【Fast Episode.8】さ・い・か・い。
【Fast Episode.8】さ・い・か・い。
なな「いやー助かった助かったー!ありがとね!タク!」
お、おう………。
ツッコミ過ぎて、俺は多少疲れたが…
それはそうと…
なんでお前はエルフ状態(?)の俺の事を一目見て分かったんだ?
そう思った瞬間———
視界が揺れた。
あぁ…コレ、もしかして…夢から覚めるのか…。
色々聞きたかったんだがなぁ…。
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???「………ク!……タクー!!……タクミー!!!!」
どわー!!うるせえぇ!!!!耳元で大声で叫ぶなー!!
ガバッと俺は飛び起きた。
なな「あ、やっと起きたー!ほんとタクってバカだよねー!トイレのドアに全力ダッシュしてぶつかるなんてー…」
ドア?全力ダッシュ?なんのコトだ?
俺は確か………
階段から滑り落ちて…?
あれ?滑り落ちたんだったか?
なな「ちょっとタクー!まだぼーっとしてんのー?」
俺は我に返り、ななに聞く。
タクミ「あれ…?俺、確か…、親父さんとぶつかって…」
!?
アレ、俺、何言ってんだ!?!?!?
親父さんとぶつかった?いつ!?!?
なな「そうだよぉー…タクったら、トイレに入ろうとして、トイレのノブを持ったら、先に入ってたお父さんが出てきてゴッツンコしちゃうんだもん!」
続けてななが。
なな「ごめんねー。うちではトイレは電気つける習慣がないんだー…。私も一回お母さんとゴッツンコしたし…言っておけばよかったねー。」
確かに俺はななと親交はあるが、ななの家のルールまでは知っているわけではない。
…あれ?でも親父さんって俺が来た時、いなかったんじゃ…。
まぁ、いいか。
それにしても……なんだこの匂いは………香水か?
俺は特別、香水が苦手なわけではないが、この匂いはちっとばかしキツイ。
それに、ななは香水なんか持っていなかったはず…。
タクミ「なぁ、なな。その匂いはなんだ?香水か?」
なな「そうだよ~この間買ったんだ!」
タクミ「お前、香水なんか興味あったんだな…。」
なな「何言ってんのー?昔から香水は使ってたよー?スポーツしてると汗がねー…」
…あれ?そうだったか?
たしかに言われてみれば、使ってたような、使ってなかったような…。
まぁ、それもいいや。
タクミ「それで…。今何時だ?」
なな「今はねー…えーっと…16時半かな!」
…お前、適当に答えてねーか…。
俺はスマホを見た。
16時半ではなかったが、時刻は17時過ぎ。
部活生もそろそろ帰りだす時間だ。
俺の腹からはぐーっと音が出る。
腹減った…。
ひとまず、時間も良い感じだし、帰ろう。
タクミ「そろそろ帰るわー。お邪魔したな。」
なな「はーい。あ、タク、また今度ネズミーランド行こうね!」
なんだ?この違和感…?
さっきの香水と言い、何故か妙に女の子らしいというか…。
…というか、ネズミーランドって千葉じゃねーか!……遠すぎるわっ!!
そんな違和感を覚えつつ、俺は帰路についた。
そして、家が近くなった時に後ろから軽く肩を叩かれる。
???「たーくみっ!」
少し聞き覚えのある声だな…?
俺は振り返る。
…するとそこには俺よりかなり身長が低い中学生の様な女の子が立っていた。
中学生…?…いや、これはうちの制服だ。
ネクタイが青だから、新入生か?
???「もー何見てるのよー!タクミ、私の事忘れちゃったの!?」
そのショートヘアーの髪型、腕を組んでふんぞり返るところ、そして…なによりその絶望的な身長…。
俺は思い出した。
タクミ「おまえ…もしかして、ゆきみか!?戻ってきたのか!!??」
ゆきみ「へへーん。せーかい!ゆきみだよ!」
うわ、マジか……!
ゆきみ「タクミ、もしかして覚えてなかったのー??まぁこんな美少女になっちゃったもんねー?」
タクミ「…ちょっとまて。お前のどこが美少女だ。ちんちくりんじゃねーか!!」
ちんちくりん具合ではななといい勝負をするくらいだな…。
とまぁ、ツッコミを入れつつ、聞いた。
タクミ「ゆきみ、久しぶりだな。コッチ(地元)に戻ってきたのか?」
ゆきみ「そうだよー!!戻ってきたのは数日前だけど、今期からタクミと同じ紅葉高校へ通うんだ!」
俺と一緒の高校に通うのか!?
そこはびっくりしたが、まぁ再開できた事にまずは喜ぼう。
ゆきみ「それでねー!私、昨日から生徒会に入ったの!華咲みどり先輩に憧れて!」
華咲みどり?
…委員長と何か接点あったのか?
すかさずゆきみは話だす。
ゆきみ「あのねー。昨日の登校初日に、体育館へ行くのに迷っちゃって…。その時、3年の可愛い先輩に助けてもらったの!」
あー…なるほどな……大体、状況は読めた。
こいつは確か…昔から少し方向音痴気味だったな。
うちの高校はそこまで広くはないとは言え、新入生なら迷っても仕方ない。
…しっかし、新入生が困っていたら即座に手を差し伸べる辺り、委員長らしいな。
ゆきみ「そして、その先輩に会いにいったらタクミも一緒のクラスなもんだから!」
何ぃ!?ゆきみ、俺の教室に来てたのか?
…全然気付かなかったぜ…。
タクミ「そうだったのか…。いつ来てたんだ?」
ゆきみ「昨日の放課後だよ。みどり先輩に朝のお礼を言いに来たんだ。そしたらタクミもいたから声をかけようと思ったけど、すぐに別の教室にいっちゃったから…。」
…そうだったな。
昨日は午前授業でななを探しに教室までいったけど、いなかったからそのまま帰ったんだっけな。
ゆきみ「それでその後、みどり先輩と色々話をしてて、みどり先輩が生徒会だっていうから、私も生徒会の試験を受けてたの!」
ああ、あの倍率が高い、くそムズイ試験だな。
特に学力テストなんかは2年や3年の問題も平気で出してくるしな…。
…だから俺は当然ながら落ちたわけだけど。
ゆきみ「それでー、私は学力テストは合格ラインじゃなかったんだけど、「コミュニケーション能力が非常に高く、書記候補として育成したい」ってみどり先輩が推してくれたの!それで今日から準書記として生徒会で活動してたの!」
…マジか。
確かにコミュニケーション能力も見られているらしいが、そういやそうだな。
こいつは今も昔も誰に対しても態度を変えないな。
…らしいっちゃらしいんだが、俺も一応、幼馴染とは言え年上なんだがなぁ…。
ゆきみ「それで、私、風紀委員もかねて務める事になったんだ!生徒会長が「適任だ!」って。」
げっ…。
風紀委員って遅刻した時に散々言われたあいつらか…。
ゆきみ「聞いたけど、タクミめちゃくちゃ遅刻してんだって?生徒会では要注意リストに入ってるよ?」
………。
それは聞きたくなかったな…。
ゆきみ「私は遅刻には厳しいよ~いくらタクミだろうと、ちゃんと風紀委員として指導するからねー?」
……こいつに指導されるのはやだなぁ…。
まぁ、遅刻は気を付けよう…。
その後、俺の家に着くまで、ゆきみと軽く雑談や思い出話をした。
そして、ゆきみは近くのマンションに住んでいる事が分かった。
学校は一緒だし、これからも会えるだろう。
ゆきみに「じゃあな!」とだけ言い、家に入った。
そして家に入るなりいきなり。
茉莉菜「たーくん!おかえり!晩御飯、どうする?ポルシチでもする?」
タクミ「ポルシチは昨日食っただろ!2日連続は流石にいらねぇ!それに…今日はなんか疲れたからいらねぇ。すごく眠いから先寝るよ」
さっきまでは腹減ってたけど、なんか疲れて食う気がおきないしな…。
茉莉菜「え〜食べてきたの〜?それよりたーくん熱あるの?大丈夫?おかゆでも作ろうか?」
タクミ「いいよ!姉貴が作ったら激辛とかになるだろ!!!…純粋に寝不足なんだよ。まりねぇ、おやすみ。」
時刻はまだ19時半…いつもならゲームをしてるたーくんなのに…
茉莉菜「わかった。ゆっくり休んでね!たーくんおやすみ!」
2階に上がった俺は着替える体力も無くベッドにダイブして寝てしまった。
……いつもより、ちょっとずつ変になり、変わっていく…。
———俺の新しい日常が。
次回に続く。
ご閲覧頂き、ありがとうございます♪
次回更新は…9/11日です。
よろしければ次回の物語も見てくださいね!
ちなみに作中に出てきたポルシチとは、ウクライナ発祥の郷土料理(?)です。
ロシアでも馴染みのある料理になります。
赤いスープで最初見た時はなかなかびっくりするかもしれません。
味は結構、賛否が分かれるかと思いますが、煌姫は食べた事がなかった為、ロケに行って来て食べてきました。
※日本で提供してくれるところです。
味は私は好みの味でした。
少し酸っぱく、酸っぱいけど肉や野菜の甘味がイイ感じにマッチして美味しかったです。
機会があれば食べてみてください♪




