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ハズレ召喚者Re:ライフ 〜異世界ほのぼの生活(仮)〜  作者: 四方末いそじ
第2章 ハズレ召喚者、拾われる。

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第8幕 floppy discord。


ー*ー*ー*ー


 ──いやぁ、しかし。

 アヴィに担がれたのは、なかなかに良い体験だったな。


 俺は先日の出来事を思い出し、思わず笑ってしまった。

 体格は悪くないと思っていたんだが、190cmを超えているだろう3人には、完敗だった。

 勿論、身長だけじゃなく、身幅も筋肉もだ。

 それに多分、アヴィは2メートルを超えてる気がする。

 まぁ、確信はないが、目線の高さ的にそんな気がする。


 ──いや、訂正だな。

 俺の場合は、あくまで身長だけの話だな。

 セロだって筋肉質だし、グレイスやマリィに至っては、細身なのに筋肉質だ。

 しかも、養殖ではなく、天然物の。魅せる筋肉ではなく、用の美の筋肉だ。

 それに今の俺は、昨今の不摂生が祟って貧相なものになっているし……


 そして、反省。

 いくら気力と体力が完璧に戻っていないからと言っても、今の俺の腑抜けっぷりは大問題だ。……ちょっとどころではなく、お粗末すぎる。

 まさに、アーリーとの一件が最たるもので、アレではただの『迷惑外国人』ではないか。……担がれた事を、思い出し笑いしている場合じゃなかった。


 いつまでお世話になるかはさておき、このままじゃ非常に不味い。

 基本情報の整理が必要だな。

 そして、最低限のリスペクト。

 これが、異文化交流を図る上では必要不可欠だから。


 ──認識の乏しい国への海外出張。

 それなら、数は多くないが経験がある。


 最初は『海外出張』とは比べられないと思っていたが、この前提ならどうにかなりそうだ。

 それに、このアプローチの応用、活用できれば、その他の想像外の場面でも、身近なものとして置き換え思考が可能だ。

 『未知』よりは『難題』

 そうであれば、心理的ハードルが一気に下がる。

 これは、かなりありがたい。


 だが、その前に。情報収集には骨が折れそうだが。

 スマホもパソコンもないのが痛い。

 ……いや。正確に言えば、ある。

 だが、電源が切れた電子機器なんて……いや、ここも訂正。電源が確保できたって、ネット環境がない。

 まぁ、理由はどうであれ、使えない結論だけは確定したから、この脳内整理は一旦横に置いておく。


 ──そんなくだらない事より、今は目の前に揃った情報の整理が先だ。


 まずは、おさらい。

 ここはミリヤド帝国管轄下にある、小ミリヤド公国。

 そこの王都から南方に位置する、町? 領地? の、ようだ。

 ただ、散策してみた限り、この居住区に居る人間? 以外は見当たらなかった気がする。

 推測するに、廃村に住み着いている感じに思える。


 そして、人種。

 人属種と亜人種がいるらしい。

 獣人、エルフ。今のところは、そのくらいまでの情報。

 ただ、ファンタジーの小説やゲームを参考にすれば、ドワーフ、アンデッド、魔族なんかもいるかもしれないな。


 それから、この『黄昏の方舟商会』

 やってる仕事は、傭兵、警備、役場の下請け、内職作業。


 ──えーっと。やっぱり、俺の知っている『商会』と違うんだが?

 自分の中の概念に無理やり当てはめた結果、1番似た業態が『派遣業』。

 派遣される側ではなく、派遣する側。母体となる会社の方だ。

 ……けれど、そこにも収まりが悪い気がする。

 もっと雑に言ってしまえば、『よろず屋』……ただ、この業種の実態を俺は詳しく知らないから、フィクションの中に出てくる『よろず屋』だ。


 ──まぁ、方舟自体が、地味に謎多き部分でもある。


 あとは、ここに所属する人々。

 総数25名。

 思ったよりも多くて驚いた。

 内、現在遠征で不在の者が2名。所属者は全員男性。

 グレイスが方舟の代表。セロが副代表。

 マリィは内勤の稼ぎ頭のようだ。


 この3人は……

 ──多分、昔馴染みか、初期のパーティメンバー。

 雑で口の悪い会話、それでいて、雰囲気が悪いと言うわけではない空気感。そう言う気の置けないやり取りを見るに、そんな想像をしている。


 彼らと俺は同じ29歳。

 ちなみに、あまり話したことがないが……細面でシュッとした、人の良さそうな『クオン』。そして、アヴィも同じ歳だったな。

 そして、この5人が方舟の最年長組になると言ってたはずだ。


 えーっと、あと、ユルが1つ下の28歳。アーリーは4つ下の25歳。

 アーリーは……まぁ、アレだ。思った以上に年下だった。申し訳ない。

 アーリーとスゥが同じ歳だと気がついた時に、プチパニックになったのは内緒にしておかないと。


 ……言い訳させて貰えば、160cm有るか無いかで童顔なスゥと、巨体で威圧感のあるアーリーだからな。誤認してしまうのも不可抗力……だよな?

 まぁ、自分に言い訳しても進まんな。仕切り直そう。


 で、エヴァとイリーニャが同じ歳で27歳。

 金銭管理を任されているアルバートこと、『アル』。そして、下請け内勤作業の要であるエドワルドこと、『エディ』が同じ歳だと言っていた。


 アルとは、一言二言の雑談と、連絡事項程度の会話はするが、エディとは、ほとんど話した事がない。

 元々大人しい性格か、無口な性格。

 そこに加えて、俺を不信がっている感情もある気がする。

 その証拠にいつも遠巻きに見られていて、近付いては来ないからな。


 エディと行動する事が多い、『ルリ』と『コハク』もそんな感じだ。


 つるんでると言えば。

 アズたちからの情報。メビウスこと『メイビー』と、セドリックこと『セディ』は魔法使い。

 そこに、レナードこと『レニー』も加わって、仲の良い3人組がある。


 ……の、だが。レニーは一体何者だろうか?

 魔法が使えても、魔法使いにならない者もいる。確か、そんな事も言っていたはずだ。

 だから、もしかすると、彼もそんな人物かもしれない。


 3人とも気さくさは持っているが、アズたちが『魔法使いは階級格差がエグい』と言ってたから、聞きにくい部分だしな。

 ここはもう少し、みんなと距離が縮んだ時にでも聞いてみよう。


 リッカの事も同様だ。

 アズと同じ歳だとは話して分かったが、アズほどグイグイくるタイプではないので、彼とは様子を見ながら会話している。

 そして、初見のインパクトが未だに忘れられない。

 とんでもなく、美少女……もとい、美青年。


 アズも中性的な部分があるが、筋肉の付き方や骨格をよく見れば、男性だと言う事を理解できた。背だって、そんなに低くない。

 けど、『ボーイッシュな女性ですよ』と、言われればそれはそれで納得するレベルの美貌は持っている。……こう、某歌劇団のトップを張れるくらいの……


 だが、リッカはそれと対極だ。

 彼も身長こそ低くないが、お人形さんのような中性感。銀糸の長髪も相まって、少し浮世離れした感じ。

 はっきり体の線が出るような服装ではない事を引いても、『女性です』と言われれば、素直に信じたと思う。


 ……まぁ、それもあって、距離を計っている部分も正直ある。

 馴れ馴れしいオッサンと思われると凹むからな。

 だから、新人女性社員への接し方がベスト。……だと言う、自答だ。


 ──ダメだな。まだちょっと思考回路が怪しいようだ。

 整理と言っておきながら、連想ゲームになって、とっ散らかっている。

 まぁ、でも大まかには反芻できた気がする。


 それに残りの人物は、ルリたちの認識と同じく、至極ぼんやりの情報だ。

 話した事がないか、当たり障りのない表面上の会話。

 名前自体も呼称くらいしか知らない。


 真面目さが滲み出る、クールな正統派イケメン。『ラフィ』

 「サボり魔」と呼ばれる事もある、アイドル系イケメン『カッツェ』

 高身長、細身で筋肉質。一筋縄では行かなそうな雰囲気の『マサムネ』

 そして、俺を完全に拒絶している事が丸分かりな『アッシュ』


 以上。

 今のところは、こんな感じか。

 思ったより、情報が少ない。もう少し、真面目に情報収集せねば。

 明日からは、アプローチの仕方も考えてやってみるか。


ー*ー*ー*ー

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