確かな情報ではないのだろう。下手に宮中へ広めれば、総漢国の政争と結びついて余計な混乱を招きかねない。
鷹女もそれを理解した。
鷹女は退室して沙耶を呼びに行った。
執務室の前まで戻ると、沙耶は廊下の端に置かれた花瓶を眺めながら待っていた。
待たされて不満そうではあったが、人皇に会えると聞くと、たちまち機嫌を直した。
「お兄様~!ごきげんよう!」
元気よく沙耶が人皇の執務室に入って来る。
その声に、人皇は一度だけ眉をひそめた。
机の上の書簡が、沙耶の勢いで生じた風にわずかに揺れる。
「鷹女から話は聞いた。皇太子を猶子にしたいだと?」
「そうよ!お兄様のためにもなるでしょ?」
「ならん。」
「え?」
沙耶の笑顔が止まった。
人皇は机の上に置いていた筆をゆっくり置く。
「彩比売を猶子にすれば、周囲は余の意向で皇太子を囲い込む策だと見る。」
「そんなこと!私はただ彩比売様をお支えしたいだけよ!」
「要するに皇太子が余の傀儡と思われてはならんのだ。」
人皇の声は静かだった。
だが、普段から妹を甘やかしている兄の声ではなく、帝国の民政を担う皇身位者としての声だった。
彩比売は次期法皇である。
その皇太子が、人皇の妹である妃の猶子となれば、宮中の者たちは必ず人皇の影響力を疑う。彩比売が即位する前から、人皇の意向に従う者として見られるようになれば、女系法皇をめぐる対立はさらに深まるだろう。
「私は彩比売様をお兄様の言いなりにするつもりなんてないわ。お兄様が法皇になれと命じても、私はそんなことしない!」
「ならば、皇太子の意思を第一にすると約束できるか?」
「もちろんよ!」
「まぁ、それならば良いが、猶子になるかは皇太子が決めることだ。」
「わかってますわ、必ず皇太子から信頼されて見せます。」
沙耶は胸の前で手を握った。
その顔には、先ほど門前で駄々をこねていた時とは違う真剣さがあった。
彩比売を自分の側へ置きたいという気持ちの中には、皇族としての優越感もあるのだろう。しかし同時に、女系法皇として即位しようとしている若い皇太子を守りたいという思いも、まったくの嘘ではないらしい。
「あと、皇后からもな。皇后と敵対しないように。」
「お兄様までそういうことを!」
沙耶は不満そうに唇を尖らせた。
皇后は臣民の出身であり、沙耶はそのことを快く思っていない。自分が皇族であり、人皇の妹であることを強く意識するほど、皇后への距離は遠くなっていく。
「皇后陛下を侮るな。彩比売の母であり、余の義姉でもある。」
「お兄様がそう言われるのなら。」
沙耶は少しだけ視線を逸らした。
納得したわけではない。
しかし、人皇がそこまで言うなら、少なくとも表立って皇后へ敵意を向けることはしないつもりらしい。
そう言った後も沙耶は中々退室しようとはしない。
人皇は再び書簡へ目を落としたが、しばらくしても沙耶の気配が動かないことに気づいた。
「どうしたのだ?」
「お兄様ともう少し一緒にいたくて。ダメですか?」
沙耶は先ほどまでの強気な態度を少しだけ引っ込め、小さな声で言った。
人皇は一瞬、何かを言いかけた。
しかし、結局は小さく息を吐く。
「好きにせよ。ただ、仕事の邪魔はするな。」
沙耶の顔がぱっと明るくなる。
「はい!」
人皇はもう返事をしなかった。
書簡を手に取り、再び政務へ戻る。
沙耶はその近くの席へ静かに座り、兄の仕事ぶりを眺め始めた。
窓の外では、朝の光がさらに強くなっている。
人皇宮の庭園では水面がきらめき、回廊の向こうでは、白い衣を色材で汚した朱雀が、再び絵筆を取っていた。




