1-4 古代文明
――それとも君は、電子な女の子は嫌いかい?
状況が全く読み込めない僕に、彼女は躊躇いなく話しかけてきた。
「やあ、流石に急すぎるかな。まずは名乗り合おうじゃないか。君の名前は何と言うんだい?」
自己紹介しろと。
しかも相手を先に名乗らせるんだ。
でも殆どパニックに陥っている僕は、そこまで深く考えることなんてできない。
「えっと…暮葉 愁です」
「そうか、シュウというのか。よろしく頼むよ。ところで、名乗りと言ったはいいが今のボクには名前が無いんだ。長期間相手にされなくて寂しい限りだよ。というわけで、ボクに名前をつけてはくれないか?」
名前無いんだ。
というか僕がつけるの?なんで?
訳が分からない。
「そもそも君はなんでその板の中にいるの?というか人なの?なんで喋れるの?生きてるの?」
湧いた疑問を取り敢えず思いつくままにぶつけると、女の子はキョトンとした顔になった。
「何でって…そりゃボクがアンドロイドだからさ。いや、少し違うのかな?AIと言った方が正しいかもしれないな。ともかく、ボクは身体を持たない0or1な女の子、というワケさ。ここまではいいよね?」
いや全然全く。
何も理解できないです。
と、ここで1つの可能性に辿り着く。
「…あっ、もしかして革命前の機械?!」
「革命?どの革命だい?産業革命とかなら流石にもっと後だけど。そういえば、 よく見るとこれボク完全に捨てられてないか?こんな山なんてあったっけ?……あっ、ああ、あーそういうことか」
1人で納得しないで欲しい。
という目をしていると、気付いたのかこちらを見てまた話し始めた。
「うん、これはお互いに認識の齟齬があるようだね。少しゆっくりと話し合おうじゃないか。まず今は…随分と長い時間が経ってるみたいだからね、100年後と予測してみるよ。ずばり、2800年代。どうだい?当たっているかな?」
「2800年って…今は3808年だよ。本当に古代文明だ…」
「1000年…だと…?!そこからか、ダメだ、色々教えてくれないか。アップデートするにもサーバーが無さそうだし、どうやらある意味奇跡みたいなことが起こったのかもしれないよ?」




