植人病
「リズ……!」
「なんだこれは……」
ライトは思わず目をそらしました。
リズと呼ばれた女性の肌は茶色く変色し、髪は緑の植物で覆われています。
「君たちこの子の知り合いかい?」
「な、なんなんだこれは!」
「腐乱植物と呼ばれる魔物のウイルスに感染してね、僕たちが助け出した時には手遅れだったよ」
ルールは彼女の手をとりますが、温かい感触はありません。
あまりの衝撃的な姿に少し肩を震わせています。
「これ、生きているのか?」
「ええ。植物になってしまっただけですから」
「助けるにはその元凶の血がいる、って聞いたけどどうだ?」
首を横に振ります。
「どうする?」
「……ラックアっていったっけ、そいつが言ってた情報を信じるしかないだろ」
少しやけくそ気味でした。
返事はなく、しかし生きていることはわかる程度のリズ。
「新しい武器、あれは使えないな」
「さすがに使うんじゃない、とは言え今の武装も使えるかって言われるとな」
カンガルーに搭載されている武器は電撃がメインです。
植物相手に放てばさすがに燃えてしまう恐れがあります。
「ところで相手は植物なんだろ?血ってどういうことなんだ?」
「あれを植物と呼んでいいのか……血、血ですか。恐らく、血と思われるものは見てもらえればわかるかもですね」
どこか歯切れが悪い返事。
二人は少し不安な顔で見合わせます。
「難しいなぁ」
「わかってる、ただ植物じゃねえなら電撃系の武器を使ってもいいんじゃないかって気もするけどよ」
「あの魔物を倒すために炎が得意な魔術師を雇ったことがありましたがまるで通用しませんでしたよ」
「えっ」
「植人病と呼んでいるのですがこれ以上被害を出さないためにも駆除をと。しかし駄目でした」
「炎が効かないのか?」
「いえ、そもそも非常に大きくて燃え広がる前に消されてしまいます。それどころか体液を使って消したりもしますね。植物と言えるのかはかなり怪しいですね……」
「となると、新武器使うか」
「体液を出す、って話ならそれを採取するのが一番楽そうだな。よし、方針はある程度固まったな」
手のひらを拳で叩きます。
希望が見えてきたのかルールも少し表情が明るくなっています。
「奴と戦うのであれば気をつけてください。奴のウイルスは空気感染です」
「マジか」
「ウイルスは熱に対してはどうなんだ?」
「熱に弱いウイルスだとは思いますが……」
「なら大丈夫だ、俺にいい策がある」
ルールは自信満々でした。




