一年後だぜっ
アメリゴ宇宙軍所属、空母、”エンタープライズ”だ。
「でかいっ」
「かたいっ」
「ふとましいっ」
「ですヮッ」
ここは宇宙戦闘機のコンペ会場。
金髪縦巻き、”ドゥー・リー・ル”の女性が大きな声を出した。
「重宇宙戦闘機、”益荒男”が、撫子を経て正常進化っ、ですノッ」
少しためる。
「重バトルマッシ――ンッ、須佐之男っよっ」
金髪の女性が大きなお腹に手をあてながら言った。
痩せぎすの男性に付きそわれ近くの椅子に座っている。
その後ろには、益荒男をさらに大きく四角くしたフォルム。
両肩から二本の、大きく、太く、黒く、長いナニが突き出ている。
動力チューブが浮き出た血管のようだ。
「今度は、”ツインタワー”ッ、ですヮアアアア」
金髪縦巻き、”ドゥー・リー・ル”の女性がやけくそ気味に叫んだ。
そこに、黒髪黒い目の青年が歩いて来た。
「ふふっ、少し前まで撫子の専属パイロットをしていたんですが……」
「操縦者の仕事はありませんか?」
「サ、サカイ、様っ」
「あらっ、サカイ君、東和は落ち着いたの?」
「歓迎するよ」
金髪縦巻き、”ドゥー・リー・ル”の女性と身重の女性、痩せぎすの男性が口々に言った。
「うん、もう大丈夫だろう」
一年間、シャルロッテの護衛兼撫子の専属パイロットをしていたのである。
後任は、東和に領地を移した、”リヒテ、フォーフェン”女男爵と、近衛隊に三人の令息だ。
「お帰りなさい……ですヮ」
少し瞳に涙をためたレイカが言う。
「だだいま」
サカイが答えた。
これからも、大きくて四角い戦闘機を作り続けていくことだろう。
了




