表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好きな子を落とすために拾った黒ギャルに恋愛コンサルしてもらったら、なぜか俺にだけ激重で困っている件  作者: ちくわ食べます


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/40

第20話 エモいってなんだ

「そーだよ。アタシが女子目線でチェックしてあげる。これもコンサルの一環だから!」


 まあ……確かに、女子の視点でのフィードバックは有用だ。


 俺1人で行っても、店の雰囲気が女子ウケするかどうかなんて判断できないしな。


 黒豹が居ればそれも可能になるというわけか……


「わかった。じゃあ、今度の休みに行くぞ」


「おっけー。やった~! 楽しみ~!」


 ……やけに嬉しそうだな。


「遊びに行くんじゃないからな? あくまで下見だということを忘れるなよ」


「はいはーい♪」


 おいおい、コイツほんとにわかってるのか?


 楽しむためじゃないんだぞ。データ収集のためだからな!


 休日になり、俺たちは商店街にあるレトロな純喫茶へ下見に来ていた。


 赤レンガ作りの外観に、木の看板。


 黒板に手書きされたメニューに、ステンドグラスのガラス。


 外観からして、昭和の匂いが全開だ。


「うわー、エモい! なにここ超かわいいんだけど!」


「エモい……? エモいってなんだ」


 わからん。ド◯えもんの親戚か?


「エモいはエモいだよ。何か胸がキュンとする感じ? 雰囲気がいいってこと!」


「もしかして、エモーショナルのことか?」


「エモーショナル……ってなに?」


 おかしい。合ってそうなのに、話が通じないぞ?


「ふーん、まあいいや。入ろうか?」


 こいつ流しやがったな……まあいい。


 よくわからんが、黒豹のリアクションを見る限り、この店は女子ウケも良さそうだな。


 店内に入ると、予想以上に落ち着いた空間だ。


 革張りののソファー。木目のテーブルと床。壁にはアンティークっぽいランプ型の照明。


 BGMはお落ち着いたジャズときた。


 これは……悪くないぞ。お洒落に詳しくない俺でも、雰囲気がいいことはさすがにわかった。


「すっごーい! めっちゃいい。雰囲気最高じゃん!」


 黒豹がキョロキョロと店内を見回している。


 黒ギャルが純喫茶ではしゃいでいる図は、正直ミスマッチもいいところだが……まあ、楽しそうなら何よりだ。


 ん……何だ…………今の考えは?


 別に何よりではないだろ。本命は星城院さんだからな。


 案内された席に着くと、黒豹がメニューを開いた。


 だが、俺はメニューなど事前にリサーチ済みだ。


「星城院さんの好きなぜんざいだが、ここには『白玉ぜんざい』と『珈琲ぜんざい』の2種類がある」


「へぇ~、さっすがよく調べてるぅ!」


「そうだろ? 俺は喫茶店ならではのメニュー『珈琲ぜんざい』を注文しようと考えている」


「えー。もう決めてんの? 全然メニュー見てないじゃん」


「俺が調べに来たのは店の雰囲気と、ぜんざいの味だからな。黒豹には『白玉ぜんざい』を頼んでもらいたいんだが」


「え~やだよ。アタシ、クリームソーダが飲みたいんだけど……あ、これめっちゃ気になる」


 黒豹がメニューの端を指差して見せてくる。

 

「あんこと白玉って追加でトッピングできるみたいだよ?」


「ぜんざいを増量するのに使うんじゃないか?」


「決めたっ。クリームソーダにトッピングしよっと!」


「はぁ!? ……クリームソーダにあんこと白玉だと? なんだその邪道は? バチがあたるぞ……」


「いーじゃん、いーじゃん! こういうのはノリだって。邪道とかどーでもいいし」


 まったく、自由なやつだな。

 

「すみませーん、クリームソーダにあんこと白玉トッピングお願いしまーす!」


「おい! 本当にそれで良いのか!? 腹壊しても知らんぞ……」


「へーきへーき……ほら、真面目くんも早く頼みなよ」


「……珈琲ぜんざいでお願いします」


 しばらくすると、俺たちのテーブルにそれぞれの注文が届いた。


 俺の珈琲ぜんざいは、お洒落な器に上品に盛られているが、見た目は正統派のぜんざいとほぼ変わらない。


 一方、黒豹のクリームソーダは……メロンソーダの鮮やかな緑色の上に白いバニラアイスと黒いあんこが浮かび、その横にもっちりした白玉が3つ並んでいる。


「なんだ…………その見た目はっ?」


「うわぁ~! アイスとあんこの組み合わせ、意外とかわいいんだけどっ!」


 のんきに黒豹がスマホで写真を撮っている。


 わからん……食べ物にかわいいとかあるのか?


「食べ物は味だろ。見た目とかどうでもいいんじゃないか?」


「え~、見た目って大事だよ? 星城院ちゃんだってSNSくらいやってるでしょ。そしたら見た目がかわいい方がポイント高いに決まってんじゃん!」


「そ……そうなのか?」


「そーだよ。見た目と味の両立。これがほんとの最大化ってやつだよ!」


 くっ、俺の言葉を使いやがって。


 だが……確かにそうかもしれないな。


 視覚的なインパクトも、デートにおいては重要な要素かもしれない。


 俺はノートに「視覚的インパクト=好感度」とメモした。


「真面目くん、それなに書いてんの?」


「もちろん攻略メモだ。忘れないようにしないとな」


「うわぁ、役に立たなそう……」


「うるせえな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ