決意の弾丸
「よくやった地球人、そしてリフライトの民よ」
「あ、あんたは」
通路を抜けた先には巨大な機械がありました。
意思を持ったかのように明滅する光。
「すげえ威圧感だな」
「ああ、それは俺も思う……」
二人は思い出したかのように後ろを振り向きます。
そこにいたのは崩壊していくケテルの姿です。
「ク、クリエイター!お前、お前が地球人の力を頼るなどとは」
「ケテルよ、ここは退くがいい。もう何もできないだろう」
「まさかお前自ら出てこようとは、だが、だがしかし、この地球人だけは道連れにしてくれる!」
崩れ行く体でライトへと突っ込んできました。
咄嗟に背中に忍ばしていたリボルバーを取り、弾丸を撃ち込みました。
「う、うおおおおおお!」
「やったか……か?」
完全に肉体が消え去り、ケテルは消滅しました。
「ふううううう」
大きなため息とともに地面へと座り込みます。
ルールもこれまで気を張り詰めたのか崩れ落ちます。
「あ、あんたはクリエイターと呼ばれていたが」
「いかにもだ。地球人よ、礼を言わせてほしい。ありがとう」
「一体どういうことなんだ?」
「ケテルは人の魂に寄生し、自分そのものとして乗っ取るガス生命体。自分の存在を消す可能性を持つリフライトの存在を疎ましく思っている」
「消す可能性たって、もう倒しただろ」
「奴の魂の一部分に過ぎん。奴はまだ生きている」
「あ、あんなに苦労したのにか」
「……そして奴が目覚める前にリフライトの民をその銃で撃つが良い」
「なんだって?」
ライトとルールはお互い顔を見合わせました。
「ケテルは狡猾な存在。奴は既にリフライトの民の一部を自身の分身にしていた。先に死んだ地球人はお前にいずれその銃を使うときが来ると言っていただろう」
「シャドウ……」
「魔法力を持たない武器でしかそのリフライトの民を撃ち抜くことはできない」
「どういうことなんだ?」
「ケテルの魔法力は異常なまでに高く、通常の肉体だとその魔力に絶えきれず四散してしまう。お前達が戦った地球人の娘はそれに耐えられるよう改造されていた。無論、お前達の仲間にいた地球人もそうだ」
「地球人……ラッドか!?」
「彼にはその力を利用させてもらった。彼がいなければ門を開くことは叶わなかっただろう」
「どうなったんだ奴は!」
「恐らく地下深くで動くことも話すことも叶わず、そして死ぬことすらできない存在になっているだろう」
「な、なんだって……?」
怒りで拳を震わせます。
「……なぁ、俺はどうなるんだ?」
「お前はここで死んだほうがいい。私の力を持ってしても奴の力を防ぐことはできん」
「チッ、ここまでってことかよ」
少しその声は震えていました。
ライトはリボルバーを構えます。
「なぁクリエイター、ルールは撃ち抜かれた後どうなるんだ?」
「魂から解放されるだけだ。命は助からぬ」
「本当にどうしようもないのか?」
「ああ、どうしようもならぬ」
引き金に指をかけます。
ルールは目を閉じていました。
「お前に撃たれて終わるなら仕方ねえ、撃ってくれ」
「シャドウの奴、教えてくれたらよかったのにな……悪いが俺は遠慮はしないからな」
「ああ、イリア達にはよろしく言っておいてくれ。あの世へ言ったらラビの奴を一発ぶん殴ってやるんだ」
「……俺の分まで頼んだ」
銃声が響きました。




