ルール・ラーラ
「シャドウ、か」
戦いが終わり、自室で休息。
わずかの攻防、思い出すだけで手汗がびっしょりです。
「ライト、ちょっといい?」
扉の向こうからイリスの声。
「大丈夫」と返事します。
「疲れてるところごめんね」
「いいよ、それで何の用だ?」
「まずあなたの武器の補充の件については目処が立たなかったという報告。金属についてはなんとかできることがわかったけど、弾薬だっけ、あれはどうしようもならないわ」
「むしろ金属はなんとかなるのか!」
「ええ、あとはナイトの手入れをしている細工職人がいるんだけど、彼女たち曰くあなたのカンガルーの修理については可能だそうよ」
朗報です。
悩みが一つ解消されたのか、少し嬉しそうな顔をしています。
「一応エネルギーの補充はできるし、こっちの世界で補充できるもので新しい武器でも考えてみるか」
「そんなことできるのです?」
「ありあわせでなんとかするぐらいはできるさ、サブマシンガンはもう使いみちはなさそうだし地道に考えてみるさ」
「それは楽しみですね!……そしてもう一つ、ライトはあの黒騎士と何か話していましたね?」
彼女たちは黒騎士の正体について把握していません。
それ故に対話ができた、と言う点が気になっていました。
「……したけど何ていうか、互いに手を引こうって話をしたぐらいだ」
「それでもビックリですよ!私達は長いこと彼らと戦ってきましたが会話など一度もありませんでしたから」
「ただあのまま戦っていれば俺は間違いなく死んでいた」
サブマシンガンの弾は切れていた。
もしあのまま戦っていればコックピットを貫かれていた……と彼は考えます。
「それと……どうぞ」
「やっとかー、話が長いよイリス」
背は小さく、爽やかな口調の女性が部屋へと入ってきました。
少し黒ずんだ頬、汚れた服。
「俺は細工職人のルール・ラーラってんだ!ルールって呼んでくれ」
「あ、ああよろしく」
「んでー、お兄さんのナイト?カンガルーっていうのか。あれについていろいろ話を聞かせてほしい」
「……では私はここで失礼します!」
慌てた様子でイリスはお辞儀をし、部屋から立ち去っていきました。
そんなことにお構いなくは続けます。
「その、サブマシンガンっていったっけ。あれの弾さぁ、どうなってるの?」
「どうなっているって……」
「いやさ、あんたのナイトの金属、あと機械っていうんだっけか。あれについても何人か仲間に詳しいのがいて整備できるって言ってたんだけど、弾だけは誰もどうしようもないって」
「ちょっと待ってくれ、機械がわかる奴がいるのか?」
思わず声をあげました。
白騎士は明らかに機械に見えるが、動力は魔法とされていたので失われた超文明みたいなものを想像していました。
しかし、彼女の口から機械という言葉が出てきたことに驚きを隠せませんでした。
「おいおい何を驚いている。ここの地下の遺跡は機械だらけだぜ?」




