ルイド国
ブラッドとの戦いから一ヶ月ほど経ちました。
帝国の攻撃そのものの回数は大幅に減り、長くは続かない平和が訪れています。
そういう状況であると確信したイリアはライトとルールを呼び出していました。
「お二人にお願いがあるのですが、ルイド国へと行ってもらえないでしょうか?」
「なぁ、ルイド国ってなんだ?」
「ルイドはこの星で唯一の中立国だ。理由は知らないが帝国から一度も攻撃されていないからよほど仲良くやってるんだろうなとは思ってる」
「へえ、で、なんでそこに?」
「プラチナス国には3つの騎士団があり、そのうちの1つがルイド国より更に遠い所へ新しい資源確保のための遠征をしています。しかし連絡が付かず、帰ってこないので確認のためにルイド国へ行ってほしいのです」
「ふーん、でなんで俺なんだ?」
「新しく出した捜索隊が万が一帝国に襲撃された場合に倒される可能性があまりに高いからですね」
ご尤も、と思いました。
行方不明になった仲間を助けるために新しい部隊を遠征に出してそれらも行方不明になったら元も子もない。
ルールは少し渋い顔をします。
「俺がいない間にここが襲撃された時の白騎士の整備はどーすんだ?」
「あなたがいないと成立しないわけではないでしょ?効率とかは下がるかもだけど」
「うっ……そうだけど」
「むしろカンガルーの整備はあなたかラビにしかできないんだから、あなたに着いて行ってほしいのよ」
「そういうことなら……わかったよ」
彼女は渋々了承しました。
出発前にカンガルーにもう1人座れるよう改造が施されました。
そこにはちょこんとルールが座っています。
思えば女の子との二人旅は彼にとって初めての経験でした。
「んあー、俺の顔になんかついてんのか?」
「い、いや別に」
今日に至るまで激しい戦いや未知の連続だったため意識してなかったがプラチナス国の女性はみんな美しいかかわいいのどちらかに分類されます。
村などに行ったことはないが、城にいる女性はみんな若いためより際立っていました。
ルールも例外なくかわいいです。美しいではありませんが。
「ははーん、あんた彼女いないだろ」
「な、なんだよ急に!」
「いやーウブだねウブ」
「からかうなよ!」
「気になったんだけどライトって何歳なのさ」
「26歳だよ、そういうあんたはどうなんだよ」
「まだまだ子供なんだねえ、俺は30歳だよ」
30歳?なんだそりゃ、とライトは思いました。
ルール・ラーラと言う女はどこからどう見ても子供にしか見えません。
年齢詐欺だ、と彼は心で叫びます。
「そりゃ驚くよな。イリアには流石に負けるが俺も十分子供に見えるもんな」
「正直いろいろありすぎてスルーしてたがイリアもおかしいよな……」
思い返すとイリスはイリアのことを姉と呼んでいました。
「ちなみにあの人達は何歳なんだ?」
「なんだ知らなかったのか。イリアは19歳でイリスは17歳だ」
「なんていうか、すげえなプラチナス国の女達……」
「あとな、俺に手出すんじゃねえぞ?」
「出さねーよ!俺はもっとスタイルのいい女性が好みなんだよ!」
「どうせ俺はちんちくりんだよバーカ!」
少しキレ気味だったのでライトは少し困惑しました。
その様子を見てルールはニヤニヤしています。
「さてさて可愛い可愛いライトくん」
「おいっ!」
「ハハッすまないすまない。前から気になってたんだけど地球にはやっぱ帰りたいのか?」
ライトは答えて良いのかと少し悩みます。
口を開くまでの時間はそう長くはありませんでした。
地球への思い、帰りたい理由、この星に対する思いなどを話します。
ルールは少しだんまりしてから口を開きます。
「見つかるといいな」
「ああ」
少し彼女の様子がおかしかったですが、彼はそれに気付きませんでした。
シャーク・フカです。
ここでプラチナス国編は終了し、ルイド国編へと突入します。
少し駆け足ではありますが次回から新章へと入ります。




