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さようなら  作者: 加羅
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 美しい人口砂の手入れされた砂場に、大輪の花火


 夜風と極上なステーキに上等な赤ワイン


 優里亜が来たくて来たくて堪らない別荘で、優里亜がここで観たいと切望している花火。


 それを誠也の兄である敦也と観ている優越感。なんと甘美な時間なのだろう。


 綾の頬が緩む。


 そっとスマホで、優里亜のSNSを開く。


『ホテルの屋上のビアガーデンから、花火鑑賞 すんごい綺麗だけど、小ちゃい、人が多くてよく見えないピエン』


 #花火大会 #ビアガーデン #ホテル


 写真付きでアップされていた。その写真にはしっかりと、人差し指に金のリングと銀色の時計が目立つ手が映り込んでいる。


 その手の主は、言わないでもわかる。


 におわせ


『来年は美しい砂浜の側にある別荘で見たいなぁ!』


 コメント欄には


『この花火が見える別荘ってどこ?』


『優里亜ちゃん別荘持ってるの?』

 

『海の家のこと?』


 優里亜が意図しているコメント少なくて、笑える。


 この別荘の存在を尊は世間に公表していないから、このコメントはまあ、当然の反応だ。


 手を美馬誠也だと結びつけるコメントもちらほら


『美馬家って、この花火がみれる別荘持ってるんだ』


 って、優里亜が喜びそうなコメントが1件、まあ、自作自演の誘導コメントだろう。


 それより


『靴のデザイン盗作の説明はよお』


『大変なことになってるんでしょう?花火見てる場合ではないのでは?』


 みたいな、関係ないコメントも湧いて、早々にコメント欄を閉じたようだけど。


 ご丁寧にファッション誌に掲載された、アユラの社長の謝罪欄をコメント欄に貼り付けている人達がいた。


 綾はそっとスマホを置き、花火と食後のアイスコーヒーを楽しんだ。



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