↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
23/27

【Fast Episode.21】一番乗り!!

【Fast Episode.21】一番乗り!!


俺はいつも通り、辺りを見回した。


…が、いつもと違い、鍵と思われるものは見当たらない。


しかし、鍵があろうとなかろうと、俺のすべき事は変わらない。

精一杯、知識を振り絞り、女の子を脱出させるだけだ!


まずはこの小さいコテージの中をうろうろ観察してみた。

女の子が寝ていたであろうベッド、謎の石板、よくわからない本が沢山しまわれている本棚、上から伸びる蔦(つた)…。


その中でもまず目をつけたのがベッドの横にある引き出しだ。

俺は女の子に「引き出し」と念じてみた。


すると女の子は引き出しを開ける。

すると引き出しにはペンが入っていた。


女の子「これは…、ボールペン?いや、でもここを押すと光るわ。」


どうやらペンライトみたいだな。

これは良いモノを拾った!

これで、気になっていたベッドの下が見れるかも!


俺はすかさず「ベッド」と伝えてみた。

女の子はベッドの下を覗く。


女の子「ベッドの下が怪しいよね。何かないかな?暗くて何も見えないけど…。」


うおぉ…女の子のお尻が丸見え!!

しかし、今はお尻に気を取られている場合ではない。


俺はさっき拾った「ペンライト」と伝えてみた。


女の子「ペンライトで照らせば明るくなるね!えいっ!」


そして女の子はベッドの下をガサゴソしている。


女の子「あっ、こんなところに石が落ちてるよ!何かに使えるかもしれないし、持っておきましょ。」


そうだな、何もヒントがないこの部屋では石ですらヒントになるかもしれないしな!

その石は数字の「1」と書かれているが、今はなんの事かはわからない。

ただ、キーアイテムのハズだ、他にヒントがないか探そう!


俺は本棚の辺りを見回した。

ひとつだけ、本がずれているところがある。


…んー、コレは気になる!


俺は女の子を本棚の所に連れて行き、ズレている本の前を回った。

すると女の子に伝わったのか…


女の子「ひとつだけ、本棚に入ってない本があるね。エルフさんったら几帳面(きちょうめん)なのね。」


女の子はそう言うと、本を入れようとしたが、入らない。


…裏側に何かあるのか?


裏側の方を見てみると、マッチケースが挟まっていた。

もちろんケースを開けたら、マッチもかなりの本数入っている。


マッチか…。

あまり火を使うのはよろしくはないけど、一応持っておくか。


女の子「それにしてもこの本、いったい何が書かれているのかしらね。日(・)本(・)語(・)じ(・)ゃ(・)な(・)い(・)か(・)ら(・)わかんないよ。」


……見た感じ外国語だな。

英語でもロシア語でもなさそうだ。

英語かロシア語なら少しわかるんだが…。


まぁ、本の事はいい。

次に行こう。


気になるのはこのぼーぼーに伸びた蔦。


俺は女の子に「ツタ」と伝えてみた。

女の子は蔦の前に行き。


女の子「窓を覆(おお)う様に下がっているこの蔦は何なのかしら?」


女の子が近づくと…。


女の子「えっ、何?うそ!やめて!!助けてー!!!」


なんとその蔦はまるで意(・)思(・)が(・)あ(・)る(・)よ(・)う(・)に(・)、女の子に絡みついてきた。


何ぃ!?!?


…………そうか、ここは夢の世界。

常識は通用しないものだと思って考えた方がいいな。


それはそうと、今は危機(きき)だ。

女の子を蔦から解放しなければいけない。


幸いな事に両手はふさがっていないか…。

なら、仕方ない!

その蔦を燃やしてしまえ!!


俺は女の子に「マッチ」と伝えた。

女の子はマッチを取り出し、火をつけ、蔦を燃やした。


ぼおおお!!!!!


蔦はみるみるうちに燃えていく。


うわー…。

自分で言っといてなんだが、これまた派手に燃えるなぁ…。


そして数分後、火種は完全に消え、窓を覆っていた蔦はきれいさっぱりなくなった。


少し強引な手段だが、女の子が危険な目にあったんだ。

これくらいは仕方ないだろう。


さて、気を取り直して…次は…と言いたいんだが…。

ヒントがなさそうだから、後においておいたんだが、ど(・)う(・)考(・)え(・)て(・)も(・)怪(・)し(・)さ(・)満(・)点(・)の(・)こ(・)の(・)石(・)板(・)。


ひとまず、ヒントはなさそうだから調べるしかない。


石板を見ると、石板は四角形の中に数字が9つあり、上から右回りに…

4、3、8、5、6、7、2、9…と並んでいる。

そして真ん中だけがぽっかり開いている。


この中で、無いのは1か。


……確か、さっき1と書かれた数字の石板を拾ったよな?

それを入れてみるか…?


しかし、何かが引っかかる。

つい最近、こんな謎解きをしたような…。


そうだ!思い出した…!!!

つい最近、チヒロ達とナンプレで盛り上がった時に似たような問題を見た!!


これは3×3の魔方陣…真ん中が空いている以上、この場所には中央の数字が来るはずだ。そして3×3の魔方陣の中央は必(・)ず(・)5(・)だ(・)っ(・)た(・)は(・)ず(・)…。


冴えてる!今日の俺は一味(ひとあじ)違う!!


今まではこういう数字の謎解きは苦手だったが、女の子が閉じ込められているとなりゃ、別だ!

これが、俗(ぞく)に言う火事場の馬鹿力ってやつか!

まぁ、特に力を使っているわけではないから違うような気もするが、それはこの際、どうでもいい!


この数字だと5を真ん中に持ってきて…

1の石板を組み込めば、縦横斜めで「15」の数字になる!!


俺は女の子に「5」と伝え、女の子は5の石板を左上(真ん中)へスライドさせる。

よし!次は1の石板だ!


俺は「1」と伝えた。


女の子「1?1ってこのさっき拾った石板のかけらの事?」


俺はうんうんと宙返りをした。

女の子は俺の反応を見て、合っていると思ったのか右下に1の石板を入れた。

すると…。


チッチッチッ…。


………不穏な音が鳴り響く。

おい、これ、すごーく嫌な予感がする。


俺は女の子の周りを回り、退避(たいひ)を促(うなが)した。

すると女の子も危機を察したのか、ベッドの横に隠れる。


その数秒後———


どかーん!!!!!!!!!

石板のあった壁が盛大に爆発した。


うわっ!!なんて威力だ!!

壁の一部分は倒壊し、人ひとりが軽く抜けられる様になっていた。


今だ!!ここから出よう!!!

また爆発するかもしれない!!


俺は女の子を連れて、外に出た。

女の子もびっくりした様子で…


女の子「出られた……。」


茫然(ぼうぜん)とした表情で彼女がそう呟いた。


女の子「わたし……自(・)由(・)?(・)」


もちろん、ここから出たのだから自由だ!


…やったな!

現実の俺だったら彼女の肩の一つでも抱いて、そう言うに違いない。

しかしエルフ状態の今ではできない…。


ちっくしょー!!


だが、彼女はそんな俺の心がわかっているかの様に。


女の子「ありがとう。エルフさん。」


そう言って、微笑(ほほえ)んだ。

まるで花が綻(ほころ)ぶ様な感じの、少しはにかんだ様な表情。

とても…とても綺麗な微笑みだった。


ああ…と俺はこの笑顔を見るために———


そして俺は現実世界へ連れ戻された。

=========================


ちゅん…ちゅんちゅん。

小鳥が囀(さえず)る音が聞こえる。


今は………朝の7時か。

少し早く起きてしまったが、今の俺は凄く気分がイイ。


俺はいそいそと支度(したく)をし、早々に学校に向かって走った。

そして俺は学校生活でおそらく初になるであろう、8時前には学校に着いた。


ああ、なんて良い気分なんだろう…!

世界の全てが俺に味方をしている気がする。


俺は有頂天(うちょうてん)になり、鼻歌を歌いながら、教室に向かってスキップして向かった。

この時間はまだ登校している人も少なく、一部の部活生が朝練で登校している以外はスカスカだった。


折角早くきたんだし、誰もいない教室で一人優雅(ゆうが)に黄昏(たそがれ)るか…!


……いや、そうだ!誰をオリ会に誘うかを一人静かに決めよう!

そうしよう!!


そうして教室に着いた俺は勢いよく教室のドアを開ける。


ガラガラガラっ!!


へへっ!一番乗り!!


…って、あれ??


一番じゃない。

既に誰かひとり、教室にいる。


教室の後ろの隅に座る、おとなしそうな女の子。

すると女の子はこっちに気付いた。


アレ…?

この子、誰、だっけ…?


おかしい。

ク(・)ラ(・)ス(・)メ(・)イ(・)ト(・)の(・)は(・)ず(・)な(・)の(・)に(・)名(・)前(・)が(・)出(・)て(・)こ(・)な(・)い(・)。


…というか、見覚えすらない。


転校生か?

いや、でもこんなに朝早く??

アレ?俺、もしかしてクラスを間違えたとか?


…いや、ここは俺の席だ、間違ってはいない。


すると、この子が間違えてるとか…?

とかなんとか考えて固まっているとその女の子が顔をあげ、俺と目があった。


次回に続く。

ご閲覧頂き、ありがとうございます♪

次回更新は…10/27日です。

よろしければ次回の物語も見てくださいね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。