神の拳
「地球人、最後にひとつだけ聞いておく。俺の仲間になるつもりはないか?」
「なに?」
「俺は別に地球人を滅ぼすつもりはない。この惑星に住まう生命そのものが問題だからな」
「だからといってあんたに付く道理はないと思うけど」
「わかってないな。ここで俺と戦うということは地球そのものも破壊の対象になるということだ。その意味がわかっているのか?」
ライトとラッドはケテルが何を言っているのかまったくわかりませんでした。
子供の駄々のように聞こえて仕方なく、ため息が出ます。
「子供の駄々っ子のように、か。俺も馬鹿にされたもんだな」
「神と言うだけのことはあるな」
ライドは思わず少しけなした言い方をしました。
怒るかと思いきや、笑い始めます。
「地球人よ、例えばだがお前達の星にも戦争はあるだろ?もし相手が自分の国を攻めてきたらどうする?」
「……それは」
「簡単だ、対抗するか、降伏するかしかないだろ」
だからどうした、と言いたそうな顔をライトはしましたが黙ります。
「ここで俺と戦う、と言うことは事実上の宣戦布告だ。個人と個人の喧嘩であればそうはならないかもしれないが、俺はそのつもりはない。俺という存在に喧嘩を売った、と考える」
「神なら寛大であるべきだろ、愛すべき人類ではないのか?」
ラッドが聞きますが、それもあざ笑います。
「それはお前達の神に対する偏見だろう。力あるものは力なきものを統べる、まぁ地球人らしい考え方だ」
「どういうことだ?」
「地球の神はそうかもしれんが、俺は神の神であって、人の神ではない。まずそこを間違えるな」
ライトは決裂と言わんばかりの先制攻撃を繰り出します。
不意打ちの攻撃が決まった……と思いましたが切り裂いた先は虚空そのものでした。
「実態がない?」
「なるほど、それが答えか」
宙に浮いているたくましい腕がこちらに向かって攻撃を繰り出します。
左腕のアームガードでブロックしますが、粉々に砕かれ、左腕をそのまま粉砕されます。
「ぐぅうううううう」
「嘘だろ!?対魔法装甲は完璧のはずだぞ」
「そんなもので神の一撃を凌げるわけがないだろう」
攻撃の反動を利用し、次は左腕で殴りかかってきます。
ライトは一気にレバーを引きます。
フェニックスモードの起動です。
「無茶だ!エネルギーがないんだぞ!」
「無茶でもやらないと負ける!うおおおおおおおお」
一瞬起動し、左腕をくぐり抜けて回避します。
そのまま勢いよく頭部へ向かってレーザーソードを突き刺しました。
「ぐおおおおおおおおお」
「よし、ここなら効く!」
突き刺したレーザーをそのまま左へと振り抜きます。
そして腰に備えている魔粒子爆弾を放り込み、一気に下がりました。
激しい爆発がケテルを覆いました。
「やったか!」
爆煙が晴れていきます。
しかしそこには妙な影が見えます。
「な、なんだと……」
「どうした、驚くこともないだろう。続きをやろうぜ」
そこにいたのは異形の竜の姿をした化物でした。




