眠り姫
再びルイドへ――。
植人化したリズは治療されたはず、そのつもりでライト達は向かいました。
しかし彼女は未だに眠ったままでした。
「……まだ目覚めてねーのか」
「皮膚も元に戻ってるのに、何故目覚めないのか」
ルールは手にとり、柔らかい肌を触ります。
その感触は柔らかく、人肌と言ってもいいものでした。
「リズだけじゃねえ、ドクターをはじめとした人々もまだ目覚めてない」
「むしろルールは何故早かったんだ?」
ライトは当然の疑問を口にしました。
ルールも考えます。
「例えば、例えばの話なんだけどよ。俺やライトはならなかったことに関係してるんじゃないか?」
「魔力を持たない、って奴か?」
「ああ」
この二人は植人化することは結局ありませんでした。
「あっ、そういうことか」
「んっ?」
「いや、俺はリフライトに住む人に珍しく魔力にまったく恵まれなかったんだ」
「というと?」
「うちのラビもそうなんだが、異様に魔力がないんだ。私はゼロってわけじゃないけど」
「だから回復も早かった、ってことか」
「未開の地へ踏み込む奴はだいたい魔法が十分に使える奴らだ。それにリズも魔力ならイリアやイリスより高い。うーん、しかしアテが外れてしまったな」
二人は首を傾げます。
彼女の何かに期待していたようでした。
「ああ、リズの魔法はいろいろと特別でな。今のプラチナス城を調べるのに手伝ってもらおうと思ってたんだ。だがそれも無理そうだ」
「起きるまでどれくらい必要かもわからないしな、ふーむ」
「ならセクト国へ行かないか?」
「「えっ」」
ラッドの提案に二人同時に声が出ました。
「ナイトモードで黒くなれるし、おチビちゃんは機体に隠れてればいい。基本的には俺だけが降りることにはなると思う」
「……どう思う?」
「なんとも言えねえな。それだったら城を調べようって言いたいぐらいだけど、ここに来るまでにさすが俺も頭を冷やして考えた」
「それで?」
「今城を闇雲に調べるのは危険だ。それだったらまだセクト国へ行った方がマシかもしれねえな」
「よし、決まりだな」
二人は頷き、リフライトへと乗り込みます。
「……リズ、早く目覚めてくれよ」
リズが寝ている建物は遠く離れ、リフライトはセクトへと向かいます。




