↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
4/19

第1部(1) 第2話【 敗北こそが、 長い道程(みちのり)の、 真の始まり 】

「オリオン、お前のやり方は間違っている」


ヒドラは苛立ちを隠さなかった。


「奴隷上がりの男に艦を任せるだと?

血筋も知れぬ者にどうして兵を預けられる」


「血筋がなんだ。

俺は、戦場で功を上げた者に応えているだけだ」


オリオンは静かに、しかしきっぱりと言い返した。


「その者たちの働きを、

俺は自分の目で見てきた。

お前の言う『血筋』とやらより、

よほど信用に値する」


ヒドラは唇を噛み、

それ以上何も言わなかった。


だがその夜以来、

二人の間には見えない溝が広がっていった。


「牧場を移す時季について、意見が違うようだな」


ある朝、ヒドラはそう告げると、

自らの陣を割いていった。


表向きの理由は、それだけだった。


だが二人が思い描く未来そのものが、

水と油であったことを、周囲の誰もが察していた。


「風は、血の貴賤を選ばぬのか……」


旧き氏族長の一人が、

そう呟きながらオリオンの旗の下へと去っていく。


ヒドラの陣営から兵が流出していく様を見て、

彼の胸に燃え上がったのは、かつての義兄弟への憎悪だった。


「十三の氏族を糾合せよ。

あの男に、力の差というものを教えてやる」


ヒドラの号令のもと、

大艦隊がオリオンへと差し向けられる。


ダラン・バルジュトの荒野で激突したこの戦は、

兵力に勝るヒドラ側の圧勝に終わった。


「退け! ここで死ぬわけにはいかない!」


オリオンは辛くも戦場を脱するが、

燃え落ちていく味方の艦を振り返り、

拳を強く握りしめた。


「……次は、俺が勝つ」


敗北の屈辱を骨の髄まで刻み込んだこの日こそ、

後の大宇宙統一へと続く長い道のりの、

真の始まりであった。


©2026 [風風風]. All rights reserved.

本日中に、第3話~第6話を投稿します。

第3話の投稿は、16:00 を予定しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。