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1-3 そして2人はかく出会う

――放課後。

人目を避けながら目的地を目指すことおよそ1時間。

ようやく辿り着いた山は、見た目はいつもの山と変わりない。

「ほんとに特殊?まあ入って見れば分かるかな」

しばらく草木をかき分けて進む。

人が通っていないので、獣道を中心に進むことになる。

使い慣れた背中の籠はまだ何も入っていない、

「特別な草花のためだからね。よく見るものは摘まずに場所を空けておかないと」

幾つかの小川を越え、岩を越えた所で目の前から道が消えた。

ここからはもはや獣道ですらないらしい。

山の獣すら立ち入らない場所。

「これは…期待していいんじゃないかな?」

少しばかり胸を弾ませながら先へ進む。

先へ、先へ。

この奥に何かがある、そんな気がしてならない。

日が傾く。木の少ない斜面が紅く染まり始めた。

日没までには目的地に着きたかったが、際どいかもしれない。

帰りの灯りを気にした時だった。

「えっ…何ここ…?」

突然辺りがひらけ、一面に背の低い鮮やかな花々が、さながら絨毯のごとく広がっていた。

「凄い…見たこともない花だ!この葉も知らない!」

取りすぎないよう注意しながら、次々と摘み取っていく。

籠の中身はすぐに半分を越え、足も自然と奥へ奥へと進んでいった。

「どこまで続いているんだろう?」

もう日は沈むというのに、手も足も止まらない。



「ふぅ、すごい奥まで来ちゃったな」

今日は本当に大収穫だ。

途中で積むペースを落としたにも関わらず、籠は限界まで入っている。

もうこれ以上は無理だろう。

「帰りの灯りは家まで保たないだろうなぁ」

山で消えたら本気で遭難してしまう。

今日のところは帰ろう、その振り返る一歩で目線が揺らいだ。

「うわっ?!危ないなぁ、全部零れる所だった」

まあ山だから躓くものには事欠かない。

にしても慣れているというのに何につまずいたのか。

足元の、違和感。

「何これ、鉄?何に使うんだろう」

ごちゃごちゃとした金属。

銀色と茶色の混ざったボロボロのモノ。

よく見るとそれはたくさん散らばっていた。

大きいものから、細かな破片まで、まるで何かを壊したか、焼いたか、砕いたか。

その中に、比較的綺麗な板があった。

表面こそ汚れているが、滑らかであることが見て取れる。

思えば、ここで近づいたことが運の尽き、いや運命だったのかもしれない。

只の板であるはずのそれは突然光を灯した。

「――ぷはぁっ!やっと動けた!なんだい、全然ログインしてくれないじゃないか!…うん?何だってこんな山の中にいるんだ?というか反応した人はどこにいるんだい?」

驚きで声も出ない。

え?板の中に人?女の子?

というか喋ってる?!

混乱がピークに達した時、彼女と目が合った。

「なんだそこにいたのか。これから宜しく頼むよ。――それとも君は、電子な女の子は嫌いかい?」

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