【Fast Episode.11】牛乳と後悔。
【Fast Episode.11】牛乳と後悔。
…さて、気を取り直して。
しょうがない、別の方法を探そう。
…まてよ?ここが家庭科室(調理室)なら…、掃除機とかあるよな?
ないとおかしいもんな…?よし探してみよう!
そして俺は掃除機を少し探していると…
!!
あった!!こんなすみっこに置いてあるのかよ。
もっとわかりやすいところに置いといてくれよ…。
そう思ったが、それはおいといて…。
ゆきみに「掃除機」と伝えた。
ゆきみは掃除機を取りに行って、小麦粉の所まで行き、近くのコンセントに入れ、電源を入れる。
ぶおー!!!
強力な掃除機なのだろうか。
こぼれた小麦粉をみるみる吸い取っていく。
…さすが、調理室にあるだけあってか吸い込み力は段違いだ。
ゆきみ「これで少しは綺麗になったでしょ!」
すると。
カラーーーーン!!!カラカラカラ…
何かが掃除機の中で反響する音が聞こえる。
ん?なんだこの音は?なんか詰まったか?
ゆきみ「あれれー?何か粉じゃない物まで吸い取ったかも。」
ゆきみは掃除機を止めて、掃除機のフィルターを開けた。
ゆきみ「ゴホッ!!ゴホゴホゴホッ!!!すっごい埃…。あれ?コレ、何かな?」
これは…ネジだな。
もっとも、なんのネジかはわからんが…。
まぁ、一応持っておけ!
何かにつかえるかもしれんしな!
ゆきみはネジをエプロンのポケットに入れた。
さて、残念ながら、掃除機の中や、机には無かったな。
困ったなー。
もう一度しっかり探すか?
…あれ?そういや、俺、上の方見てなくね?
俺は視線を上の方へ向ける。
ん?なんだ?さっき鍵があった棚の上に何かのってる?
あれは…ミルク粉か?
すこし気になったのでゆきみに「ミルク」、「棚」と連続で伝えてみた。
無事伝わったようで…
ゆきみ「あーあんなとこにあったの!?…そんなところに隠れてたのね!!覚悟しなさい、ミルクくん!!」
するとゆきみは…
えい!やっ!!えいっ!!……とジャンプしている。
ゆきみ「うーん…届かないわ…。残念…。」
おいおい!あきらめるのかよ!!
はえーよ!!
それにえい、やーってお前…。
ぴょんぴょんしてもお前の身長じゃ無理だぞ…。
何か踏み台になるものがあれば…。
…そういや、さっき、キッチン周りにイスが一つあったな!…と思い…
俺はすかさずゆきみに「イス!」と伝えた。
ゆきみはイスを持ってきて…
ゆきみ「このイスなら高さ的に丁度いいわね!」
…お前の場合はな。
そしてゆきみがイスに乗った瞬間———
ゆきみ「わわわわ……このイス、ぐらぐらするよ~!!」
!?
うわ!なんだなんだ!?
ゆきみ「イスが…、イスがなんかおかしいよ!!」
確かにかなりぐらついてるな。
イスの脚が外れかかってるのかもしれない。
そうだ!ゆきみ、アレを使え!さっき拾ったネジだ!!
俺はゆきみに「ネジ」と伝えた。
ゆきみ「そっか!このネジをはめれば…!!」
合うかどうかはわかんねーが…。
カチャカチャ…
ゆきみ「ハマった!!」
無事ハマったか、よかったな。
これで取れるな!
早速ゆきみは再びイスの上に乗り…
どこかの某トレーナーの様に…
ゆきみ「よーし!!取れたー!!ミルク粉、ゲットだぜー!!」
高らかにミルク粉を上へ掲げ、勝ち誇ったような顔だ。
するとゆきみは姿勢を崩し———
ゆきみ「わわわわ……!!」
どっかーん!!!
乗っていたイスから転げ落ちてしまった。
ゆきみ「いたたたた…やだー!気持ち悪ーい!ミルク被っちゃったよー!」
…それは自業自得じゃ…。
ゆきみ「エルフさんのバカぁー!!!」
…ええええーー!?!?俺のせいなの!?
ゆきみ「これじゃあ、クッキー作るのにミルクが使えないじゃない!」
…ああ、なんか…すまん。
ゆきみ「せっかく前の実習でケーキを作った時に余ったミルクをそのまま取っておいたのにー!」
………は?
………。
ん?今なんて…??
お前まさか………!
その古いミルクを使ってクッキーを作ったのか!?!?
…通りで変な味がすると思ったぜ…。
まぁ、それは後でゆきみに注意するとして…。
こぼれたミルクの粉の中から「何か」が出てきた。
…コレは…!
やった!!鍵だ!!!
【鍵、ゲット!!】
でもミルクの中に鍵って…。
知ってるか!?鍵に防腐剤の効果はないんだぞ!
…まぁ、何はともあれ、これで全ての鍵を手に入れたな!
ゆきみは鍵を開ける。
すると、全ての鍵がハマったので、カチッと音を立てて鍵は外れた。
やった!これで鍵は完璧に開いた!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゆきみ「エルフさんのバカバカバカバカバカぁーー!!!」
えぇ…(困惑)
…どうしてこうなったし…。
しかし。
視界がさっきのゆきみのイスの様に急にユラユラグラグラと揺れだして———
あれ??あれれー…なんだー?これで終わり??
そして、釈然としないまま、視界が真っ白に染まっていった。
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…ハッ!
俺はガバッと勢いよく顔を上げた。
すると、二人から。
リュウト「おい、タクミ!!いつまで寝てんだ!起きろ!!」
リュウトが俺を激しく揺すっていた。
あー………。
このせいで中途半端なところで夢から覚めたのか…。
ちょっと残念で、恨めしいような気分になりつつ俺は起き上がった。
タクミ「あれ…?俺、どうしたんだっけ?」
そう質問すると、チヒロが。
チヒロ「タクミ、突然動かなくなったんだよ。ホントに大丈夫?」
あれ?俺は意識でも失っていたのか?
タクミ「う、うん…。大丈夫。多分、寝てた。…かもしれん。」
するとチヒロは驚いた口調で。
チヒロ「急に!?…びっくりするなあ、もう。ね?ゆきみちゃん?」
ゆきみの方へ視線を向けた。
…が、当の本人は何かを考えているのか、無言のままだった。
そして、間をおいて…。
ゆきみ「……寝てたの?まったく……。呆れるわ。」
んん??なんか冷たくない??
いや、冷たいというよりかは…何か、怒っている様子だ。
寝ている間に何かあったの…か?
…いや、まず…、なんで俺寝てたんだ??
そんな疑問を俺は考えているなか、リュウトは。
リュウト「まぁ、このバカはほっといて…。で、で、ゆきみちゃんが俺達の為に作ってくれたっていう、極上のスイーツはー?」
ゆきみはケラケラと笑いながら。
ゆきみ「やだー!何言ってんのリュウト。調理実習で焼いたただのクッキーの事だよ~!」
そう言うとゆきみは何やらガサガサと小さい包みを2つ取り出した。
そしてゆきみはその包みを渡す。
ゆきみ「はい、チヒロ!それから…こっちはリュウトに!」
リュウト「やったぜ!!ゆきみちゃん、ありがとー!!!!一生大切にするぜ!!」
チヒロ「リュウト、食べ物だから…。それはともかく…ゆきみちゃん、ありがとう。ありがたくいただくね。」
あ、あれ…クッキー??
それはさっき、俺ももらったような…。
あれ?もらったんだっけ?夢だっけか??
それはそうと…。
タクミ「俺には!?」
ゆきみ「えー?タクミに?……作ってませんけど…。」
怪訝そうな表情で冷たくそう言った。
「なんで私があなたにクッキーを作らないといけないんですか??」…と言わんばかりの態度だ。
これは怒っているというより、いきなり他人(しかも嫌いな人)になってしまったかの様な…
凄くよそよそしい感じだった。
…なんなんだよ!?
そんな俺の逆ギレともあろう雰囲気と顔をチヒロとリュウトは読み取ったのか…
チヒロ「え…えっと、タクミ……。」
リュウト「あー……。タクミ、残念だったな。欲しかったんだ?」
少し遠慮気味に慰めてきた。
二人の気遣うような視線が、逆に癪に障ってさらに腹がたったのか…
タクミ「いらねーよ!そんなクッキー。どうせ賞味期限切れの牛乳でも使ってそうだしな!!!!」
続けて俺は。
タクミ「おまえら、そんなもん食ったら腹壊すぜ!!!」
夢の出来事を思い出した俺は、感情に身を任せ、思わず口走ってしまった。
しかし、はっ!やべぇ!何てこと言っちまったんだ!と思い、ゆきみの方を向くと…
ゆきみは顔を真っ赤にして…
ゆきみ「ぎゅ、ぎゅ…牛乳は……古いのは捨てたもん!新しいのに取り替えたもん!」
そして、ゆきみはだんだん震えて涙声で…
ゆきみ「どうしてそんな酷い事言うの…タクミ、最低!!」
次回に続く。
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次回更新は…9/22日です。
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