表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

1-6 見慣れた事件

「シュウ、いつまで寝てるの?」

また寝坊してしまったのか。

アヤにはいつもお世話になってるなあ。

「ちょっとシュウ、聞こえてるんでしょ?もう起きないと遅刻するよ?」

そうはいっても体はピクリとも動かないし。

にしても今日は声がやたらと近い。

ついに家の鍵を突破されたというのか…?

「シュウ!」「うわぁっ?!」

突然身体から温もりが失われた。

春眠暁を覚えず、春の朝は眠るもの。

そんな僕の常識は儚くも敗れ去った。

ってなんでアヤが部屋にいるのさ。

「おはよう。…なんでここに?今日そんなに時間ないの?」

そこまでだとは感じないけど。

寝惚け眼でアヤと見つめ合いながら言う。

今日も君は早起きですね。

「何言ってるの。隣で寝起きしたんだから起こしに来ただけでしょ」

隣の家なんていつも…あっ。

「なるほど。そういえば同棲始めたんだっけ」

「~~~っ!!」

何も考えずに放った一言だったが、目の前の少女にはクリティカルヒットしたらしい。

顔を背けて、

「ごはん!冷めるから!早く降りてきて!」

と言い残して出ていってしまった。

これが今日から毎朝続くのか。

「朝はゆっくり出来なくなるな…」

二度寝なんてもってのほか。

悲しい現実だ。

幸せな朝に別れを告げながら、学校の準備を始める。

だいたい"明日のことは明日する"というスタンスなので、鞄の中身も朝調整。

忘れ物の原因になっているのは間違いない。

「ん?アヤ、ご飯冷めるっていってたよな…?」

一抹の不安を胸に各種準備を終わらせ、下に降りると。

「ちょっ、アヤ、君は何を作るつもりだい?!お願いだから爆発とかはやめておくれよ?!」

「ノアは黙ってて!作るのは私!」

超物騒な話してますね。

ってことはやっぱり。

「アヤ!?料理してるの?!ストップ、大変なことに」

「きゃあっ!?」

急いで駆けつけたが時すでに遅し。

大きな音とともに短い悲鳴が聞こえた。

みると、暗黒物質をのせたフライパンに、何故か中身の爆散した鍋。

極めつけは「完成品!」とばかりに並んでいる()野菜達。

どうやったらあんな変色するんだろう。

余りの惨事に頭を抱えて立ち尽くしていると、初めてコレを見たはずのノアが勢い良く口を開いた。

「シュウ!何なんだいこれは!この子はまともに料理する気があるのかい?何を作りたいのか全くわからないよ!」

まあ一見さんはびっくりするよね。

当の本人は台所で鍋を見つめ肩を震わせていた。

ああ、小さい頃何度もみた光景だ。

何回か料理を振舞おうとしてくれたときがあった。

殆ど失敗だったけど、そのあとの行動はいつも決まっていた。

そう、こんなふうに目に涙を浮かべながら。

「もう二度と料理なんてしないから~!!」

走って出て行ってしまうと。

「何なんだあの子は…。まるでハリケーンかなにかのようだよ」

ノアが部屋の惨状を見渡しながら言う。

まあ悪気があるどころか善意も優しさでしてくれてるからね。

そこまで悪い気はしないというものだ。

片付けるのは僕だけど。

「ちゃっちゃと片付けてアヤに軽食でも持っていってあげよう。朝ご飯もお弁当もなしじゃ耐えられないだろうし」

「全く、ここまでされてその態度、随分と仲良しさんでいいことじゃないか」

「まあそう言わないでよ。折角アヤが作ってくれようとしたんだから」

ノアがこっちをみて笑っている。

そういう彼女はそこにいるだけで楽しいのだろうか。

「ノアはこの後どうするの?といっても外には連れて行ってあげられないけど」

いくら緩くても流石に見つかってしまえばアウトだ。

何かで暇潰しできるといいんだけどね。

「凄く凄く暇だよ全く。ま、君たちが帰ってくるまではスリープしとこうかなぁ。早く帰ってきておくれよ?」

「そっか…。ごめんね。ノアの移動についてちょっと考えてみるよ」

そう簡単には見つからないと思うけど。

「よし、じゃあ片付け開始だ」

…毎回思うけど、何使ったらこんなことになるんだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ