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笑いと不条理の瀬戸際にある革命『笑いと狂気の革命』  作者: 毒 りんご
第八章:『火のないところに煙は立たない』
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『扉の向こうの影』

(桐人の視点)


式の後、私は空っぽの講堂に残った。太陽が窓から差し込み、床に長い光の帯を残していた——規則正しく、平行に、まるで誰かが定規で引いたかのように。秩序。この一日を枠組みの中に保っていた唯一のもの。


式とスピーカーの失敗の後、私は敗北について考えることを自分に禁じた。自分を再び組み立てた——バラバラになったパズルを組み立てるように、一片一片、それぞれの接合部を確かめながら。秩序。この一日を枠組みの中に保っていた唯一のもの。


私はリストを照合していた。欠席者のリスト、遅刻者のリスト、式が終わる前に列を離脱した者のリスト。最後のものが最も短かった:竹内須咲。たった一つの名前。たった一人の人間。公式行事を、茂みへの落下と哲学的な独白を伴うサーカスに変えてしまうことに成功した人間。


佐藤校長はまた全てを私に押し付けた。「新入生がうろつかないように見張れ」——彼は朝、私の方に目も向けずに言い放った。そして私は彼の声に、かつて聞いたことのないものを聞いた:疲れ。忙しい人間の苛立ちではなく、長く耐え忍んできた者にしか現れない、深く、粘り気のある疲れ。彼は特に一つの名前を強調した。竹内。須咲。失踪した者の弟。


田中圭の弟。


私は田中について考えることを自分に禁じた。うまくいった——ほとんど。記憶を遠い引き出しにしまい込んだ、捨てるには惜しい古い手紙のように。しかし式の間、須咲が私を見ていた時、その引き出しはひとりでに少し開いた。彼の視線はまっすぐで、恐怖も追従もなかった——まさに田中が連れて行かれる前に見せた視線と同じだった。同じ挑戦。同じ無言の問い:「お前はどうするんだ?」


あの時、私は何もしなかった。


今、彼の弟が玄関ホールの古いトロフィーのショーケースの前に立っていた。通りかかった時に気づき、立ち止まった。彼は動かなかった。ただ埃をかぶったガラスに額を押し付け、まるで時間の層の向こう側の何かを覗き込もうとしているかのように立っていた。その姿勢には何か奇妙なものがあった——無為な好奇心ではなく、退屈でもない。集中。何かを探していて、ほとんど見つけようとしている者の集中。


「教室にいるべきだ」と私は言った。声は平坦に響いた——長年の習慣で一音一音をコントロールしているおかげだ。


彼は振り返った。手には写真。田中。私の元クラスメートが校門のところに立ち、微笑んでいた——私があまりにもよく覚えている、忘れようと努めてきたあの笑顔で。裏には日付:2022年4月10日。失踪の前日。誰かが手書きで書いていた、青いペンで、私には見覚えのない几帳面な生徒の字で。


「先生は彼をご存じだったんですね」と須咲が言った。それは疑問文ではなかった。「なぜ皆、彼が蒸発したふりをするんですか?」


私は息を飲んだ。喉が渇いた——言葉が出口を見つけられずに詰まるときのような感覚。校長は全ての言及を消去するよう命じた。出席簿から。リストから。学校の記憶から。田中竹内の名前は消し去られた——体系的に、几帳面に、黒板から間違って解かれた方程式を消すように。私自身が消しゴムを握った。どこにも痕跡が残らないよう、自ら確認した。


「それを渡せ」と私は写真に手を伸ばしたが、彼は手を引っ込めた。


「先生は怖いんですか?」と彼は嘲笑した。「それとも、何もしなかったことが恥ずかしいんですか?」


彼の言葉は、どんな拳よりも正確に突き刺さった。恥ずかしい。そうだ。私は立ち尽くし、田中が特別教室に連れて行かれるのを見ていた。私は黙っていた、彼の名前がリストから消された時。私は何もなかったふりをした——それが秩序の要求だから。私が守ると誓った秩序。そして今、彼の弟が私の前に立ち、私自身が聞くのを恐れている質問を投げかけていた。


背後で何かが轟音を立てて倒れた——まるで現実そのものが会話に割り込もうとしたかのように。振り返ると、中学部の日直が花鉢のトレーを落としていた。土が床一面に黒いかけらとなって散らばった。「おい、大丈夫か?」と私は叫び、私の声は空っぽの玄関ホールで異様に、大きすぎる響きだった。日直は震える手で破片を拾いながら謝罪を繰り返した。私が再び向き直った時、須咲はもういなかった。田中の写真も消えていた。そしてステージ上の教師用机には、つい先ほどまでスピーカーがあった場所に、ぽっかりと虚無が口を開けていた。


「スピーカー」と私はささやいた。


あの、校長がお触れを流すのに使っていた例のスピーカー。廊下の突き当たりでそれが一瞬だけ見えた——須咲の手に抱えられた黒い四角形が、左翼棟の薄暗がりに消えていくのが。


「待て!」


私は走り出した。廊下が次々と過ぎ去っていく——開け放たれた窓、風に揺れるカーテン、教室からの誰かの声。見覚えのある角。青い手すりの階段。私たちはかつてここを一緒に走ったことがある——中学の時、競技会で。あの時、彼は私を追い抜き、私は自分の靴紐に足を取られて転んだ。田中はゴールに立って笑っていた——屈託なく、悪意もなく。「大丈夫だよ、桐人、次は追いつけるさ」。次の機会は訪れなかった。


「須咲、もうやめろ!」と私は叫んだが、彼はもう体育館へと曲がっていた。


彼の手の中のスピーカーが唸り、奇妙で断続的な雑音を発していた——誰かの声がかき消されるラジオノイズ。田中か?私はトレーニング器具のある場所で彼に追いつきそうになった、その時…


鏡。体育館の隅にある巨大な鏡——古く、重厚な木枠に収められ、私たちの学生時代からここにある。私たちは二人、その鏡に映っていた——ネクタイの歪んだ私と、狂ったような目をした私。そして彼は、落ち着いていて、ほとんど距離を置いたように、まるですべてが彼の計画通りに進んでいるかのようだった。須咲は急に立ち止まり、私は彼の肩にぶつかった。鏡が揺れた。一瞬、私たちの姿が震えた——無言の場面に凍りついた二人の十代の少年が——そして鏡は倒れた。


ゆっくりと、耐え難いほどゆっくりと、留めようとした水面の反射が沈むように。破片が床に飛び散った——何百もの小さな鏡、その一つ一つに私の顔が映っている。砕けた。増殖した。不可避なものとなって。


私は固まった。須咲も固まった。そして私は彼の唇を見た——それらは動いていたが、音は聞こえなかった。私は彼の襟首を掴んだ。


「何だ?何て言った?!」


「彼は『ごめん』と言ったんです」と須咲がささやいた。


私は指を離した。彼は逃れ、破片を飛び越えて廊下へ走り出た。スピーカーも彼と共に再び消えた。私は鏡のかけらの中に一人残された。床に座り込み、冷たい壁に背中を預けた。かけらが足の下でパキパキと音を立てた。それらは窓からの光を反射していた——薄暗く、灰色で、陰鬱な光を。私は百ものバージョンに砕けた自分の顔を見つめ、そのどれも見覚えがなかった。この男は誰なのか?命令を実行する者?名前を消し去る者?沈黙した者?


佐藤校長は体育館のそばで私を見つけた。私はまだ床に座っていた。かけらはまだ散らばったままで——誰も片付けに来なかった。


「またお前か」と彼は驚きもせず言った。「これは何だ?」


「鏡が割れました」と私は言った。


「見ればわかる」——彼は沈黙し、かけらを見つめた。「五年間持った。田中がここで練習していた頃からだ。さあ、ついて来い」


私たちは無言で廊下を歩いた。私は半歩後ろに下がって——いつものように。彼は歩きながらタバコを吸い、煙は後を追うように立ち込めた。私はその煙を見つめながら考えた:何年もの間、彼はどれだけのものをその煙と共に連れ去ってきたのか。どれだけの名前を。どれだけの運命を。


佐藤の部屋は埃と古いタバコと、何か別のものの匂いがした——もしかすると時間の匂いか。壁には、私が知ることを許されていない印の入った地図が掛かっていた。私は固い椅子に座り、彼がタバコに火をつけるのを見ていた。彼の指は震えていた——老いのせいではなく、別の何かのせいで。三十年間溜め込んできた疲れのせいで。


「なぜ私が特別クラスを作ったか分かるか?」と彼は私の方を見ずに尋ねた。


「規律を維持するためです」と私は決まり文句で答えた。


「規律?」と彼は嘲笑した。「違う。規律は口実だ。特別クラスが必要なのは、他者を怖がらせるためだ。そこが知らしめるためだ——消える場所があるということを。永遠に。音もなく。記録もなく。たった一つ間違った一歩で十分だと」


彼は煙を吸い込み、天井に吐き出した。


「三十年間、私は数十人の生徒をそこに送った。しかし彼らは全員…なんと言うか…最初から問題児だった。非行少年、不登校児、枠に収まらない者たち。しかし田中は…」——彼は間を置いた——「田中は二十年ぶりに、卒業直前に送らざるを得なかった生徒だ。優等生。活動家。将来有望。そして彼の罪が何だったか分かるか?」


私は沈黙していた。


「彼は問い始めた。私にではなく——他の生徒たちに。特別クラスのことを。そこに入った者たちのことを。その後、彼らがどこへ消えたのかを。 ——分かるか?彼は掘り始めた。そして掘り当てていただろう。もし…」


彼は言い終えなかった。しかし私にはそれ以上必要なかった。


「皮肉なことに」と彼は続けた。「彼の弟が今ここにいる。そして二年前の田中と同じ質問をしている。同じように見つめている。同じように話す。まるで彼は弟ではなく、コピーかのように。気づいたか?」


気づいていた。それが何よりも私を怖がらせていた。


「明日、私は去る」と佐藤が言った。「新校長が鍵を受け取る。そしてファイルも。全てのファイルを——お前のと竹内のものも含めて。だが私はまだここにいる。そして私が決める、誰の名前がアーカイブに残り、誰の名前が特別クラスのリストを補足するかを。彼が式を台無しにし、掘り続けるなら——お前たち二人はそこに行くことになる」


「しかし私は何も…」


「まさにその通りだ」と彼は遮った。「お前は何もしなかった。何も止めなかった。何も監視しなかった。それだけで十分だ」


彼はタバコを消した——鋭く、灰皿に押し込め、まるで判決に終止符を打つかのように。


「彼を見張れ。さもなくば自ら進んで彼の代わりにその場所へ行け。どうする、桐人?」


静寂。私は自分の心臓の音を聞いていた——ドクドクと、不規則に。壁の時計の音を——この部屋の全てのものと同じくらい古い時計の。廊下のどこかで、最後の退勤する教師の足音が消えていくのを。


「見張ります」と私は絞り出した。


「賢い子だ」と佐藤は引き出しから鍵を取り出した——重く、古く、「3-B」と刻印された鍵。「忘れるな:特別クラスは疑念を許さない。そして問いを発する者も許さない」


私が出て行こうとした時、ドアの隙間に影がちらついた。女子生徒の青いネクタイ——ちらりと現れては消えた、予感のように。誰かがそこに、入り口のすぐそばに立ち、聞いていた。その顔を見る間もなかった。廊下に出た時には、もう誰もいなかった。ただの静寂だけが——綿のように濃く。そしてどこか遠くで、ドアがバタンと閉まる音。


私は視線を落とし、それを見つけた。敷居のすぐそばの床に、鉛筆が落ちていた——黒い、ただの鉛筆。削っていないシンプルな鉛筆。その軸に数字が削り出されていた:2022年4月10日。同じ日付。田中竹内の写真の裏に書かれていたあの日付だ。誰かが知っていた。誰かがドアの向こうに立ち、聞いていた——そしてこれを故意に置き去りにした。


私は空っぽの廊下に立ち、指で鉛筆を握りしめた。木は温かかった。窓の外では夕闇が濃くなっていた。学校は沈黙していた。明日、新しい校長が特別クラスの鍵を受け取る——そして全てが変わる。しかし何かが私に告げていた:変わったのはもう今日なのだと。そして私のポケットの中の鉛筆は、どんな時計よりも速く時間を刻んでいた。


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