ヘドロの魔物
「なぁルール、あれはなんだ?」
「俺にもわかんねえよ!」
巨大なタンク、無数の触手。
グロテスクな見た目にドロドロとしたものがところどころから流れています。
血、というよりはヘドロと言うべきものでした。
「まぁまずは様子見ってことで……」
手のひらサイズの岩を拾い、思いっきり投げます。
一直線に飛んでいき、魔物に直撃します。
穴が空き、そこからあまり直視したくないヘドロが流れ出ています。
「うえっ……反応もないな」
「よく見てみろ、あれがウイルスか」
「霧みたいなやつが出てるな」
目を凝らさずとも目視できる度合いで宙に何かがかかっています。
もやもやと言うよりはしとしととした雨のような。
目がどこにあるかわかりませんが、少しですがこちらへと近づいてきています。
「さて、と。じゃあこいつはどうだ!」
ボンッ――
心地よい音がなります。
決して早くない弾速で飛んでいき、着弾。
ゴオオオオオオッ――
燃え広がります。凄まじい火力で魔物を燃やしています。
ヘドロらしきものはみるみる色がかわり、黒ずんでいきます。
「よし、効いている!」
「バーストモードを起動だ!」
「行くぜ!」
カンガルーの機体の色がみるみる明るいグレーから黄色へと変化していきます。
魔術の起動、そして熱を帯び始めたことによって変色。
そして一直線に魔物へと飛びつきます。
「……!少し赤みの掛かった液体」
「恐らくこいつだ!採取するぞ!」
急ぎメカを起動させ、採取に取り掛かります。
燃え盛る炎に動揺しているのか、必死に体内から液を出して消火する魔物。
その隙をついての採取……。
「よし、離脱する!」
カンガルーはそのまま森から離脱します。
魔物は消火に必死でカンガルーに構うことはありませんでした。
しかしその魔物のところへと1機の巨兵が現れます。
「やはり俺の見る目は間違っていなかった。魔術師ごときではここまで燃やすことはできなかっただろう」
魔物に拳を突っ込み、そのまま何かを掴んだまま引っこ抜きました。
すると魔物はみるみる萎れ、しぼんでいきます。
体内からヘドロが湧き出ています。
「計画にはどうしてもこいつが必要だったんだ、こいつが……」
ヘドロにまみれた何かを手で拭うと球体のようなものが見えます。
「おかしい。中身がない」
あたりを見渡しますが、捜し物は見つかりません。
中に乗っている男はハッと何かに気付き、横へと飛びました。
背後には何かがいました。
「な、なんだこいつは……!」
ロボットの黒い右腕は切り落とされ、ボトリと落ちました。
捜し物を諦め、その場から離脱します。
「クソッ!……中身はさっきの奴の……どうするか」




