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【Prologue.2】夢の世界、夢の痕跡。

【Prologue.2】夢の世界、夢の痕跡(こんせき)。


は??…エ(・)ル(・)フ(・)さん??

エルフつった??エルフってあれだろ?今流行りの異世界ファンタジーとか出てくる、長寿(ちょうじゅ)の森の妖精みたいなやつだろ??


…ってそれ、俺(・)の(・)事(・)?


今、俺の頭の中では無数のひよこがぴよぴよ飛んでいる。

…何を言ってるかわからないと思うが、簡単に言ったら凄く混乱していると言う事だ。


違います、俺はタクミ。

紅葉高等学校の今日から新3年生の男子、烏丸 タクミ。


…と自己紹介をしたつもりだったがやっぱり声は無くて。

ってより声が出てなくてまた戸惑(とまど)う俺。

すると彼女がか細い声で、再び口を開いた。


女の子「あなたがエルフさんなら、お願い。私(・)を(・)こ(・)こ(・)か(・)ら(・)救(・)い(・)だ(・)し(・)て(・)———」


だが、その声は途中で不意に遠ざかった。

そして、その姿も———


俺は思った。

ああ、夢から覚めるのか…。


だが、待ってほしい。「救いだして」とは一体どういう意味なのだろうか…?

せめて夢から覚める前にそれだけでも聞かなくては…!


俺はどういうこと?って言った。

例によって声は出ていなかったが…。


女の子は聞こえていないらしく、だんだん視界がぼやけ、フェードアウトしていく…。


待ってくれ…!!いったいどういう事なんだってばよ!!

おーい!!


その声虚しく、女の子に届くことはなく、目の前が真っ暗になってしまった。

最後に見た彼女の瞳は、大きく見開かれどことなく悲しげだった。


まるで何かを訴えかけているような…。

…いや、実際に助けてって訴えかけていたけども…!

=========================


ちゅん…ちゅんちゅん…小鳥が囀(さえず)る音が聞こえる。

いつ聞いても小鳥の囀りは良い。

朝が来たって感じがする。


…さすがに朝の5時とかにはあまり聞こえないからな…。


そうしてそんな事を考えていたら目が覚め、飛び起きる。

かすかだが、あの甘い香りが今でも俺の鼻に残っている。


何だったんだ…?あの夢…。。。


そうして、辺りを見回す。

あ……、俺の部屋…。

うう……なんかクラクラする……。


俺は謎の頭痛に苛(さいな)まれていた。


ベッドから起き上がった後も、何だか頭に白い霧(きり)がかかっている感じだ。

寝起きだからとかではなく、この初めての夢を見てここまで頭が回らないのは初めてだ。

二度寝したから、頭がバグってるのか?


…なんか俺、夢を見てたよな…?

ちょっと良い様な、切ない様な……。


…………?


あれ?思い出せない。


…どんな夢だっけ…?


思い出そうとすればするほど、記憶がするりと逃げていく。

…思い出してはいけないかの様に…。


ただ、うっすらと———


「誰(・)か(・)が(・)い(・)た(・)」


とても良く知ってる様な……

全く知らない様な……


タクミ「あああ〜ッ!!くっそー!!思い出せねー!!!!」


俺は頭を掻きむしった。


何だこの痒い所に手が届きそうで届かないもどかしさは。

このもどかしさ、アレに似てる。

そう、今では無くなってしまったコンビニに置いてある少しエッチな本の袋閉じ。


タクミ「うーっ、気になるなぁ……。」


しかし…。


茉莉菜「たーくん!!いい加減に起きなさーい!!!遅刻するよ〜!!」


階下(かいか)から響(ひび)く、毎朝恒例の怒鳴り声。

反射的に時計を見ると、針はとんでもない時間を指していた。


時刻は8時20分。うちの学校では45分に予鈴が鳴り、50分から朝のホームルームが始まる。

うちから学校まではゆっくり歩いて30分はかかる。

そして、今日はホームルームこそないが、新学期の為、クラス発表の掲示板も見なくちゃいけない…!


ゲッ!?…ゲゲゲッ…!!!


俺は一気に目が覚め、飛び起きた!!

やばい…!!!マジでやばい!!!いつもならとっくに家を出ている時間だ。


くっそー…やっちまったー!!二度寝なんかするんじゃなかったぜ!!!!

今度からは二度寝はもうしないでおこう…そう誓った。

その時、階下からまりねぇが呼んでいる。


茉莉菜「たーくーん!!!」


茉莉菜の呼ぶ声が段々大きくなる。


タクミ「起きてるってば!!!」


着替えもそこそこに部屋を飛び出し、階下に怒鳴り返す俺。

また今日から忙しくも普通な俺の日常が始まった。


……いつもより、少し慌(あわ)ただしく…ね。


俺は全速力でダッシュし、なんとか予鈴の5分前には校門に滑り込んだ。


俺は掲示板に貼りだされていた、自分のクラスを確認したのち、教室まで猛ダッシュする。

もうあと1、2分くらいで本鈴がなる時間だ。


三年の階の廊下にももう人はまばらで、殆どの生徒達が教室に入っていた。

そんな中、俺は急いで自分の新教室へ入った。


タクミ「あっぶなかったー…!!危うく初日で遅刻するところだったぜ…。。」


…んで、これ、どこ座ればいいんだ?


黒板には特に席の指定はない。

…皆、顔見知り同士で席を座っている感じか?


さっきは急いでいて、掲示板のクラス名簿なんか見ていなかったけど、

よく見たら顔見知りのやつが何人かいる。


その中で、俺の男友達でもあり、ある意味、幼馴染でもあり、悪友…

チヒロとリュウトがいた。


声をかけようとした瞬間、本鈴がなってしまったので、声はかけれなかったが、二人ともこっちをみていたので、気づいてはいるだろう。


…なんか心なしか遅刻ギリギリの俺を笑っている気もするが…。

=========================


その後、新担任の挨拶や、毎年新学期恒例の大量のプリントなどが配られ、委員を決めたり、配られたプリントを整理したりしてなんだかんだあり、あっという間に帰宅時間になった。


今日は新学期の為、授業は午前中で終わりで、昼休みとかもない。


朝のバタバタから色々あったが、チヒロとリュウトと一緒に帰ろうかと思い、クラスを見渡してみると既に二人ともいなかった。

…席に鞄(かばん)がないから先に帰ったのか…?


まぁ、しゃあない。

あいつらとはこれからもずっと顔合わせるし、明日にでも話せるだろ。


いや、待てよ。

…ア(・)イ(・)ツ(・)な(・)ら(・)いるんじゃねーのか?


そう思い、配られた各クラス表を見て俺の女の子の幼馴染がいる教室へ行った。

そして、教室を見渡したが、いない。


いねぇ。アイツも先に帰っちまったか…。

……しょうがねぇ。

今日は一人で帰るか…。


そして、足取りがやや重く、今日の朝の夢の事や配られた資料の内容、進路など、色々な事を考えていた。

そして、家に着き、まりねぇにただいまーと言う。

すると、茉莉菜は少しだけ驚(おどろ)いた様子で


茉莉菜「あら、たーくん!今日は早いね。サボったー?」


やべ…今日は午前中までの事、言ってなかったぜ…。


タクミ「ちがわい!今日は新学期だから午前中で終わりなの。」

茉莉菜「えーそうなの?おねえちゃん、もうお昼ご飯食べちゃったよ?」


…マジか…。

腹ペコペコだったんだけどなぁ…。


しゃあねぇ。なんか食いに行くか…。


そうして近所の牛丼屋で昼飯ならぬおやつを食べ、ゲーセンに寄って少し遊んで帰った。


あー…今日は疲れた。


帰ってから早々にまりねぇの晩飯を食ったからだろうか、時刻はまだ19時だと言うのに、すごく眠いし、なんなら頭も痛てぇ。

今日の朝といい、最近よく頭が痛くなるんだよなぁ…。


その後、朝できなかったソシャゲを少し遊んで…。


…いや、頭痛かったが、がっつり遊んでしまった。

時刻はすでに23時を過ぎていた。


タクミ「さて、寝るか…。。」


いつもなら22時には寝ている為、眠気の限界だった。

そして、遅くなったが、俺は眠りについた。


そして翌日を迎え、またもや俺は二度寝をし、時刻は昨日と変わらない時間。


…しまった……昨日、遅くまでソシャゲをやりすぎた…。


今日は例の夢を見ることはなく、ぐっすり寝ちまったせいで危うく遅刻寸前だ。

そうして、俺は二日連続で学校へと猛ダッシュする事となった。


またしても、寝る前にソシャゲは控える様にと誓いながら学校へと向かった。


次回へ続く。

ご閲覧頂き、ありがとうございます♪

次回更新は…なんとなんと、新章1話も同時に見れちゃいます!!

よろしければ次回の物語も見てくださいね!

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