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第二話 旅立ち

「メリア! 誕生日おめでとう!」

「ありがとう母さん、レイラ、みんな!」


よく晴れた夏の日。村の広場はとても賑わっていた。

村では子どもが生まれてからいちばん盛大に十五歳の誕生日を祝う。十五歳は成人の大事な節目だから。そして今日こそが私にとってのその日だった。


「おめでとうメリア! ねえ、メリアはどんな職業に就くの?」


後ろから飛びついてきたのは一足先に成人を迎えて村の針子になった親友のチルダだ。

手には花の刺繍が施されたマントを持っている。そしてそれをそっと私へ差し出した。どうやら成人のプレゼントらしい。


「わ、チルダ、素敵な花束ありがとう! ええと、職業はね、ちょっと恥ずかしいんだけど」

「何よ? 私とあんたの仲なんだから宣教師だろうと税務官だろうと笑ったりしないわ」

「えっとね、冒険者になるの、私」

「ぼ、冒険者!?」


チルダが驚くのも無理はない。なんてったって冒険者は魔物や魔法が渦巻くこの世界において最も危険とも言える職業なのだから。

初めて私が冒険者になりたいと言ったときの母もチルダと似たような反応だったし、何なら間を置かずに優しいまなじりからぽろぽろと涙まで零していた。

そんなに危ない職業に無理につく必要はない、お金に困っていると思うなら母さんが仕送りをするから、と説得は何時間もされた。それでも。


「…あのね、私、広い世界が見たいの。それも、若いうちに」

「メリア…」


そういうことだから私頑張るね。そう言い残して私は一旦チルダの元から去った。


その夜、私は自室で頭を抱えていた。


「…はぁ、本当のことなんか言えるわけないよね」


実際のところ私が求めているものはドラゴンでも大魔法でも、滝が流れ落ちる世界の果てでもない。

いや、滝が流れ落ちる、というのは少々的を射ているのかもしれない。

…つまるところ、おもらしだ。

かわいくて清楚でおもらしの屈辱なんか知らない綺麗な女の子のおもらしが、合法で見たい!!

しかし本当のことを言ったら思春期の女の子が拗らせて将来への間違った道を歩き始めたと思われるに違いない。だからこそここまで真面目な少女を演じてきた。

学校の成績もよかった。先生はわたしの成績を見て聖職者になりたいのかとまで聞いてきたくらいだ。

…まあ、学校で学んだ鑑定スキルは尿意を推測するため、擬似魔眼は長いスカートで隠れた下着を見るために鍛え抜き、水魔法は何にでも使えそうだからとにかく頑張っただけだ。

なぜ趣味のためここまでするのかって、正直私にもわからない。でもなぜか、魂の奥が何かと共鳴しているようにおもらしを求めていることだけはわかる。


さあ、私のおもらしを求める旅を始めよう!


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