【Fast Episode.18】あげはの心配事。
【Fast Episode.18】あげはの心配事。
んん…。
なんだ?誰かとぶつかった…?
あげは「いったーい…。ねぇ、君!大丈夫?」
目を開けたその瞬間———
なんとあげはちゃんの顔がドアップ!!
うわ…。
ヤバい、ヤバいぞ、クォレは…。
可愛すぎるぞ。
しかも凄くいい匂いがする…!
はぁ、もっと嗅いでいたい…。
くんかくんかしたいっ!!!
そんな変態じみた事を考えていると…
あげは「良かったー。大丈夫そうね。ごめんね。あたしが廊下を走ったりなんかするから…。」
タクミ「い、いや、大丈夫だよ。俺も少しぼーっとしてたし。…って、あれれ?」
さっきまでいた野次馬が全員、姿を消していた。
そして、チヒロやリュウトもいない。
野次馬…、いたよな?
リュウトやチヒロ達も…。
あれ…?いなかったんだっけ…?
俺は混乱した。
タクミ「あれ??あれれ…???ここはどこ?僕は誰?」
あげは「や、やだ。もしかして…頭打った?大丈夫…?」
…「僕は誰?」は冗談で言ったつもりだったのに激しく心配されてしまった。
すると———
あげはちゃんがオロオロしながら、俺の頭を「なでなで」してくれた———
ドキッ!!ドキドキ…!!
俺は耐えられなくなり、うわー!!と叫びながら後ろに下がった。
タクミ「イイっす!!!大丈夫っす!!!」
すると、あげはちゃんはびっくりして。
あげは「きゃっ!!…って今の叫びは何?…驚いたー!」
な、なんでもないっす………。
俺の男としての心臓が持たなかっただけです…。
一呼吸おいて、あげはが。
あげは「頭、平気なの?」
…そういう意味じゃないんだろうけど、その言い方はなんか…
刺さるっ!!イイ!!
あー…これがMの人の気持ちか…。
なんか少し共感できた気がするな。
…それはそうと。
タクミ「へーきへーき!それより…、君の方こそ平気?多分…どっか打ったんだよね…。」
あげは「うん、ぶつかって少し尻もちついただけだけど、あたしは大丈夫。」
大丈夫ならよかった。
そしてたしか、野球部の奴らにも追われてたよなと思い、続けて…
タクミ「あ、あと追っかけられてるって、野球部のヤツらだろ??」
少し間をおいてあげはは。
あげは「え??…なんで君、あたしを追っかけてるのが野球部の人って知ってるの??」
まずい、口を滑らしてしまった。
夢での事は必ずしも現実世界とリンクしてるとは限らないんだ。
俺は最初から知っていたテイで話す事にした。
タクミ「いや、その…。あの敷島だろ?なにせだいぶ話題になっていたし…。」
あげは「なんだ、そうなんだ。もう結構知られちゃってるのね…。はぁ…。」
あげはため息をつきながら答えた。
あげは「あーあ。やだなぁ…。ねぇ、君も知ってるなら少し聞いてよ。」
あげはから思いもよらない提案(?)だった。
俺はこくっと頷き、その話に耳を傾ける。
あげは「あたしが、野球部の敷島君にオリ会を誘われたのは知ってるわよね?」
俺は頷く。
あげは「うちの高校では初めての甲子園だ!!って言って彼らは舞い上がってて、そんな中、あたしにオリ会を誘ってきたの。」
うんうん。
ここまでは夢の前と変わらないな。
その後に俺はあげはちゃんにぶつかって…って感じだったな。
あげは「でもさ、断るに断れなくなっちゃってさ…。だって、これであたしが断って、うちの学校が甲子園1回戦敗退なんかしたら、あたしのせいって言われちゃうよね…。」
…確かに矛先が向かないとは限らないけど…。
ん?
今、あげはちゃんは「断って」といったよな。
つまり…オリ会に一緒に出る返事まではしていない訳だ。
タクミ「オリ会の事、まだ、返事してないの?」
あげは「そうよ。だからこうして逃げ回ってるのよ。野球部のヤツらに出くわしたら一言目には「敷島さんとのオリ会どうするんですか!?」…って聞かれるしね。」
なるほどねぇ…。
いや、でも、まだあげはちゃんが返事をしていないって事は…!
タクミ「そうか、まだセーフって事か!」
あげはは少し驚いた表情で…
あげは「な、なによ?「まだセーフ」ってどういう事?」
タクミ「つまり、あげはちゃんは、まだ誰にもオリ会のOKをしていないって事になるよな?やったー!!」
俺は無性に喜んだ。
あげは「やったーってなんで君がそこで喜ぶわけ?そ、れ、に…いきなり「あげはちゃん」って、なんか馴れ馴れしい感じ。」
…やべ、浮かれててつい夢の感じで「あげはちゃん」って言ってしまった…。
俺はすぐに謝った。
タクミ「あ、ごめん。馴れ馴れしかったよね。」
あげは「……まっ、いいけど。だけど、あたしばっかり名前を知られてるなんて、なんかフェアじゃないよね?…、ねぇ、君の名前も教えてよ!」
何ぃ!!あのあげはちゃんが俺の名前を聞いてくるだと!?
俺は自分の名前をあげはに伝えた。
タクミ「あ…えっと…烏丸タクミって言います。」
あげは「たしか、1組だったよね?顔は前から知ってるよ。」
マジですか…!?
なぜ知ってるかを聞きたいところだが、あげはが先に口を開いた。
あげは「それよりさ、君、さっき、「女は中身が重要」だって言ってたでしょ?」
あー…うん??
俺、そんな事いったっけかな…?
言ったような、言ってないような…。
それって夢の中で言ったんじゃなかったっけな…?
あげは「覚えてないの?あたしと君がぶつかる直前の事だったんだけど…。」
続けてあげはが…
あげは「君、走ってく友達かなんかに向かって、「女は外見だけじゃなく、中身が重要だぞ!!」って叫びながら走ってたじゃない。」
寝耳に水だ。
俺、そんな恥ずかしい事叫びながら、廊下を爆走してたのか!?
……全然覚えがねぇ!!!
たしかにそんなセリフは言ってた気がするけど…。
走ってく友達向かって叫んでたなんて、そんなシチュエーションは全く覚えがねぇ!
俺の本気でわかってない反応を感じとったあげはが。
あげは「やだー…。やっぱりさっき頭打ったんじゃないの…?ほんとに大丈夫かなぁ…?」
俺も言ったか言ってないか、自信がなくなってきたぜ…。
あげは「ちょ、ちょっと!そんなに肩を落とさないでよ。あたし、さっき、あなたのその言葉に少しは良いこというじゃん!って思ったのに。結局はみんな同じよねー…。」
おっと、そりゃどういう意味だってばよ。
そして、あげははいきなり顔を近づけてきた。
う、うわっ!!
ち、近い…。
あげは「例えば君はさ、女の子にこんな感じで接近されても、「外見より中身が重要」って言い切れるの?」
タクミ「ま、まぁ…外見はもちろん重要だけど…。」
あげは「…けど?じゃあ、どれくらい?」
タクミ「えっと…。ちょっとかな…?」
あげは「ふーん?」
タクミ「い、いや、その…。正直言うと、かなり…。」
俺がそういうとあげはは顔から離れ…
あげは「あーあ。やっぱりねー。」
少し残念そうに中野あげはは苦笑いになり…
あげは「まぁ、君も男子だしね。仕方ないよね。」
他の男子と一緒の扱いをされてしまい、肩を落とそうとした時。
あげは「あはっ!でも、君の中身は少し深そうかな。少し気になるかも。」
えっ!?
今なんと?
あげは「また今度お話しようね。じゃ、またね!」
そういうとあげはは颯爽と去っていった。
そうして俺は教室へ戻った。
しかし、なぜか頭がぼーっとした感じだ。
随分長い間、あげはちゃんと一緒にいた感じがするし…。
今日があっという間に過ぎ去った感じだ。
や、でも、中野あげは、やっぱすげぇわ。
完全に俺の心を持っていかれた気分だ。
そしてリュウトが声をかけてくる。
リュウト「タクミー!!このやろー!!!」
リュウトに思いっきりチョップをかまされた。
タクミ「っ!痛え!!いきなり何すんだよ!!」
リュウト「タクミ、お前あげはちゃんと話してただろ!!どうしてだっ!!!いつ顔見知りになったんだー!!」
リュウトは俺の首根っこをつかんで激しく揺らしてきた。
…いつ顔見知りになったって言ってもほんのつい今の出来事だしな…。
そしてリュウトはあろうことか俺の服を匂ってきた。
リュウト「くそー!!羨ましい~!!クンクンクンクン…あげはちゃんの残り香が~いい匂いだ~!!!」
タクミ「やめろってリュウト!だいぶキモイぞ!!!」
まぁ、当然というべきか、チヒロも声をかけてくる。
次回に続く。
ご閲覧頂き、ありがとうございます♪
次回更新は…10/16日です。
よろしければ次回の物語も見てくださいね!




