【Fast Episode.10】パンチラ…?
【Fast Episode.10】パンチラ…?
ううう、く、苦し………。
……く、ない…??
気が付くと口の中のクッキーの感触がない。
そして———
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あれ?ここはどこだ?
そこは「どこかの部屋の中」だった。
これは…学校?
どこかの学校か?
……いや、うちの高校の校内だ。
壁や窓の感じでそれは分かる。
だが、見慣れない場所だった。
流し台に、コンロ、調理器具…。
棚にはこれでもかというほど調味料が敷き詰められている。
俺はピンときた。
ははあ、ここは調理室だな?
なるほど、これはまた夢なんだ。
さっきのゆきみの一件で、調理実習のイメージが頭に残っていたのか!
だったらさー、調理室じゃなくて、ゆきみの方が出てきたらいいのになー。
って!!バカ!俺は何を考えてるんだ!
さっきのゆきみの一件から俺はゆきみの事が頭に浮かんで…。
くそっ!チヒロのやつ…!余計な事を言いやがって…!
変にゆきみの事、意識しちゃってるじゃねーか…。
…とか考えながら周囲をキョロキョロしていたらやっぱりいた!!!
コラそこ、ご都合主義だなとか言わない。
…こほん。
エプロン姿のゆきみだ。
………意外と似合ってるじゃないか…。
さすがに裸エプロンは期待したんだが、ないか。
まぁ、学校だしな…。
てか、むしろ夢だからと言って校内で裸エプロンなんかしてたら完全に痴女じゃねーか!
落ち着け俺。
だんだん考えがソッチ方面にいっちゃってるぞ!
…気を取り直して。
ゆきみ「あーもう、出られないんですけどー!!なんでー!?」
とかなんとかブツブツ言いながら、ゆきみはこんなに近くにいる俺には気づかず、調理室の戸をガチャガチャさせていた。
そんな俺はゆきみに対して。
タクミ「ゆきみ!さっきはお前のせいで気絶したぞ!」
…と、声をかけてみたが、ゆきみは気づかない。
というか、案の定、俺自身にも自分の声は聞こえなかった。
…という事は…やっぱり夢か。
しかもこの前の様な謎の美少女やみどり、ななの時と同じパターンか…。
…それにしても、密室パターン多くねぇか!?
コラそこ、「仕様です。」とかメタ的な事は言わない。
…こほん。
と、とにかく…
「エルフさん」状態の俺はふよふよ~とゆきみの目の前まで進んでみた。
すると…。
ゆきみ「わーっ!!!」
うるせえ!!いきなり大きな声で叫ぶなー!!
ゆきみは幽霊でもみたかの様に大声をあげ、手を口にあてがってびっくりしていた。
そして、しばらくの間、目を見開いて俺を見つめた。
俺はどうせこの後はきっと、前の3人みたいに「エルフさん!?」とか言うんだろな…。
…なんて思っていたのだが…。
ゆきみからは予想だにしない単語が出てきた。
ゆきみ「ドラゴンだぁ!」
ふぁっ!?ド、ドラゴン!?
えええ!!何、この発想の違いは!
しかもゆきみはあろうことか未確認生命体(?)の俺を指先でツンツンしだした。
ゆきみ「なにコレっ!!変~!飛んでるしー!!」
ゆきみは俺の顔(?)に何度もツンツンしてくる。
わっ!ヤメロ!…痛くないけど……なんか変な感じ!!
…てゆうか、お前…。怖いもの知らず過ぎだろ!!
ゆきみ「へー!硬くはないんだ。面白ーい!ふにふにしてる~!これなんだろー?」
そしてゆきみはずっと俺の顔(のあたり?)をツンツンしている。
ゆきみ「あ、もしかして!!」
しっかし、こいつやけに声が大きいな…。
エルフ状態とはいえ、ちゃんと聞こえるからもう少し声のトーンを落としてほしいぜ…。
一呼吸おいてゆきみは。
ゆきみ「これってもしかしてエルフかな?…絵本とかに出てくるのとはなんか違うけど。」
すると…
ツンツンツンツンツンツン…
ゆきみ「うん!そうだ!エルフって事にしよう!キミも良いでしょ?エルフさん…で!」
ツンツンツンツン、ツンツンツンツン……
だんだん俺はそのツンツンが快感に———
…って!何を言ってるんだ俺は!
これ以上はヤバいって!なんでかわかんないけど!
ヤメロって!!
そして俺はふよふよ~っと後退した。
ゆきみ「え~つまんないのー!もっとツンツンしたかったなー!」
これ以上ヤラれたら俺がオカしくなるわ!!
それはそうと、さっさとここからでるぞ!!
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俺はいつも通り、辺りや物を見回した。
はぇ~…調理室ってこんなになってんだなー。
え?お前3年なのになんで知らないんだって?
いやー、俺さー、家庭科と倫理の授業は嫌いなんだよねー。
倫理はともかく、家庭科ってホラ、なんか女子っぽいじゃん?
…それに俺は家に帰ったらまりねぇが料理作ってくれるからあんま「料理」ってヤツに興味がないんだ。
だから、倫理は必修だから置いといて、家庭科は選択科目だから取ってないんだ。
だから、家庭科室改め「調理室」には入る事がなかったんだ。
…と、まぁ、俺の話は良いんだ。
ひとまず、今までの傾向的に「何か」の中に鍵が入っているパターンかも知れないな。
怪しそうな場所は潰していこう。
さすがに鍋の中とか無さそうだな。ここからでも見えるしな。
となるとー…レンジとかオーブン中が怪しいな!
俺はゆきみに「レンジ」と伝えてみた。
ゆきみもそれに反応して…
ゆきみ「わっ!びっくりした!今のはエルフさんが喋ったの?で…レンジって聞こえたけど、レンジを見ればいいのかな?」
そうそう!話が早いじゃないか!
ゆきみはレンジの中を見た。
ゆきみ「レンジの中を見たけど何もないよー!」
チッ。
ハズレか。
…じゃあ次はオーブントースターを見てみよう。
俺はその後ろにあった「オーブントースター」と念じてみた。
ゆきみ「次はオーブンかな?4つあるけど一つずつ見て行くね。それにしてもこの学校のオーブンは相変わらずでかいよねー!」
言われてみれば確かにデカいな!業務用かな?
ゆきみ「何か入っているかなー?」
すると…。
ピカーっと眩い光が辺りを照らし、オーブンの中に鍵が現れた!
ビンゴ!!冴えてるぜ俺!
【鍵、ゲット!!】
次に俺は黒板の方へ目を向けた。
クッキーの作り方が書いてある。
なるほど、授業の内容だな。
ゆきみから貰ったさっきのクッキーは、これを見て作ったんだな。
…これ、もしかして、黒板に何かあるんじゃないか?
俺はゆきみに「黒板」と伝えてみた。
ゆきみ「クッキーの作り方は書いてあるけど…。脱出のヒントは書かれてないね。」
…そりゃそうだろ。
むしろ書いてあってもそれはそれで不思議すぎるよな。
まぁ、黒板には何も無さそうだな。
次を探そう。
次は……。
…そうだ!そうだよ!
食器や調味料がびっしり詰まっている棚を見ていないじゃないか!
よし!次は棚だな!!
俺はゆきみに「棚」と伝える。
ゆきみ「棚ね!食器が多いけど、何か入っているかな?」
すると…。
ゆきみ「こんなところに鍵があったよ!」
ゆきみが鍵を俺に見せてきて、直後に指をさしたのは西洋の独特な形と模様をしたお皿の下だった。
…この皿、いつ使うんだろな……。
【鍵、ゲット!!】
さて、残りひとつだ!
俺はまだあんまり見ていない、机の方に目を向ける。
するとゆきみも俺を追って机の方まで移動する。
そういや、机に置いてあるボウル、変わった形だな。
楕円形とかなかなか見ないよな。
…コレ、なんの用途があるんだ?
そんな俺の考えをゆきみは読み取ったのか…
ゆきみ「ねー!このボウル不思議な形だよねー!」
するとゆきみはそのボウルを取ろうとして…。
ゆきみ「奥にあるから……手前のこの小麦粉を……あっ!!」
ゆきみは小麦粉を落としてしまった。
ゆきみ「あーあ。小麦粉を落としちゃった。どうしよっか…?」
いや…そこは掃除しようや…。
何か吸い取るモノはないかな?
吸い取るものを探してる間にゆきみが…
ゆきみ「このままだと片付けられないよ。床に落ちているのを袋に入れたらダメだよねー?」
あのーゆきみさん?
捨てる方向で検討してくれ!お願いだから粉を袋に戻さないでくれ!
いいか!絶対にだぞ!
!!
俺は名案を思い付いた。
俺、そういや、風を使えるじゃん!
じゃあ、吸い込めば!…と力を入れた瞬間———
びゅわわわー!!
しまった!吸い込む方じゃなく、出す方になっちまった!!
しかし、偶然な事に、ゆきみのパンチラだ!!
なるほどー、今でもくまちゃんのパンツを履いてるのかー。
かわんないなー……そう思っていると。
ゆきみは風に舞った小麦粉を吸い込んだのか…
ゆきみ「ゴホゴホッ!!何すんのよ!!粉が落ちているのに風を吹かせるなんて!エルフさん最低ね!どうすればいいか、もっと考えてよね!」
怒られてしまった。
…だが、元はと言えばお前が粉を落とすからいけないんじゃねーのか?
次回に続く。
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次回更新は…9/18日です。
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