二人の作戦
2機は洞窟へと身を潜めています。
「なんとか逃げれたか」
「あれ、白騎士だったよな?」
「ああ、ホワイトナイトだ恐らく。しかしあれは……」
白騎士――ホワイトナイトは本来美しい白を基調とした巨兵です。
飾り付けなどの遊びはなく、ただ洗練された白と表現すべき名機です。
だがその面影はどこにもなく、悪魔的に、より植物らしいフォルムへと変貌していました。
「どうしてこんなことに……」
「一度ルイドへ引き返すか?」
ライトは考えます。
ここで帰るのは果たして正しいのか悩みます。
「いや」
そう、ひとつ考えるに値することがありました。
「魔物の血だ、そいつをまず試したい」
「血?」
「ルイドで素性の知らない男から血を使えば治療できると聞いてな」
「……胡散臭さはあるが信憑性は置いていても試す価値はあるか?」
「よし、早速試してみよう」
小型のメカからケースを取り出します。
中から少し霧のようなものが出ますが、お構いなく手に取ります。
「大丈夫なのかよ?」
「この感染、お前もそうだがなんで俺には発症しないんだろうな」
ラッドは不思議そうな顔をします。
「あの村のドクターは発症した。で、俺はまだ症状が出ていない。時間的には俺の方が先に感染してる気がするんだ」
「時系列で考えるとそう……か?」
「俺に抗体がある可能性も考えた、が都合よくお前にも抗体があるのかって思ってな」
「つまりどういうことだ?」
「感染には条件がある。で、俺とお前はその条件に含まれない、としたらどうだろうか」
注射しながらライトは続けました。
しばらく唸っていましたが、彼もようやく答えにたどり着きます。
「もしかして魔力か!」
「俺はそうだと思っている……さて」
ルールの腕を手に取ります。
表面を覆っていた木の表面のようなものがみるみる剥がれていきます。
手からも少しずつ温度が上がっていくのが感じ取れます。
「効果がある!」
「希望は少し見えてきたな」
「……ルールにお前のこととこれまでのこと、話してもいいか?」
「あっ」
この一言でラッドは浮かれている気持ちが冷めていきます。
彼とライトの関係は誰であれ秘密裏である必要がありました。
「今はただ共同戦線を張っているということにしよう」
「その嘘が通じるといいがな」
「どういうことだ?」
「プラチナス国とセクト国だっけか?今まで人と人の対話をしてこなかったんだろ?それがいきなり対話して手を組みましたっていって信じれるか?」
「それは確かにそうだが……」
ラッドは黙り込みます。
ライトはルールに教えるのが最善だと考えていました。
今は戦力が少しでもほしい、これが本音です。
「よし、ならこうしよう」
ラッドはライトに作戦を説明します。
その話は手短であり、ライトは少し考え込みました。
「よし、いいだろう。その手で行こう」
最終的にラッドの提案に乗ることになりました。




